診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

花をめぐって。

2013年12月14日 | 日常
このところ、外来はインフルエンザの予防接種の方などが来院されて、
バタバタしています。
師走に入り、なんとなく慌ただしい空気が漂ってきた気がします。

そんな殺伐とした毎日でしたが、
先日、花束が必要になったので、作っておいてと花屋さんへ電話しました。

そう、花といえば、
以前、飲み屋にいった時、
女の子とこんな会話をしたのを思い出してしまいました。

「アタシ、今月誕生日なの。」
「へぇ、何かプレゼントあげようか?」

「あらうれしいわ、
じゃぁ、お花がいいわ。」

「お花ってどんな?」
「あの、ドアの外に並んでいる立ち花がいいの。」

それを聞いて心の中で、
「えっ、じょうだんじゃない、
なんで俺が立ち花 贈らなきゃならないんだ。
あれ、高いだろうな」って。

でも口からは
「あっそう、考えとくよ」

それからは、その話題には二度と触れずに、
早々に退散しました。


さて、
約束した時間に、電話した花屋さんに取りに行くと、

「あっ、まだやってませんでした。
すみません、すみません」と平謝り。

以前の僕だったら、ムカッと来るところですが、
枯れちゃった今は、なにごとにも寛容になりました。
「ああ、ダイジ、ダイジですよ。」

「今すぐ作ります、どうしますか?
10分ぐらいで出来ますが、待ってますか、
あとからまたいらっしゃいますか?」

花を眺めながら、待っていることにしました。
いろいろな花が見事に咲いています。
甘い香りに包まれているようで、
ここだけ別世界のようです。

珍しい青い花があったので、名前を聞いてみると、
「・・・・・・・」といわれたのですが、
物忘れしやすくなったこのごろ、
案の定、横文字の名前で、1分経ったら、忘れてしまいました。

それから、立ち花のことも。
「立ち花っていくらぐらいするんですか?」
「一万円から二万五千円ぐらいですかねえ。」

やはり思った通り、高いものでした。
くわばらくわばら。

10分後「お待たせしました。」
出来上がった花束は、予想より立派なもので、
どうやらサービスしてくれたみたいです。
おまけに、
「お待たせしちゃってすみませんでした。
よかったら、これどうぞ。」
小さなシクラメンの鉢までおまけしてくれて、
カレンダーまでいただいて、
こちらはなんだか、ウキウキしてきちゃいました。



12月9日  結婚記念日

お七夜のお祝い

2013年12月04日 | 診療
ご近所で初孫が生まれた家があります。

こちらの風習では、子供が生まれると、
お七夜のお祝いをします。

僕は地元ではないし組内でもないので、
このお七夜のお祝いについてまったく知りませんでした。
組内の患者さんから聞いた話です。

どんなことをするのか聞いてみると、
せいぜい、親戚が集まって食事をするくらいかなと
思っていたのですが。
それが結構大変なようで。

お米とお味噌とお酒を、
まず氏神様にお供えをします。
神社ですね。

次は家の神棚にお供えをします。
それから、トイレと道路と川に
同じようにおそなえをするのです。

トイレと道路と川?

トイレの神様、道路の神様、川の神様に
「どうかこの子を守ってください。」と
お願いをするのだそうです。

トイレは昔はボッチャントイレの、
肥だめだったので、そこに落ちて亡くなることも
多かったからなのでしょうか。

それで判りました。
僕が小さい頃お正月になると、家のあちこちに
しめ縄が飾られていましたが、
トイレに飾られていたしめ縄を見て、
「なんでこんなところに飾ってあるんだ?」と
子供心に疑問を持ったことを思い出しました。
あれはトイレの神様を祀っていたのですね。

思えば昔はあちこちに神様がたくさんいました。

そういう神様たちに感謝しながら、
昔の日本人は生きてきて、
それのつながりで、
今の僕らがいるんだなと
あらためて日本の文化について
思い起こしました。