診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

秋の色

2016年09月27日 | 日常
診療所の一角に、飾り棚があり、
それぞれのスタッフが一つのスペースを自由にディスプレーしています。

だいたい1ヶ月ごとに、季節に合わせたものや、自分がアピールしたいものを飾っています。

デパートで、コスモスの造花を見つけたので、
これを飾ろうと思い、インクでブルーの水を造り、
飾ったのですが、
ちょっと大きすぎたようで、
掟破りですが、自分のスペースではなく、
棚の上に置かせてもらいました。

ごめんなさい。

猫の爪痕

2016年09月26日 | 診療
このところお天気がすぐれません。

正直なもので、こんなお天気が続くと
気持ちも 鬱々として、何となく沈んできます。

気温が低くなったので、風邪をひく方も増えてきました。

動物もそうなんでしょうか?

先日、やってきた患者さん。
「猫にひっかかれました」と
お見えになりました。

さっそく拝見させていただくと、
右足下腿に何カ所もひっかき傷があり、
おまけに手にもあります。

「寝ているときに、突然猫がひっかいたんです。」

でも、
だってひっかかれたら、目が覚めて、猫を叱るか、
放り投げるか、(そこまではしませんね)
どけようとしそうなものですが。

それとも、
そうしてもまた猫が、襲って来たのでしょうか。

よっぽど、猫の機嫌が悪かったのかな、と
考えざるを得ません。

こんなにたくさんのひっかき傷、
みたことがありません。








久しぶりの痛風

2016年09月12日 | 診療
昨日の朝方から、何となく右膝に違和感を感じていたのですが、

以前 同じ場所が同じようで、痛風の薬を飲んで良くなったので、
今回もそうかもしれないと 薬を飲んで普通にしていたら、
夜中に膝の痛みで目が覚めました。

膝を伸ばしてもダメ、
曲げてもダメ、
うつぶせになってもダメ
横になってもダメで、

朝4時頃から、ベッドの上で、悶々としていました。
痛風だな と自己判断。

朝 明るくなってから
診療所に行って鎮痛剤を飲んだら、
40分ぐらい経って、
少し痛みが軽くなってきましたが、
膝を曲げずに、拭き掃除をするのが辛く、
時間が倍 かかってしまいました。

それでも診療が始まる頃には、鎮痛剤の効果もあり、
一見、普通に歩いているようにはなりました。

座って仕事をしているときはまったく問題ないのですが、
ちょっと立ち上がるときや、歩き始めのときは痛みを感じます。

そんな状態で、
在宅診療をしている熊谷さんのお宅へ午後伺いました。
いつも診察が終わってから、コーヒーをいただくのですが、
そのとき、ベットに寄っかかっている熊谷さんが僕に声をかけました。
「先生、足どうしたんですか?」
ばれないと思っていたのに、
熊谷さんにはしっかり見られていました。
仕方がないので
「いやー、痛風で膝が痛いんですよ、わかりました?」
「先生、入って来たときから、足 変だったよ。」

どっちが医者だかわからない会話になってしまいました。








嗄声

2016年09月06日 | 診療
先日のこと、
いつも通院している奥さんに付き添われて、
今日はご主人が診察にみえました。

なんでも、声がかすれているのが、もう2,3ヶ月続いているとのことです。
咳も少しあるようです。

おとなしそうなご主人は、
いろいろ尋ねても、小さい声で返事をされます。
よく聞くと確かに 声がかすれているようです。
そばには、奥さんが、「そうでしょう?」という顔で座っています。

長いこと声が嗄れているなら、喉の病気かな、
普通なら 喉の薬と咳止めで様子をみましょう
と言うところなのですが

なぜかそのとき、頭の中に浮かんだ言葉は、
「反回神経麻痺ではないか」
いつもは決してそんなことは考えないのですが、
そのときは なぜかそう思ってしまったのです。

不思議なことですが、今から考えると、
目の前に座っているご主人の身体が
僕に向かってそう訴えていたのかもしれません。
僕の頭は たまたまその信号をキャッチしただけかもしれません。

んで、
反回神経麻痺なら縦隔に何かあるはず。
胸部写真を撮ってみよう。と
それも、正面だけではなく

いつもは撮らない側面も
「側面もお願いね」と自然と言葉が出ていました。

すると
写真には、縦隔の病変ははっきりしませんでしたが、
心臓と重なり4cmほどの円形の陰が、
肺の後ろに写っていました。
側面の写真がとても有効でした。

反回神経麻痺かどうかはわかりませんが、
肺がんの疑いがあります。
もっと詳しく検査する必要のある病変が見つかりました。

ご主人の身体は、きっとこれを見つけてほしかったのだろうと、
そんなこと勝手に思いながら、
市中病院へ紹介状を書きました。

もし、胸部写真を撮らなかったら、
病変の発見はもっとずっとあとになっていたのは
間違いありません。

どうやら
藪と呼ばれる一歩手前のところで、
踏みとどまれたようで、よかったです。