診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

ぼーぼー鳥

2023年10月19日 | 散歩道
体調が悪くなったのは、今年の5月からですので、
まだ5ヶ月です。
それまでは、朝起きて犬の散歩にゆくのですが、
散歩に合わせたかのように、ぼーぼー鳥が鳴き出します。
体調悪化の時には朝起きるのもつらかったのですが、
最近やっと、
身体が軽くなってきたので、
犬の散歩に挑戦してみました。

すると具合のよくない間 聞くことの亡かったぼーぼー鳥が
依然と同じように外に出たとたん泣き出しました。

そういえばこんな風にないていたっけな。

キャッチ

2012年05月15日 | 散歩道
連休からもう一つの日曜日も過ぎ、
この辺の田んぼは、かなり田植えが進みました。

うちには農家の方も大勢みえるので、
農作業のことなども、世間話に出てきます。

その中で、当然僕の知らない言葉もたくさんあって、
いろいろ教えてもらったりしているのです。

「畦塗り」などというのも、そのうちの一つです。

ところが、
今読んでいる歳時記に、
春の季語としてこの言葉が載っていました。

いや~、俳句というのは、奥が深いもんだと言うことを、
あらためて認識しました。

さて、先日
「処置の患者さん、お願いしま~す。」と呼ばれて行ってみると、
3歳ぐらいの男の子が手を広げて待っています。

お母さんが「とげが刺さっているようです」というのでみてみると、
なにやら、手のひらにとても小さな黒いものがあるようです。

ところが、僕も老眼があるのでよくみえません。
そこで、
細かいものを見るために使うのが、
時計屋さんのルーペ。

これをつけると、患者さんはみんな怪訝そうな顔をするのですが、
なによりこれは、両手が使えるのが、いいのです。

この子のトゲも、無事抜けました。
めでたしめでたし、です。


また、別の日、
「処置の患者さん、お願いしま~す。」と呼ばれました。。
若い女の子が、ベッドに横になっています。
「キャッチが耳の中に入っちゃったようなんです。」と看護婦さん。

よく意味がわからなかったのですが、
耳の中に、何かが入ってしまったんだろうと勝手に考えて、
耳の中を見るために、
例のルーペとライトを出してもらうようにいうと、

「違うんです、先生。
ピアスのキャッチが、入っちゃったんです。」

「???」

「ピアスがどうしたって?」

「だから、このピアスの後ろの止める部分が、
皮膚の下に潜っちゃったんですよ。わかりますか、先生。」

「ああ、この止めるの、キャッチって言うんだ、知らなかった。」

知らない言葉はたくさんあるもんです。

僕の頭の中では、
キャバクラの客引きの黒い服を着たお兄さんが、
ピアスみたいな傘をさしている僕の腕をつかんでる光景が浮かんでしまいました。











傘立て

2012年04月28日 | 散歩道
皆さん、連休でお出かけしちゃったのでしょうか。
農家の方は、この連休で田植えのところが多いので、
大忙しで準備に追われています。

そのせいか、外来には静かな時間が流れています。
こんな日は、最近興味を持った歳時記などを手にとってページをめくっています。

この本を読むと、日本人の細やかな感性におどろくとともに、
失われた風習の多さにも、気づかされます。

そしてまた、あまりにも読めない漢字の多さに、
ふがいなさを覚えます。

もっと若いとき、
勉強してれば良かったなぁ。


さて、
うちの診察室の中には、傘立てが置いてあります。
でも、傘を入れるものではないのです。

杖をいれるのです。

いろいろな方が、いろいろな杖をついてやってきます。

長いもの、短いもの。
木でできているもの、金属のもの。などなど。

杖をついてくる方は、
何も言わなくてもだいたいこれに杖を入れてくれます。

それを見ると、
置いといてよかったなと、思います。

でも、
風邪の流行っているときや、花粉症の時期など、
ティッシュ使っている人は、
ときどきゴミ箱と思って、
ティッシュを入れているようです。






滅多にないこと

2012年04月24日 | 散歩道
このところ、天候が不順で、
暖かかったり、冷たい雨が降ったりと
落ち着きません。

こんな気候の時には、
普段滅多に来ないような患者さんが、
やってくることがあります。

この間は、
多発性骨髄腫で、数年前に大学病院に紹介した大関さんが、
ひょっこり顔を覗かせてくれました。
風邪を引いたとかで、見えたのですが、
薬物療法、放射線療法のこと、
輸血のことなど、
大学病院での治療のことを、小一時間話して行きました。

元気になってなによりです、大関さん。

それからまた、
猫に咬まれたとやってきた中年の女性。

(猫に咬まれた患者さんは、開業以来2例ぐらいのものです。)

その二三日後に、
また猫に咬まれたといって、若い男性が。

続くときは続くもんです。



毛穴 

2012年04月16日 | 散歩道

先日、高血圧で通院中の森光さんが見えました。
長いこと大きな病院で看護婦さんをされていた方で、
僕の知らないことも教えてくれたりしています。

前回のカルテを見ると、「白内障手術予定」と書いてあったので、
どうでしたかと聞くと、

「先生、世界が変わりました。こんなに空気が澄んでいたんですね、
私、新聞も読めなかったんですが、今はばっちり。」
とニコニコしながら、話してくれました。

そりゃー良かった。いいことずくめですね。

「それがそうでもないんですの。」
「よく見えるようになって、
自分の顔が、こんなに汚かったのが判って、
がっかりです。
毛穴までばっちり見えるんですから。」

笑ってしまいました。
ごめんなさい森光さん。

でも、僕もすこし白内障なので、
森光さんの毛穴は見えてないから、
安心してください。

平成24年4月16日