よねの備忘録

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医局 その1。

2009-10-23 22:28:12 | 医療の話

*これからお話する内容は、北海道のものです。
 本州と同じとは限りません。

医局には、2つの意味があります。
ひとつは、大学病院で教授を頂点とする診療科の医師集団。
 *以下、「医局(大学)」と称します。

もうひとつは、ある医局(大学)および、その出身者からなる集団。
構成は、医局(大学)、市中病院(関連病院)、開業医の3つからなります。
正式名称は「同門会」。
公的な集まりではなく、私的なものです。
 *以下、「医局」=「同門会」とお考えください。
______________________________

平成16年度の臨床研修必修制度の開始以前、
ほとんどの医学部卒業生は、医局(大学)に属し、
同時に同門会に入会していました。

通常、1年目の研修医は大学内で研修します。
2年目に市中病院で研修します。

ある市中病院の○○科の医師は、××大学の医師のみで構成されます。
(私的病院は、そうでないこともあります。)
例えば、○○病院の内科が10名いたとしますと、
全員、××大学第○内科の医局(大学)の医師です。
ただし、内科と外科が別の大学であることはよくあります。
別の大学だからといって仲が悪いわけではありません。

その派遣人事を決めるのは、大学の教授です。
ある市中病院に医局(大学)から独占的に人材を派遣している場合、
「関連病院」と呼ばれます。
関連病院の数の多さが、医局(大学)の力の強さを示しており、
医学部卒業生もたくさん入局する傾向がありました。
北大、札医大、旭川医大の3大学は、関連病院の多さを
競ったものです。

3年目から10~15年目までは、1年~2年の周期で、関連病院を移動したり、
大学で研究をしたり、あるいは、海外研修を行います。
この人事権もまた、教授が握っています。
これだけ広範な人事権を持っていますので、医学部教授の力は
絶大なのです。

10年目以降、道は3つに分かれます。

1.大学で研究活動を続ける。
 ただし、最終的に教授になれなければ、大学を離れることになります。
 教授になれるのは、10~15年に一人です。
 同じ大学の医局員だけがライバルではありません。
 他大学の人間も候補になります。(他の教授の推薦が必要)

2.開業する。

3.ある関連病院に「固定」になる。
  一回「固定」になった場合は、教授の人事権は及びません。

(1~3 いずれからも落ちこぼれ、関連病院ではない市中病院で
     働く場合もあります。) 
_______________________________

同門会は、医局(大学)、関連病院、開業医の3つで構成されます。

関連病院にとっては、医局(大学)は、人材の供給とともに、
「質」も保証してくれます。

(人格的、その他、問題ありの人間は、大学が「別の道」を斡旋します。
 医師免許が必要で、かつ医療技術をそれほど必要としない仕事が
 あります。例えば、献血車に乗って血圧を測るとか・・・)

開業医にとっては、医局(大学)がバックアップしてくれます。
難しい症例を関連病院が引き受けてくれます。
病気で入院した場合、代診をしてくれます。

同門会=医局は相互互助組織なのです。
_______________________________

大学の医局に入局する新人には、メリットとデメリットがあります。
その2で説明します。

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2 コメント

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なんか (duca-me)
2009-10-24 09:41:10
派遣屋さんみたい(^_^;)>ちなみに元派遣σ(^_^;)
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Unknown (よね)
2009-10-25 02:24:53
その通りです。
派遣業です。
現金をとっていたか、否かだけですね。

うちは、「清廉潔白、さぐる腹」も
ありませんでした。

第2は、「年功序列」人事システムの破綻と、
地方への影響への影響。

これが、
「医療崩壊」の原因です、

duca-meさんのとこは、「医療崩壊の先進」の
ようですね。大いに同情します。

主犯は、「裁判所」です。
「当たり前の治療を過失」とされた地方には
全国の医師が敬遠します。

申し訳ありませんが、近畿にの某・裁判に
過失を下す「裁判所」ある限り、敬遠です。

私、「よね」も近畿地方の勤務は
謹んで、ご辞退も申し上げます。

*某・裁判
  交通外傷の患者が2名、搬送されました。
  1名は、「重症」。
  もう1名は、症状のない「軽症」でした。

  当直医は、脳神経外科のベテラン医師。
  「重症」1名の検査にかかわっていました。

  ところが、「軽症」1名の容態が急変。
  実は、ハンドルに胸部を打ったことで、
  心臓の一部が裂けて、心不全になった。
  (数時間を経て、この事態になる話は、
   よねは聞いたことが、ございません。}

判決は、
・当直医としての、脳外科・部長には過失なし。
・病院として、心臓の急変に備える医者を
 置かずに「救急」患者を受けたことが「過誤」

この判決が、関西全土に激震となりました。


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