診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

難聴

2012年08月28日 | 日常
「暑いですね」っていう挨拶も、
もう形だけで、、
言葉だけが、患者さんと僕の間を行き交っています。
お互いにもううんざりって感じです。

久しぶりにお見えになった小林さん。
88歳になりました。

小林さんは、もう長いこと大学病院に
通っています。

最初は、心臓、
ペースメーカーが入っています。
ここ数年は、胃ガン、
縫合不全を起こして、長く入院していました。
今一番問題なのは、難聴。
こればっかりは、どうしようもありません。

頭はしっかりしているので、
話すことはきちんとしています。

でも、聞こえないので、僕はそうとう大きな声で話すのですが、
文章を聞き取ることはできないみたいで、
聞こえた単語に、反応して話を返してくれます。

自分のことや、自分に起こったことは、
きちんと話してくれます。

先日行った大学病院でのことを、話してくれました。

「胃カメラやったら、食道に病気があるんで1週間後に内視鏡で治療しましょう。って
言われたんで、1週間後にまた胃カメラやったんだ、
だけど今度は何ともないっていわれて、すぐ返されちゃったんだ。
どうなってんだかわかんねえよ。
よっぽど、いいかげんだねえって、怒ってやろうと思ったんだが、
やめといた。
でも、外来でどうなってんだか聞いてみたんだが、
その医者、小林さんのおなかの中は、胃を取っちゃったんで空っぽだけど、
頭の中も、半分空っぽだねぇ、って言いやがったんだ、頭にくるねぇ。」

ふんふんと僕。

小林さん、そん時だけ
難聴よくなってたんだね。




キープ

2012年08月21日 | 日常
この前、やってきた女の子。

今まで、一回ぐらいしかきたことはなかったと思うけど、
診察室にはいって来て、足元を見ると
見慣れないスリッパ。

あれっと思って、帰るとこ見てたら、
やっぱり、自分で持ってきたスリッパ。

考えてみれば、診療所のスリッパなんて、
誰が履いてたかわかんないもの、
汚れてるって思うの、あたりまえ。

一応、朝の掃除の時、
全部のスリッパ、きれいに拭いてはいるんだけど、
それ一回だけだもんね。

そんなこと考えていたりしてたんですが、

今朝の掃除の時、
ふと見て、妄想。

「マイスリッパなんて、どうだろう。」
定期的に来てくれる患者さんに、
自分専用のスリッパをキープしとくなんてのは。

うん、いいんじゃないの。これだけ空いているんだし。
自分一人で、納得。

これって、飲み屋さんの発想 だわ。




どう しお

2012年08月20日 | 日常
立秋すぎても、この暑さ。
それでも、朝行っている犬の散歩では、
お日様が昇る前や、日の当たらないところでは、
吹く風に涼しさを覚えるようになりました。

そういえば、ちょっと前までは、
蝉の声で、目が覚めたものですが、
今は、秋の虫で目が覚めます。

先日の夕方、
「熱中症だと思います。」と行って飛び込んできた若い男性。
顔をゆがめて痛がっています。
身体ももぞもぞ動かしています。

どうしたのかと聞くと、
手の指、脇腹が、痙りまくっているとの返事。

ああ、間違いなく熱中症の熱痙攣。

早速点滴を始めたのですが、
痙攣、あまり良くならないみたいで、まだ痙りまくっています。

そこで、あらためて成書を開くと、
「ナトリウム不足が原因で・・・・」と書いてありました。

そこで、

家にある岩塩のかけらを取ってきて、
なめてもらうと、

あらあら不思議。
しばらくすると、痙る回数が減ってきて、
とうとう痙らなくなってしまいました。

岩塩パワーにびっくりです。






こんなことって

2012年08月14日 | 日常
先日の暑い日、
自治会のゴルフ大会がありました。

ほぼ毎回参加させてもらっていますが、
今回は夜に会議が入っているので、懇親会は欠席です。

考えてみれば、暑い日が続いたので、練習にも行ってないし、
前回、コースに行ったのも3ヶ月ぐらい前だし、
いいスコアが出るはずはないのですが、

たまたま読んだゴルフの本にいたく納得して、
うまくなったつもりになっていて、
完全に舞い上がっていました。

その結果、史上最悪のスコアで、ボロボロ。

懇親会に行ったら、大虎になっていたことでしょう。


今度9月に同級生とゴルフをする予定です。
それまでに、なんとかしなくちゃいけません。


飼い犬に咬まれたとやってきた大沢さん。
お昼休みに、飛び込んできました。

診ると手と足にひどい傷。

咬まれた時、びっくりして
手や足を
思いっきり引っ込めたのでしょう。
そのとき、咬まれたままだったので、
犬の歯が、ナイフの役目をしてしまったようです。

カルテを見ると大沢さん、
去年の8月にも、この犬に咬まれて、
治療を受けていました。







水槽

2012年08月07日 | 日常

診察室の机の上に、メダカの入っている小さな水槽が置いてあります。
ほかにも、拡大鏡やペン立て。ペンライトや体温計、いろんなものが置いてあります。

水槽は開院の時から置いてあるので、
もちろんメダカは何代目かのものです。

子供さんが来たとき、
水槽を見て、そちらに気が取られてくれれば、
その間、お子さんやお母さんの診察ができるんじゃないか、
なんて考えて置いたわけではないのですが、

結果的に、水槽の話がきっかけになって、
話が進んでくれることもあるので、
それなりに役に立ってくれています。

お子さんは、よく水槽に目がいきます。
部屋には行ってくるなり、
「あー、サカナ!」と言って、
「ママ、ママ、見て。サカナだよ。」

そういって、水槽の前に顔をつけて、
ズーッと見ている子もいます。

お母さんが患者さんの時には、
これで非常にスムーズに診察が進みます。

ズーッと見ている子が、急に大きな声を出すこともあります。
「あ~、エビ、エビがいる。ママ、エビだよ。」

そうなんです。
実は、ヤマトヌマエビ4匹もいるんです。
こちらの方が子供には珍しいので、
運良く見つけられた子は、とても喜んで、
次に来たときには、

老眼の患者さん用の拡大鏡。
ノドを見るための、ペンライト。
机の上に置いてあるこれらのものを、
自分で取ってそれを使って、前回よりもより熱心に、
水槽をのぞき込んでいます。

この家族は、僕のことを「メダカ先生」と呼ぶようになりました。