悠山人の新古今

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027 なつかしく訪ねて

2005-07-29 04:05:00 | 新古今集

■いまと全く違って、転居転住は非常に不便だった時代に、どういう「詠み人」が、
どういう事情で、どんな人を尋ねたのか。私は素直に、男が女を、とみる。現代詠
は「居なくなる」よりも「亡くなる」に傾いているので、再考の余地がある。さらに言
えば、花名は自分の好みにカスタマイズしたいところ。
目に見える花ではなく、見えない香りを「君の面影」とする、詠み人の心が伝わる。

【略注】○人はのきばの=岩波版・新潮版は「人は軒端の」。人は退き(いなくな
    り)、廃屋の軒端の、と掛ける。続く古い家、古里も。
    ○かをる=岩波版は「かほる」。「かをる」が正書法。だから源氏の薫君は
    「かをるのきみ」が正しい。この時代にはすでに両者の混乱は珍しくなくな
    っていた。現代の人名にも、「かほり」「かほる」がそのまま残る。
    ○橘=橘の花、花橘。懐かしい人を思い出させる小道具としてよく使われ
    る。