ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

隣人

2008年01月04日 | 映画レビュー
 隣人同士のスワッピングというスキャンダラスな話かと思ったら、保険金詐欺事件だったとは。

 隣同士、それぞれ結婚10年を越えて少々倦怠期。隣人の投資アドバイザー(ケヴィン・スペイシー)から自分の美しい妻と寝てみないかと誘われた音楽家(ケヴィン・クライン)がついつい手を出した隣の女、なんと翌朝には殺されていたというサスペンスでございます。

 しかしこれ、謎が謎を呼ぶサスペンスではなく、犯人は事件の最初っからわかっているので、謎解きのスリルを味わうのではなく、観客が謎解きの経過を登場人物と一緒に味わうというもの。しかも、先の先まで読めるので、この点ではあまり面白くない。洒脱な台詞があるわけでなし、細部がこれといって面白いわけでもなく、特に見所はないといっていいだろう。とはいえ、ケヴィン二人組はなかなか魅力的な演技をしています。その後二人ともミュージカル映画に主演しているわけで、その萌芽というかちょっとさわり的なものは見せてくれるし。女優も美しい。特にレベッカ・ミラーの緑の瞳は魅力的だった。あっとお、今調べてわかりました、彼女は「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」の脚本も書いております。お、ついでに言うと、夫はダニエル・デイ・ルイスでした。ふーむ。

 ま、それはともかく、役者がそれぞれ魅力的なのはよかったけど、後はどうということのない映画だった。ほとんど火曜サスペンス(最近見てないけど、まだやってる?)の乗りかな。後半のドキドキ部分はほとんどアップの多用でちょっとうるさいぐらいだったけど、それでもやっぱりハラハラしてしまうわたしってお安くできているのかしら。で、この映画の教訓はもちろん、「隣の芝生は青くない」「よその奥さんと寝てはいけない」です。いや、「美味しい話に釣られるな」かな。(レンタルDVD)

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CONSENTING ADULTS
アメリカ、1992年、上映時間 100分
製作・監督: アラン・J・パクラ、製作総指揮: ピーター・ジャン・ブルージ、
脚本: マシュー・チャップマン、音楽: マイケル・スモール
出演: ケヴィン・クライン、メアリー・エリザベス・マストラントニオ、ケヴィン・スペイシー、レベッカ・ミラー、フォレスト・ウィッテカー