診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

センパーイ

2016年06月10日 | 日常
相変わらず、夜の街をほっつきあるいておりますが、
最近は、レパートリーが減ってきて、
あまり冒険をしなくなってきました。

新宿や銀座などはとてつもなくひろいネオンの海でしょうが、
ここ北関東の地方都市では、
海といっても、あちらに比べれば所詮プールぐらいのものでしょうか。
竜宮城には浅すぎるし、蝶々が飛ぶには暗すぎるようです。

そんな街の一角のお店でのお話です。

そこは、カラオケスナックで、
お客さんは年配の方が多いお店。
75歳以上の方も結構お見えになるようです。

僕が一人で飲んでいると後から入ってきた、
僕より明らかに年配のお客さん。
結構メートルが上がっているようで、
イスに座るなり話し始め 一頻りママさんとお話に夢中です。
しばらくしてちょっと話が途切れたときにはじめて僕に気づいたようで、
「あっ、どうも」などと挨拶をしてから、
僕に話を振ってきました。
「歌は歌わないのですか?」
「良く来るのですか?」
などと聞いてくるのですが、
また、すぐママさんとの話に戻ります。

「いや~、今日は昼間っから飲んでいて。・・・」
「もう、すぐ帰ンだかんね。・・・」
聞くこともなく、聞こえてきます。

しばらくすると、
「先輩~。何か歌ってくださいよ。」と僕に。
「???? センパイ?」
最初に見たときに見誤ったのかも知れません、年下だったのかも。

そこではじめてお相手の顔をまじまじと見たのですが、
やはりどう見ても、僕よりご年配のご様子、
でも、更にもう一回確認。

僕の頭の中で「センパイ」という言葉が駆け回り、「冗談で言っているのかしら。」人の
いったいこの事態、どう切り抜けるか困ってしまいました。

そして、しばらくして思いついたのは、
「気にしないで、行きましょう。」
相手がそう呼びかけたら、これに従えばいいだけです。
それからは「センパイ」と呼ばれつつ、なにかのお話をしていましたっけ。

途中で僕も歌のリクエスト、
「大センパイも、なにか歌ってくださいよ~」

でも、人の呼び方って難しいものですね。