2006-0504-yms031
紅の涙と聞けばなおさらに
移ろいやすい心の色よね 悠山人
○紫式部集、詠む。
○略注=男からの手紙に、私の涙の色を見てください、とあって、一面に朱色の墨がぽたぽたと垂らしてある。その送り主への返書、と詞書。これが紅涙ですって? 紅は移ろい易しと言うではありませんか。ますます、あなたの心もそうなのね、と思うようになりましたわ。手紙に朱滴などということを、この歌で知る。ここまでするのは、平安貴族の遊び、とは言えないだろう、と浅学は思うのだが…。なお、この歌の終わりに付くか、次歌の始めに付くか、男が既婚者との記述がある。
¶くれなゐ(紅)の涙=紫第八歌(3月22日)、新古今・悠051(昨秋9月
5日)、既出。
□紫031:くれなゐの なみだぞいとど うとまるる
うつるこころの いろにみゆれば
□悠031:くれないの なみだときけば なおさらに
うつろいやすい こころのいろよね
*now streaming : BACH CPE| Brown, Goodman, Brandenburg Consort, - Concerto for Flute, Strings and B.c. Wq 169 *
http://65.19.173.132:4086
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