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オバマ、健保改革擁護の大演説 It is a lie, plain and simple.

2009-09-10 | 米国・EU動向
2009年9月10日(木)

オバマ大統領は水曜日の夜の両院合同会議において、懸案の健康保険改革法案について、47分間にわたる演説を行い、反対陣営が繰り広げている「恐怖心をあおる戦術」(scare tactics)を強く非難し、議会に提出する自らの法案について、強い弁護を展開した。

政治的意図を持ってオバマ大統領に反対する人々の相手をしている暇はないと言い切り、健康保険の支出を削減し、保険未加入者を救済するためなら、共和党議員とも協力する余地があると訴えた。

「ののしり合いに、明け暮れるときは終わった。ゲームをしているときは過ぎた。いまや行動を起こす季節が来たのだ」(“The time for bickering is over, The time for games has passed. Now is the season for action.”)との言葉に、議場の民主党議員からは万来の拍手が巻き起こった。

しかし、共和党が「法案の中に高齢者の治療を打ち切ることを決める 『抹殺審査会』(death panel)が含まれている」と悪宣伝を繰り広げていることを、大統領が、「それはウソだ。誰にもわかる、単純なウソだ」“It is a lie, plain and simple.”と否定した際には、共和党議員の中から野次が飛んだ。

夏休み中を通して、各選挙区で行われていた住民大会(town hall meetings)での大混乱の結果、大統領の支持率が大きく下がってきた背景には、この法案に対する共和党の世論操作的な攻撃があったのも事実であった。

夏休み明けの議会における、もっとも重要な健康保険改革法案に対する論戦は、この大統領の力強い演説で火蓋が切られた。ABC放送などのニュースを見る限り、大統領の失地は、これで相当回復したとの印象であった。