神奈川県文書の保存ディスク流出
ネットオークションで販売
12/6(金) カナロコ
県の情報流出について頭を下げる黒岩知事(中央)
=6日午後2時40分、県
県庁のサーバーで大量の個人情報や内部情報を保存して
いたハードディスク(HDD)18個がインターネット
オークションで中古品として売られ、一部の情報が流出
していたことが6日、明らかになった。データ消去を請
け負った業者の社員が無断で持ち出して出品しており、
落札者からの連絡で9個を回収した。県は情報流出の
規模について「確認できていない」と説明、未回収分
は落札者の特定に至っていない。
県によると、回収したHDD9個の保存データ容量は
計27テラバイトと膨大。落札した男性がソフトを使
ったところ、個人の氏名や住所が入った自動車税の納税
記録、職員の人事情報などが復元できたという。ただ、
県は「復元してもファイルが開けなかったり、破損して
いたりしているものが多い」と説明している。
HDDは富士通リース(東京都千代田区)から借りた
サーバーに使われ、契約満了に伴い今春、初期化した
上で同社横浜支店に返却していた。その後、データ消去
を請け負う業者「ブロードリンク」(同中央区)で保管
され、破壊して消去した上で廃棄業者に出荷される予定
だった。
ブロードリンク社の男性社員は消去作業の際に持ち出し
たとみられる。同社の調査に出品を含め認めていると
いい、警視庁に被害を相談したと明らかにした。
県と富士通リースの間では、HDDを破壊するか、データ
を完全消去する契約を結んでいるが、破壊などの証明書
は県に届いていなかった。
県の担当者は「本来出してはいけない内部情報が流出し
たことは遺憾であり、県民に不安を与えて申し訳ない。
事情を知らずに購入した人は、外部に公表しないでほ
しい」と呼び掛けた。
ブロードリンク社のホームページには、「主要取引先」
として自治体や防衛省、最高裁判所などが表示されている。
◆黒岩知事謝罪「県民に不安与えた」
大量の個人情報を含む県の行政文書を保存していたハード
ディスクがインターネット上で売られていた問題を受け、
黒岩祐治知事は6日午後、県庁で緊急会見し、「県と
してもデータ消去の履行確認が不十分だった。結果と
して県民に不安を与え、県への信頼を揺るがしたことを
深くおわびしたい」と謝罪した。
会見で知事は、データ消去を請け負った業者の社員が
持ち出したとして同社の管理体制に問題があったとの
認識を示した上で、「想定外の事態。県の体制も甘か
ったと認めざるを得ない。再発防止策を徹底したい」と
強調。今後、業者が実施するデータ消去の処理に県職
員が立ち会うなどの対策を講じる考えを示した。
横浜のロープウエー着工へ
市が事業者と協定締結
12/6(金) カナロコ
高さ25メートルの視点から見た「ヨコハマ・
エア・キャビン」の完成予想図(横浜市提供)
横浜・みなとみらい21(MM21)新港地区とJR
桜木町駅前を空中で結ぶロープウエー整備計画で、横浜
市は6日、事業者の泉陽興業(大阪市)と事業実施協定
を締結したと発表した。2020年1月から本格的に
工事が始まり、同年度末の開業を目指す。
新港地区にオープンした「横浜ハンマーヘッド」
ロープウエー「YOKOHAMA AIR CABIN
(ヨコハマ・エア・キャビン)」(仮称)は新港ふ頭の
運河パークと桜木町駅前を結ぶ全長約630メートル。
海上の遊歩道「汽車道」の南側に沿って支柱を地上に
2基、海上に3基それぞれ建て、両サイドに駅舎を設
ける。料金や営業時間は未定。事業費は約60億円を
見込んでいる。
市は、新港地区に今年10月末に開業した新港ふ頭客船
ターミナルや周辺施設との連携によるにぎわいの創出な
どを期待している。
同社によると、都市部で平地を結ぶロープウエーは国内
初となる。担当者は「観光集客施設が立地し、開発が進
んでいるMM21地区へのアクセスをより良くしたい」
と意気込んでいる。
横浜市民ですが
ロープウェイなんていらないって
「今議会で成立」大勢
常任委採決持ち越し 川崎市ヘイト罰則条例
12/6(金) カナロコ
付帯決議を提案する浅野氏(後列右から2人目)
=川崎市議会文教常任委員会
川崎市議会は6日、文教常任委員会を開き、ヘイト
スピーチを繰り返した人物に刑事罰を科す「市差別
のない人権尊重のまちづくり条例案」の審議を行った。
自民党から継続審議の提案が出されたが、今議会で
成立させるべきだとの意見が大勢を占めた。自民は
付帯決議を再提案したものの、これにも反対意見が
出された。委員会採決は9日に持ち越しとなった。
自民の浅野文直氏は「ヘイトは撲滅すべきだが、なぜ
本邦出身者と区別し、本邦外出身者へのヘイトだけ罰
するのか疑義を持つ人は多い」と指摘。外国人への
差別的言動は許されないとしたヘイトスピーチ解消
法を根拠とする以上、罰則対象は同法に基づくもの
となり、立法事実も市内で繰り返された在日コリアン
を排斥するヘイトデモであることを市は再三説明して
いるが、浅野氏は説明不足を理由に継続審議を求めた。
賛同したのはチーム無所属のみ。共産党と公明党、
みらいはそれぞれ「ヘイトは許さないと一刻も早く
示そうという市の決意は理解する」「市民が苦しん
でおり喫緊の課題。今議会で採決すべきだ」「ヘイト
スピーチ根絶決議など議会としても意思を示してきた」
と条例案への賛成を表明した。
これを受け自民は付帯決議を再提案。市民への周知
徹底に加え、「日本国民への差別的言動が認められ
る場合、条例の罰則の改正も含め必要な施策、措置
を講ずる」との文言を盛り込んだ案を示したが、共
産の片柳進氏は「条例案の基となった解消法に『日本
国民への差別的言動』は含まれない。削除すべきだ」と
反対を表明。各会派は持ち帰って検討することになった。
自民案について文教委員で公明の沼沢和明氏は「解消
法から逸脱しており到底受け入れられない。法改正な
しに『罰則の改正』など条例でできるはずがない」と
反発。同じ文教委員でみらい団長の岩隈千尋氏も
「解消法の付帯決議と同様のものなら許容範囲だが、
現状の案では賛成できない」と言明した。