診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

一箱古本市

2017年10月31日 | 日常

10月ももう終わり、
いつの間にか 冬が近づいています。

11月はゴルフ、盛岡での同級会、ボージョレの会、等々
いろいろ予定が詰まっていて、
きっとあっと言う間に過ぎてしまうんだろうなぁと思っていたのですが、

急遽、11月5日の日曜日に、オリオン一箱古本市に参加することになり、
日程が詰まっていることもあり、急に慌ただしくなりました。
昨年は、お呼びがかからず、もう卒業でいいかと思っていたら、
そんなことになってしまいました。

寒いので、真冬の恰好で行ってきます。






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秋刀魚の骨

2017年10月25日 | 診療
この頃は、秋と言うより
すでに 朝晩は冬のようです。

なにより 診察にみえる患者さんの
服装を見ると、
女性はハイネックを、
男性はダウンを着た方が
増えているのが明らかです。

インフルエンザの予防接種にみえる患者さんは
増えてきているのですが、
外来は 相変わらず暇です。

そんな寒々とした午後の外来に
「一昨日、秋刀魚を食べたらノドに骨が刺さっちゃったんです。」と
40代の方がみえました。

「ほんまかいなぁ。」
そんな気持ちで、
ノドを見ると、なにもありません。

今度は仰向けになってもらい、
喉頭鏡で、少し奥まで見ましたが 
ありません。
この喉頭鏡は、奥まで入れると
反射で、オエーッとなってしまうので
あんまり奥まで入れられません。

患者さんに「どう?」って聞くと、
「やっぱり、刺さっているみたいです。」 と
答えたので、
「じゃぁ」と、 内視鏡でみることにしました。


少しずつスコープを進めていくと、
結構奥の喉頭蓋の手前に、
見つけました。
骨が刺さっているのを。

急いで、鉗子を準備してもらい、
骨をつかむことにしたのですが、

これがなかなか大変で、
呼吸で、骨は動くし、
スコープの位置を調整しなければいけないし、
鉗子を伸ばすタイミングとつかむタイミングを
合わせなけければならないと、
苦労はしたのですが、

それでもなんとか やっと骨をつかむことが出来、
無事摘出することが出来ました。

めでたしめでたし。です

久しぶりにアドレナリン出まくりで、
寒々とした検査室の中で、手と背中に汗をかいていました。

患者さんも、すっきりしたようで、
「ありがとうございました。」と言ってくれました。

これが この仕事をやっていてよかったと思える瞬間です。

いやー、しかし、本当に骨が折れました。

取れた骨は、診療所の博物館で、永久保存します。


 

20年ぶりの新車

2017年10月20日 | 診療
いったい今年の秋はどこに行ってしまったのでしょう。

秋らしいさわやかなお天気が待ち望まれる日が続いています。

今年は夏もお天気に恵まれず、

お米の出来も、当地では凶作でした。

先日 定期的に受診している妹尾さんが、
今日診察室に入って来たときは、
車椅子に乗っていました。

「どうしたの?妹尾さん。」

「急に足に力が入らなくなって、たてなくなっちゃったんだ。」

聞けば、
腰痛持ちの妹尾さんは、普段から 整骨院にかかっていて、
もんだり、押したり、やってもらっていたそうです。

特に最近は、痛みがひどく、
そのことをいうと、特に念入りにやってくれたとのこと、
ところがそのあと、痛みはよくなるどころか、かえってひどくなったので、
近くの整形外科を受診して、CTだかMRIの検査をしてもらって、
異常なしとの話を聞いて帰ろうとしたとき、
急に足に力が入らなくなって、しゃがみ込んでしまったというのです。

「えっ、じゃぁ、その整形で見てもらえばいいじゃん。」
とおもったので、そういうと

「そうでしょ?その整形の先生に言ったら、
大丈夫、大丈夫。家で休んでたらいいよ、って帰されちゃったんです。」

なんだかよくわかりませんが、
妹尾さんは車椅子に乗っていて、足が動かないのは事実です。

簡単な神経の検査をやっても異常なしです。

これじゃぁ、家では寝たきり状態だろうなと思い、
ついてきた奥さんに、
溲瓶とかおむつとかが必要になるかもしれないから、
念のため、準備しておいてね、などと言って
車椅子ごと帰って頂きました。

なんで立てなくなったのかはわかりませんが、
これではしばらくは歩行は無理だろうと予想が出来たので、
診療所には 車椅子は当分ない状態です。

翌日、いつも車椅子を使う近所のお婆さんがお見えになったときには、
仕方がないので、
下に車輪のついた、僕の診察室用のイスに乗ってもらい、
看護婦さんが診察室まで誘導して、
僕が患者さん用のイスに座って診察を行いました。

なんだか変なので、みんな笑っています。

ということで、
20年ぶりに
車椅子を買うことにしました。

機械屋さんに電話をして、
「今 在庫である車椅子をすぐ持ってきてもらえませんか。」
というと、
「わかりました。」

その日の午後には、めでたく
新車 納入。

新しい車椅子は 軽い 
パンクしない
シートベルト付き。

進歩していました。

妹尾さんも 3日ほどして、歩いて来院され、
「車椅子で 助かりました。」
と言って帰って行きました。









偶然と必然

2017年10月05日 | 診療
心理学の本を読んでみると、
ある人は、物事が重なり合うのは、
「必然」だと書いてあるし、
別の人は 「そんなことはすべて偶然だ」と
書いてある。

必然だと思うと 説明できない神秘性を帯びてくるし、
偶然だと割り切ると、そこには「たまたまだよ」と
ひどく素っ気ない感じがする。

どちらも それもそうだと頷けるのだが、
一方だけということはないと思っている。

この仕事をしていると、不思議なことに会うこともあり、
偶然だよとばかりは思えないこともあるんです。

たとえばこんな例

ある仲のよい老夫婦がいて、
ご主人が長く煩って亡くなった後、
何ともなかったご婦人が1年後の命日に亡くなったこと。

お金持ちのご夫婦で奥さんのために買ってあげた高級車が、
奥さんが癌で亡くなった後、
新しいパートナーがその車に乗っているときに、
自損事故に遭い大破して廃車になったこと。

それから、
これは僕自身のことなのですが、
母の実家の電話番号が 3363で
父の実家の番号が3663。
今の僕の電話番号が3303。
確率的にはどうなんでしょう。

さらに
母の実家のお墓の後ろに、
たまたま見たら、僕の名字のお墓があったこと。

すべて偶然というには何ともはや。