夕顔が咲き乱れている。源氏物語にも、なよなよとしていて頼りない。とあるが、花弁に触れると直ぐに破れる。大輪の白い花ゆえ摘むのが憚られる。そして扇に載せて、光源氏に手渡す。夕顔は、一夜花で、朝がくれば萎む。何とも儚い。
夕顔は、干瓢のことも指す。こちらは巻き寿司の具になる。同じ白い花が咲くが、匂いは違うし目立たない。花には、愛でるものと、食べるものとで差があるのか?百日紅もふわふわと風に揺れているのが、愛らしい。これまでは、あまり咲かなかった。
今年、枇杷エキスを塗布してやった。何度もスプレーし、毛虫の寄り付くのを避けた。その結果、見事に花が咲いた。百日紅は、苗木店で小さな苗を買って来た。本当に育つのか?というくらいの苗で、植えた時には20cmにも満たなかった。
紫と濃い桃、薄い桃と白である。中でも白色は、駐車場の屋根の下になってしまい、日当たりといい、土質も良くない。やっと木丈は1mになったが、虫がついてしまう。花は付きが悪かった。枇杷葉の葉を腰痛予防に用い、そのエキスが瓶に残る。
そこで思いついたのだ。毎年、毛虫の宝庫になる花木に、散布してみよう。効果は3度目くらいからあった。花の蕾が少しづつ膨らんできた。石灰も真っ白になるほどかけた。塩も入れた。そういった一連の作業の賜物である。
白い花は、色取り取りの花の縁取りとか。我が家の場合は、枇杷葉とのコントラストになっている。緑が多くあるので、呼吸がし易い。花の基本が白色である。枇杷葉も、山茶花(元は夏ツバキ・沙羅の木で買った)も、百日紅も白なのだ。
庭の中で、ごちゃごちゃと色が混ざるのは苦手。その殆どがクリスマスカラーになっている。黄色は金魚草とカラーだけ。レモンイエロー。よくよく見れば、好きな色で統一している。黒い花はないが、背景の色になっている。
殿様バッタ、ショウジョウバッタ、或いは螳螂、もしくは尺取虫に齧られた枇杷葉の葉。実に美味そうに食っていた。