診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

教授の教え

2020年09月29日 | 診療
あれほど暑く 寝苦しかった夏は
突然と言って良いほど急にどこかに行ってしまいました。

いまでは、寝るときタオルケット1枚では寒く、
薄い布団を掛けるようになってしまいました。
この気温の変化に敏感なのは、飼っているネコで、
寝ているといつの間にか、足元のほうにちゃっかりと乗っています。

気温が下がるとよく眠れるからでしょうか?
夏の間はあまり見ることのなかった夢を最近よく見るようになりました。
先日はもう30年以上前の大学病院時代の教授回診の夢なんな見たりして
自分でもびっくりしています。
夢の内容は忘れてしまいましたが、
それがきっかけで医局員時代のことを思い出しました。

先輩が教授回診の時に
「よく見ておくんだぞ、教授の聴診器のあて方や触診するときの手の動きを」
当時は何のことかよくわからなかったのですが、
開業してからはっきりわかりました。

聴診器をあてるときはそーっとあてること、
背中に当てるとき 患者さんの背中がびっくりして
ピクッと動くようじゃダメだということ。

お腹の触診をするとき、
手が冷たくて、患者さんのお腹が
びくっとするようじゃダメだということ。

そして今は、
患者さん一人が終わったら、手を消毒するように、
一人づつその都度聴診器を消毒しています。

「教授、それでいいんですよね」





「男って・・・」

2020年09月25日 | 映画
先日見た映画
ストーリーに入り込むのではなく、
外から映画を眺めているような感覚の映画でしたが、
その中のセリフ

結婚を控えている女性がいうセリフで
「男って、永久に脱皮しつづける幼虫みたい」
と言う言葉が、ずーっと頭の中に残っています。

脱皮はするけど、成虫にはなれない、
サナギにもなれない幼虫のまま。



もののあわれとものわすれ

2020年09月23日 | 日常
お彼岸の中日も過ぎ、これからどんどん日が短くなって行きます。
4時半頃の日が陰りそうなころ、ヒグラシの鳴く声を聞くと、
なぜか 妙にもの悲しくなります。
残りの人生のことを考えさせられるからでしょうか。
桃の哀れ  ではなく ものの哀れですかね 


だんだん年寄りになってきたからでしょうか?
最近は言葉遣いやマナーに、特に気をつけるようにしてジジイらしくしています。

マナー関連の本は積極的に本屋さんで手に取ってパラパラ見て、
知らないことがあると覚えておくと、帰ってからでも一つぐらいは覚えています。

最近は冠婚葬祭に関する本はは多いのですが、
日常の服装や動作に関するものは少ないもので、
知らなかった決まり事が書いてあるとその本を求めたりします。

靴とベルトの色は合わせること(常識?)。もしくは靴とベルトと鞄と腕時計のバンドの色。
立っているときはスーツのボタンは留めること。
ネクタイのストライプには欧州スタイルとアメリカスタイルがあること。
ドアのノックの回数で2回はトイレ、3回はプライベート、
ビジネスシーンでは4回ノックすることなどなど。

そんなことがもっともっとマナー本に書いてあったのですが、
先日 先のドアのノックの回数について確認したかったので、
その本を引っ張り出し、書いてあるところを探したのですが、
見つからない。
その本を最初から最後までパラパラしても見つからない。
書いてあるところがわからない。おかしい、おかしいと必死に探しました。
ページを折っていたり、赤線を引いたりしていればよかったのですが目印はなにもない。
いい言葉やステキな文章があって後で探すと見つからないこと。結構あります

しばらくあとで思い出しました。
書いてあるのは別の本でした。すっかり忘れていました。

そういえば、最近いろんなことを忘れることが増えてきたようです。
ものの忘れが 心配です。


免許証

2020年09月15日 | 診療
暑さ寒さも彼岸まで。
本当にこのところ、朝晩の気温は下がり、
過ごしやすくなってきました。

この辺の田んぼでは、今 稲刈りの真っ最中です。
同時に 稲科の植物アレルギーのある患者さんが増えてきました。

先日、ある役所の職員からある仕事を頼まれました。
長年保留にしていた仕事だったのですが、
とうとう引き受けることにしたのです。

その仕事を引き受けるに当たっては、
医師免許証のコピーが必要で、
コピーは事務所に保管してあるはずです。

事務のスタッフさんに 
「僕の免許証のコピー必要だから お願いね」と声をかけておきました。
しばらくそのことを忘れていて、
書類を役所の職員さんが取りに来たときに
「先生、免許証のコピーもお願いします」と言われ、思いだし
事務スタッフさんに「免許証のコピー宜しくね」と声を掛けると
「センセ、じゃ免許証ください、コピーしますから」との返事。
「事務所にあるんじゃないの」と僕
「免許証はセンセが持っているんじゃないですか?」
「医師免許証のコピーだよ」
「アッ、運転免許証じゃないんですね、なーんだ」

免許証違いでした。
後で聞いたら
免許証っていったら、運転免許証しか思い浮かばなかったそうです。
多くの人はそうですよね。






その差ってなんですか?

2020年09月07日 | 診療
「おはようございます」と言って 鶴見さんが診察室に入って来ました。
慣れた様子で上着を脱ぎ、ハンガーに掛けて椅子に座りました。
これが鶴見さんのルーティン。

鶴見さんはもう20年以上当院に通っている患者さんで、
当時は前立腺癌の手術を大学病院の僕の同級生にしてもらったこともあり、
始めからその同級生や大学病院の話などで、いい雰囲気でお話が出来た方でした。
その後も益々フレンドリーになり、もう僕ともため口、
年齢が上なので僕の方が丁寧語を使っている状態です。

また、うちの看護師さんはなかなかやめる方がいなくて、
古くから鶴見さんを知っている看護師さんもいます。
鶴見さんも診察の時僕の顔見て話をするのじゃなく、
後ろにいるよく知っている看護師さんの方を見て
症状を話したり、世間話をしたり薬の話をしています。

その鶴見さんが先日こんなことをこんなことを言っていました。
「ここの看護師さんは、採血がうまいよなぁ。
痛くもないし、青くならないし。
大学に行くと毎回えらく痛いし、内出血するし、
あそこの看護師さんは下手だねぇ。」

そんなに差はないと思うのですが、
強いて言えば安心感ですか?