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鳩山氏、温暖化ガス削減政策発表 Some tall orders

2009-09-08 | 世界から見た日本
2009年9月8日(火)

新首相となる鳩山民主党総裁は、温暖化ガス削減に関して、民主党がマニフェストで公約した数値を再確認して、「1990年比で、2020年に25%、2050年には60%以上の削減を行う」ことを宣言した。この目標値をもって、新首相は9月22日の国連総会に乗り込むことになる。

この数値は、EUの目標値に近いが、オバマ政権が現在議会に諮っている削減目標値に比べるとはるかに、きびしく(stiff targets)、日本が温暖化ガス削減という人類的な、そして地球規模の課題に対して、リーダーシップをとることを、明確に宣言したことはきわめて大きい意義がある。

京都議定書の改定交渉期限を来年末に控えて、今年12月にコペンハーゲンで開催されるCOP14会議に臨む日本の政策を明確にしたことで、国連やGreenpeaceなどの環境団体はいっせいに歓迎の談話を発表している。

ちなみに麻生政権は、景気対策や、産業界からの強い抵抗に配慮して、昨年の洞爺湖サミットの削減目標のコンセンサスから後退させた、「2020年に、2005年比で15%削減」を打ち出していた。これは経団連が、「1990 年レベルから、6%以上の削減に反対する」との方針を反映したものである。

鳩山氏は、目標の公約と同時に、数値実現には、ほかの大量排出国も追随することを条件にしている。しかし、先進国と中国・インドなどの発展途上国の間では、責任分担論で鋭い対立が続いていて、交渉は暗礁(deadlock)にのり上げている。

The New York Times は、その条件付けを行ったことで、「鳩山氏は、解けない問題」(some tall orders)を抱え込むことになったと、論評している。