診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

サナギ

2012年07月31日 | 自然
ホントに世の中、不思議なことがあります。

もう何回も書いていますが、
珍しい患者さんが続けてくること。

先日も、「おなかが硬いんです。」と言ってやってきた女性。
診察すると、どうも婦人科の病気のようです。
超音波検査でも、そちらの病気が疑われます。
大学病院に紹介状を書いて、なるべく早くかかってくださいねと、
送り出したあと、同じ日に、
「おなかが張るんです。」とやってこられた患者さん。
やはり婦人科の病気のようです。
同じところに、ほとんど同じ内容の紹介状を書くことになりました。



ところで
診療所の中庭にある柳の木に、
大きな毛虫がいて、

不気味な姿で、皆気持ち悪がっているのですが、

雨が降ると、葉っぱの陰に隠れたり、
なぜか一番先の新芽の部分の葉っぱは食べなかったりと、
毛虫なりにいろいろ考えているようでもあり、

そして、一本しかない伸びた枝の
ほぼ同じところに、毎日いるものですから、

つい気になって
「今日はいるかな」
「今日はどうだろう」

いつの間にか、
なんて言うか一種の愛情の芽みたいな気持ちまで持つようになっちゃいました。

そして、この先どうなるんだ、

葉っぱ食べ尽くしたら、ほかの枝にうつるのか、
餓死するのか、

そもそも、この毛虫はなにになるんだ。
ん・・・・・・ そうだ。

世の中便利になったものです。
本当に。

ネットで検索したら、「幼虫図鑑」ありました。

「苦手な人は見るべからず」
怖い但し書きつきでした。

そしたら、ありました。

やっぱりなるのは蛾でしたが、
名前がかわいい。

キャリーぱみゅぱみゅ じゃなくて、

かしわまいまい。

名前がわかると、愛情の芽はのびてくるもんですね。

二日ほど、動かなくなってじっとしてたら、
翌日、サナギになっていました。

お皿。

2012年07月24日 | 日常
梅雨明けしたというのに、変なお天気です。

ちょっとほっといただけと思っていたら、植え込みの雑草が伸び放題。
診療前に草むしりと思ったのですが、このところその時間、雨がふっています。

ところで、
前にも書いたことがあるのですが、
ちょっと珍しい患者さんが一人来ると、
不思議なことに、そのあとつづけて同じような患者さんが来るものです。

10日ほど前に、植木バサミで指を切ってしまった人が来たら、
そのあと、
包丁で指を切った人、
ボルトを踏み抜いてしまった人、
そして、
お皿をもったまま、転んで手のひらを切った人。

このところ、外傷の患者さんが続きました。

その最後に見えたお皿で手を切った柳原さんが今日、
「先生、なんか手首の方まで、痛くなってきたのですが・・・、骨、大丈夫ですかね」
「あぁ、手首ね。腫れてないから大丈夫だと思うけど、写真撮ってみる?」

と言うことで、手首の写真を撮ってみると。

橈骨、尺骨、異常なし。手根骨、大丈夫。OK,OK.骨折な~し。

ん、ちょっと待て、なんだこれ。

そこには、手のひらの場所に、なんか訳のわからないものが写ってます。

ない頭をフル回転させて考え出した結論は、
これはお皿の破片じゃないか。

柳原さんに説明して、一回包帯を巻いた傷を開けてもらいました。

ゾンデを使って、傷口にいれて、神経を指先に集中して、
カチンを当たるものはないか、探してみます。

なかなかそれらしいものに当たりません。
それより、ゾンデがどんどん深く入っていくことが、びっくりです。
(この傷、こんなに深かったっけ。)

そしてとうとう、カチン、と。

ところがモスキートを使ってとろうとしても、うまくつかめません。
何回か失敗したあと、細いピンセットでやってみたら、
めでたしめでたし、取ることができました。

そのあとまた写真。

すると、なんとまだ残っています。

そんなことを繰り返して、お皿のかけら、
計3個とれました。

これも柳原さんが、写真を撮ってと言わなかったら、
どうなっていたことでしょう。

また、患者さんに助けられました。









早朝の電話

2012年07月17日 | 日常
先日、まだ診療時間前、電話がかかってきた。

軽い気持ちで受話器を取ると、「○○警察ですが・・・」
おっとー、これは要注意です。

「実はそちらにかかっている伊沢さんの病状や病名を教えて欲しいのですが・・・」
それはちょっと、教えられませんと伝えると、

「伊沢さん、今朝亡くなっていたのを発見されたんですが、
命に関わるような病気はありませんでしたか?」
とんでもなく、びっくりして、伊沢さんの顔を思い出していました。
でも、それぐらいなら、大丈夫でしょう、
飲んでる薬を思い出しながら、、

大きな病気ではありませんよといって電話を置きました。

出勤してきたスタッフに伝えると、皆一様に驚いて、
あんなに元気だった人が亡くなるなんて、と言っていました。

そして、普通に診療を始めてから、
少し手が空いたので、
伊沢さんのカルテをみてみると、

なんと、2月に不整脈で大学病院に紹介しているではありませんか。
そのときは、検査の結果異常なしとの報告を受けたので、
あぁ良かったで終わってしまい、
僕の頭からすっかり記憶が離れてしまっていたのです。

こりゃいかん、とあわてて警察に電話すると、
「先生わざわざすみません、そのこと奥さんから聞いて、
むこうの大学病院に連絡した結果、問題ありませんでした。」

ヤレヤレと胸をなでおろしました。

睡蓮鉢の睡蓮が、二つ目の花を開いてくれました。









予約

2012年07月11日 | 日常
うちの診療所がある場所は比較的閉鎖的なところにあり、
患者さんもこの地域に暮らす人がほとんどです。

いわゆる街道沿いにあるわけではないので、
建物も目立たないし、細々と診療しています。

その分、時間はたっぷりあるので、
インフルエンザの流行期でもなければ、
じっくり患者さんのお話につきあってあげられます。

ただ中には、認知症が入っているのでしょうか、
延々と同じお話を繰り返して話される方がいて、
このような方は、さすがに三回目は勘弁してもらっています。

そんなわけで、

新患さんが少ないのですよ、うちの診療所。
そのことを思ってではないのでしょうが、

先月、薬の問屋さんが、
「先生、インターネットのホームページに、初診受付ができるアイコン、
つけてみませんか?」
などと言ってきました。
「だって、ホームページないもん」
「先生、検索サイトに出ている診療所のところでいいんですよ。
一ヶ月、2件までは無料ですから。」

無料という言葉に弱いもので、
つい承諾してしまいました。

実は、「どうせネットから来る人はいないだろう」と思っていたのです。

ところが、

先月20日ごろ、アイコンがつきましたと連絡がきてから、
先月末までに予約が来ましたよ。

しかも3件も。
「来るもんだねえ。これで来月も、期待しちゃうかも」
と思ったのですが、

今月は今まで0件。

でも、予約なんていいんです。
うちは待ち時間、ほとんど0分ですから。







熱中症

2012年07月10日 | 日常
昨日、家で昼ご飯を食べていたら、
夜間診療用のチャイムが鳴った。

「どうしました?」
「バイトしてたら、クラクラしちゃって、熱中症みたいなんです。」

玄関のドアは昼休みでも開いているので、
中に入って、チャイムを押せば、
留守番の看護婦さんが出てくるはずなのですが。
わざわざ夜間用のチャイムを押すのは、
よっぽど具合が悪いのでしょうか?

あわてて戻ると、
青年がひとり立っていました。

すぐ診察して、
体温正常、意識も清明、
血圧も正常。

どうやら熱中症では、なさそうです。

でも、
何となくクラクラすると言うので、
念のため、点滴をすることにしましたが、
しばらくして、「どうですか」と聞くと、

「先生、おなかがすきました。」

そっちの症状だったのでしょうか。

早いもので、もうトウモロコシが売っていました。
ヒマワリの花も咲きました。