ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

開会式の森山未来さんの舞踊

2021-08-01 | 雑記

オリンピック開会式目前に起こったいくつかの辞任、解雇。
適当な言葉がどうしても出てこないが、
あえていうなら「軽薄」(軽くて薄い)という言葉が近いかな。
(トランプが出てきた頃からそこはかとなく感じていたモヤモヤ、違和感。
それがここまでずっと続いている気がする)
たった今、問題のオリンピックの渦中にいて、
これがどういう結果を生み出すことになるのだろうか。
人ごとではいられない。

そんな中、開会式で見た森山未来さんの舞踊が忘れられない。
ミュンヘンオリンピックの時に殺害されたイスラエル選手たちへの鎮魂の舞と
NHKの解説の方は言っていた。
静かな暗闇の中にたった1人スポットライトで照らされた森山未来が舞う。
悲劇の死を遂げた人々への鎮魂を力強く毅然として表現する。
その姿に打たれた。
「軽薄」とは真逆の、深く踏み込んだ想いを表現していた。

先日朝日新聞デジタルに
音楽、映画、演劇、文学と幅広く批評する佐々木敦さんの
オリンピック開会式に関するインタビュー記事がのった。
長くなるが引用させていただきたい。

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ここまで、心に引っかかってこなかったと言ってはいますけれど、一番いいと思ったのは森山未來さんでした。森山さんは、望まぬ死を選ばされた人々への鎮魂のダンスを披露しました。森山さんは6月に、岡田利規さんが作・演出した「未練の幽霊と怪物―『挫波』『敦賀』―」という舞台に出演していて、そこでザハ・ハディドの霊として踊っていた。ザハは、世界的な建築家で、コンペで勝ち取った新しい国立競技場のプランを白紙にされ、その後に亡くなっています。そんなザハの霊として踊った人が、1カ月後に開会式で鎮魂の舞をした、どうしてあんなことが実現したのか分からないけれど、すごいなと思いましたね。森山さんは出演した後、SNSで岡田さんに対する敬意を記していたそうです。
 そして、この件ですごく興味深いのは、「未練の幽霊と怪物」は、もともとは1年前にやるはずだったのだということです。コロナの感染拡大で延期になったわけですが、森山さんがザハの役を演じることは1年前から決まっていた。森山さんに出演してもらおうとなった時に、「この人、ザハ・ハディドのことを扱った舞台に出ますが、大丈夫でしょうか?」と誰も言わなかったのかと考えてしまいます。これは小林賢太郎さんや小山田圭吾さんをブッキングしたのと似ています。人選について、ちゃんと考えられていなくて、なんとなく有名な人や思いついた人を選んだら、こうなっちゃったのかなっていう気が僕はしています。森山さん自身は自分がザハの霊を演じるのは分かっているわけだから、森山未來ってすごい人だなと思いました。ある意味、確信犯だったのかもしれない。まあ、わかりませんが。だから僕が今回の開会式で一番心に残ったのは、森山未來の登場がはからずも示したアイロニーと、アイロニカルなだけではない、シリアスな問題提起ということになるかと思います。(聞き手・小峰健二)
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森山未来といえば忘れられないのが、このドキュメンタリー。
「踊る阿呆 森山未來・自撮り365日」(2014年12月17日、NHK BSプレミアム)
イスラエルの舞踊団に一年間留学していた日常を自撮りしたものをまとめたもの。
とてもとても興味深いドキュメンタリーだった。


大切な思い出もある。
2008年の冬に彼はミュージカル「RENT」のマーク役をやった。

「RENT」はブロードウェイとロンドンで観た私と娘にとっては特別な舞台。
森山くんのマークもとても素晴らしかった。

映画「怒り」の彼も抜群の存在感でした。


これからの活躍が楽しみです。