診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

メダカの孵化

2013年05月27日 | 日常

先日、やっとこさという感じで、メダカの稚魚が誕生しました。
本には十日ぐらいで孵化すると書いてあったのですが・・・。

十日経っても二十日経っても生まれてこないので、
今年はダメかと、
あきらめて水をかえようかと思ったのですが、
産卵から25日ぐらい経った土曜日、
水槽に稚魚が泳いでいるのを見つけて大喜びです。

その後本を読み直してみたところ、
250°日と書いてありました。

25°の気温で十日間という意味です。
よく読んで見るとそこには、但し書きが書いてありました。
水温が低い場合は、もっと日にちがかかる、と。

何のことはない、ただ読み落とししていただけでした。

まずはめでたしめでたし。

鳴かぬなら鳴くまで待とう、ホトトギス。
待つことの大切さをあらためて、実感した次第です。

これで、毎日水槽を見に行く楽しみが増えました。
早く大きくなってほしいものです。


\(^▽^)/

こだわるって

2013年05月22日 | 診療
何気なくやっていたことが、
ひょんなことがきっかけでできなくなる、
そんなことはよくあることで、

今回はそれがこのブログに出てしまい、
ちょっとブランクが開いてしまいました。

きっかけは、
ある本を読んで「こだわる」という言葉が、
よい意味ではないと書いてあったからだと思います。

それから、
あらためて国語辞典を開いて確かめてみました。
するとやはり、
「どうでもいいことを、必要以上に気にすること」
と書いてあり、
「どうでもいいことだったんだ。」と初めて知りました。

それまでそのことを知らないで使っていた自分が、
なんだか恥ずかしくなり、
しばらく文章を書く気になれませんでした。

最近見た映画、
「舟を編む」も、言葉をテーマにした作品でした。
この映画の前半、
「右という言葉を説明せよ。」
という役者のセリフにも考えさせられました。

普段何気なく使っている日本語ですが、
言葉の意味や用法に、
もっと気をつけなければと、
あらためて思いました。

だって、
日本語を使っているのは
日本人だけですもの。

診療中も、
言葉のズレをときどき感じる時があります。

患者さんの言っている言葉の意味が、
わからない時があるのです。

若い人が「気持ちが悪い」と言ってきた時などがそうです。
こちらは、
「気持ちが悪い」のは、
ムカムカして吐き気があるのだと思って、
「吐き気があるの?」と聞くと、
「吐き気はありません。」と返ってきます。

どうやら、
「熱があって身体がだるい。」や、
「頭が痛くて体調が悪い。」など、

いつもと違って、調子がよくないことを、
「気持ちが悪い」と言っているのだと、最近理解しました。

言葉はとても大切なもので、
とても難しいものです。

三文芝居

2013年05月11日 | 診療
最近、診察中でも、それ以外でも、
特に強く感じることがあります。

それは、
世の中、本当に様々な人がいるんだなと言うことです。
いろいろな考え方があって、
一人一人、別々に行動しています。

別のいい方をすれば、
世の中何でもありで、なんでもOKなんだ。です。

その人にとって、いいと思ったことは、
そのひとには、正しいことなんです。

多くの人が変だと思っても、
本人がいいと思えば、それでOK.

他人がなんて云ってこようとも、
自分が正しいと思えば、
考えを変える必要なんかないんです。


実は、
開業して真っ先に感じたことがこれでした。

太った糖尿病の患者さんに「体重を落としましょうね。」
と何回指導しても、
減るどころか、逆に徐々に増えてきたりしたとき。

肺気腫で、咳がゴホゴホ出ている患者さんに、
「タバコはよくないですよ。」と何回いっても、
毎回「俺ぁ、これがないとダメなんだ。」と返された時。

そんなときに、この「何でもありか」が
ボアンと頭の中に浮かんできます。

開業して、18年。
頭の中は、
このボアンが浮かんでは消え、浮かんでは消えして、
だいぶ前から、
ボアンが、消える暇がなくなり、
常にいるようになりました。

そうすると、言葉がとても軽くなってしまい、
薄っぺらい言葉だけが、
僕と患者さんとの間を行ったり来たりするようになります。

そんなときふと、僕は役者で、
今、医者の三文芝居をしているのではないかという錯覚に、
囚われてしまい、
あわてて首を左右に振ります。