診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

子猫登場

2016年08月30日 | 日常
家の庭は、
植木屋さんに管理を頼んでいるわけでもなく、
妻と子供が、草むしりをしているのですが、
植物の生命力はすさまじいものがあり、
抜いても抜いても、
追いつかないくらい草が生えてきます。

特に夏は暑いせいもあり、
草むしりが後手後手になってしまい、

こんなことを言うと
妻から怒られそうですが、
 一部 じゃんぐる化しているところもあるんです。

以前 庭に犬を放していたこともあり、
除草剤を使う習慣もありません。

そんな庭なので、
近所の野良猫たちがやってきては、
自由に過ごして行きます。

家から離れない猫も2匹ほどいます。

先日、ときどき来るサビ猫がひょっこり顔を見せたと思ったら、
後ろの方に 2匹の子猫を連れていました。

野良猫には、手を出さないと決めているので、
陰に隠れて見ていると、
生後1ヶ月ちょっとと思われる子猫2匹
三毛とサビ。

しばらくうちの庭で遊んでいました。

次の日は、姿を見せず、どうしたのかと思っていたら、

その次の日からは、毎日姿を見せるようになりました。
無事に育ってくれと、ただただ願うばかりです。


初物

2016年08月23日 | 診療
台風の縦断で、
大雨、強風、洪水などの被害が心配でしたが、

この地方はあまり大きな被害がなさそうで、
一安心です。

さすがにあれだけ強い雨がふると、
この診療所でも、思わぬところから、
雨漏りがしてびっくりさせられました。

少しずつ手を入れてあちこち補修はしているのですが、
築20年オーバーの建物は、
やはりいろいろなところが、傷んでいるのでしょう。
仕方がありません。

この時期、
田んぼの稲は穂をつけ、垂れ下がりはじめているし、
梨は収穫の時期を迎えているので
一番恐いのは台風によって、
稲が倒れたり、梨が落っこちたりすることですが、

今日みえた農家の方は、「ダイジだったみたいだよ。」
と言っていたので、
こちらもそれはよかったとホッとしました。

台風が来る前に、
今年最初に採れた幸水という品種の梨を届けてくれた
梨農家の安藤さん。
ありがとうございました。

スタッフみんなで分けて、
昨日おいしくいただきました。

取れたてなのか、とてもみずみずしく
ちょうどよい甘さでした。


ピアス

2016年08月20日 | 診療
ある日の診療所でのこと

高血圧で通院中の60代後半の宇梶礼子さん。

胸部の診察が終わり、
「身体の調子で、何かありますか?宇梶さん。」
と聞くと、
「そうだ、先生、ピアスが取れなくなっちゃったんです。」
「取ってもらえます?」

「あ、そう。」と僕。

左耳を見ると、ピアスの後ろの部分、(後でスタッフに聞いたら、キャッチと言うらしいです。)
これが、耳の中にもぐってしまっています。

これじゃあ取れないでしょう。

そこで、ライトを口にくわえ、
両手を使って、キャッチをまず耳の外に出そうと試みます。

これがでれば、もう取れたも同然なのですが、
くわえたライトがちゃんと当たらないので、
よく見えません。

それでもなんとかキャッチを外に出して
ピアスを外すことができました。

ヤレヤレです。

ホッとしたのもつかの間、
「先生、血圧計って下さい。」
そういえばまだ血圧計っていませんでした。


シャッター通りとウナギの味

2016年08月16日 | 日常
今年の夏休みは、8月14日と15日でした。

以前から
熱海にいる叔母が、だいぶ弱っているいるという話を聞いていて、
顔を見にいかなければいけないと思いつつ、
なかなか出かけられずにいました。

そんなとき、
静岡県にいる友人のご母堂が亡くなったとの報があり、
またその葬儀の日程が、15日の11時からというので、
それなら、是非熱海に行って、叔母の顔を見に行かなければいけない。

まさにこのタイミングで、葬儀があるということは、
運命の神様の思し召しだなどと考えて、出かけてきました。

しかしこの時期の電車は大混雑。
東京駅や、その周辺には人があふれていました。

普段の倍、疲れました。

14日は熱海に泊まり、叔母と話をしました。
思ったより元気そうな叔母に会い、
僕も少しホッとしました。


翌日は少し早めに出だしました。

この日は雲がどんより垂れ込めていたので、
電車からの富士山は残念ながら
見ることができません。

葬儀は予定通り執り行われ、予定時間に終了。

さて、昼飯でもと思い、

葬祭場の人に、「4賑やかなところを教えてくれませんか?」と尋ねると
「うーん」という返事。
僕は違和感を感じつつ
「駅前なんて どうですか?昼ご飯を食べようと思うんですが・・」
聞いた相手がオッサンだったので、いけなかったか、
お姉さんに聞けばよかったかなどと思いつつ、
タクシーに乗り込んで、運転手さんに同じ質問。

すると、
「今は駅前も寂れちゃったんですよ。」

「でも、ご飯食べるくらいのお店、あるんじゃないですか?
他にないなら、そこに行って下さい。」と頼んで駅前に向かいつつ、
運転手さんと話すと、「シャッター通りになっちゃったんですよ。」
「イノンができてから、どんどん寂れちゃって」

果たして、結果は。
駅に向かう角を曲がったら、
シャッターの閉められたお店が道を挟んで延々と続いています。
こんな光景見たこともありません。
人も歩いていません。
「ナンジャ、コリャア。」

恐るべしイノン。

適当なところで降りて、ブラブラすると、
一軒だけ開いているうなぎ屋さんがあり、そこでお昼をいただくことに。
当然 シャッター通りの話になり、
女将さんは、大いに嘆いておりました。

ウナギは大変おいしく、

この街のシャッター通りとウナギの味は
一生忘れられないものになりました。









閑中忙あり

2016年08月13日 | 診療
うだるような暑さの中、
外来は暇で、がらんとしています。
だからでしょうか、
診療所の中のエアコンはかえって、よく効いています。

何人もの患者さんが
「ここは涼しくて いいですね。」と
声をかけてくるのですが、

暇で、くさっている僕は、
そう言われると
「医者は涼しいところで仕事ができていいですね。」
とか
「人がいないから冷房がよく効いていますね。」とか
皮肉を言われているようで

なんて答えていいか、
返事に困ってしまいます。

そんなある日のお昼前、
誰もいない外来に、
一人でふらっと入って来たのは矢田部さんです。
いつも陽気で、冗談を言って受付のスタッフを笑わせるのですが、

「今日は調子悪くて、冗談もいえねえよ」と入って来たそうです。
来たそうですというのは、後からスタッフに聞いた話だからです。

僕はそのころのんびりと部屋で本を読んでいましたが、
スタッフが、「先生、谷田部さんが気分が悪くて、横になっています。」と
呼びにやってきました。

まあこの時期気分が悪いのは
熱中症かなんかかなぁ、と思いながら、
診察室に行くと
そこに谷田部さんの姿はなく、
心電図の場所に横になっていました。

看護婦さんに「どうしたの?」と僕。
「いやー、谷田部さん、息苦しくて、胸のあたりも痛いというもんですから・・」
看護婦さんが、気を利かせて先に心電図をと教えてくれたようです。

今度は横になっている谷田部さんに
「どうしたの?」
谷田部さんは大汗をかいています。

「いやー、今さっきうどんをぶっていたんだけんど、
30分ぐらい前から急に、胸のあたりがくるしくなってよー。
汗が噴き出てきたんだよ-。
胸のあたりが痛いんだよ。」

熱中症かと思っていた僕に
「もしかして、
ひょっとすると。」
という疑念がわいてきて、
さっそく心電図を見てみると、

あまり大きな変化はないようにみえます。
でも、その心電図に書いてあるコメントは、

「下壁梗塞の疑い」

そこであらためて心電図を見ると、
確かに、わずかに変化があるようです。
違うかもしれませんが、疑いがあります。
看護婦さんの判断は間違っていませんでした。

「こりゃいかん。」心筋梗塞の疑いがあるので
大学病院に行ってもらわなければなりません
今度はこちらが大汗をかく番です。

谷田部さんにはアスピリンを何錠か噛んでもらって、
「もしかすると心筋梗塞かもしれないので、
これから大学に救急車で行ってもらうから。」と
説明して、

「奥さんでも、だれでもすぐに家族に連絡を撮って下さい。」

本人は鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をして、
「はあ、電話ね、」と
身体を起こそうとするので、
「起きちゃダメ、動かないで、寝てて下さい。」と
本人と看護婦さんに強く指示して
今度はすぐさま大学に電話。

幸い、電話に出たのが僕の知っている人だったので、
話が早く、医師に繋げてくれて、
「違うかもしれませんが、心筋梗塞の疑いの68歳、男性です。
これから救急車で送りますから、お願いします。」

今度は消防署に連絡。
救急車を依頼して、

救急車が来るまでに、
大学当ての紹介状、と救急車用の搬送以来の書類書き。
急いで、あわてて、紹介状を書く手が震えて
文字がミミズのようになってしまいました。

しばらくすると、ピーポーの音、
院内はストレッチャーが通れるように、
かたづけてあります。

やがて谷田部さんを乗せた救急車は駐車場をでていきました。
ヤレヤレでした。

この間役50分。
患者さんは 僕がてんてこ舞いだということを知っていたかのように、
どなたさまも、遠慮してお見えになりませんでした。


「心臓の血管が狭くなっていたので、カテーテルを入れました。」
そんな電話があったのが、
その日の診療もあとわずかになった夕方、奥さんからでした。



視診

2016年08月09日 | 診療
暑さのせいか、
オリンピックのためなのか、
それとも 高校野球の影響か

このところ外来は暇です。

こんなときは
たまっている読んでない本を読んだり、
パソコンのゲームをやったりして時間をつぶすのですが、

先日読んだ「人は見た目が9割」という本には、
初対面のとき、相手を判断するのに要する時間は
なんと0.5秒だそうです。

医者は、視診、触診、聴診などをして診断に役立てるので、
診察室に入って来た患者さんの姿格好、姿勢、表情をみて、
今日は具合が良さそうだなとか、
調子悪そうだな とか
推測するのですが、

何のことはない、普通の人も
相手をパッとみて、
判断をしているのですね。



睡蓮

2016年08月04日 | 診療
8月に入って、
暑い朝、
玄関脇の睡蓮鉢をふと見ると、
今年2輪目の、睡蓮のつぼみが開きかけていました。

それから2時間後
行ってみると、きれいに開いていました。

今回の2輪目は、1輪目と比べると
少し小さくて、弱々しい感じです。

今はこの睡蓮鉢に
メダカの稚魚がたくさん入っています。

睡蓮の花にも色々ありますが、
この色が僕は大好きです。

いい勘

2016年08月02日 | 診療
関東地方も梅雨明けから、暑い日が続いています。
ふと空をみると、夏の雲です。。

先週、基幹病院から1通の手紙が届きました。

入院報告書です。

「貴院に通院中の町村さんは現在当院に入院中です。」

「えっ、だって町村さん、入院するような状態ではないし、
なんで入院しているんだ?」

えっ、なんで?どうしたんだという疑問が頭の中を駆け回ります。
今度、奥さんがみえたら、聞いてみよう。と考えていたのですが、
ちょうど、昨日、ご夫妻でお見えになりました。

すると、

7月のある日、東京のお母さんをお見舞いした後、
その近くの温泉に行って、
お風呂に入ろうとしたとき、

右手にしびれと、何となく動きが悪いことに気がついたそうです。
右足も、何となく変。

それでお風呂に入るのをよして、
奥さんの運転で、こちらに戻ってきました。
着いたのは夜中です。

さて、このまま明日まで様子をみるか、
それとも、どうしようか?と考えて、

やはり 二次救急病院に行ってみることに決めたそうです。

検査をしたら、脳梗塞があり、
直ちに入院となり、治療が始まったそうです。

そしてそれが終わり、先週退院したとご挨拶にみえました。

「先生おかげです」という町村さん。でも僕は何もやっていません。

いろいろな場面で、いい読みをした町村さんがよかったのだと思います。

その町村さん、マージャン屋さんを経営しています。
長年お客さんと鍛えた いい勘と読みが 役に立ったんだと
僕は思っています。