すごく面白かったのに、手持ちカメラの画面がずっと動きっぱなしなので目が疲れて途中でダウン。最後は寝ていたので結末が解らないっ!
今回のアクションは狭路で展開される。路地を疾走するバイクのカーチェイスのすさまじい迫力にはびっくり。路地を駈けるのはバイクだけではありません、ジェソン・ボーンも駈ける、飛ぶ、ビルの屋上を飛び越える、窓を突き破る、狭いバスルームでの刺客との格闘なんて撮影が大変だったろうなぁと思わせるスピードと迫力。今回の映像は、役者もエライけどそれ以上にカメラマンがエライと思ったものであります。
このシリーズは、1より2が、2より3が面白い。どんどん面白くなるというのに、寝てしまうとはこれいかに。ちょっと臨場感を出そうとしすぎたのではなかろうか? もうちょっと少しはカメラを落ち着かせてほしかった。「頼むから10秒でいいからフィックスカメラの場面も作ってよぉ~」と祈るような気持ちで映画をみるなんて、トホホだわ。目が痛い頭が痛い。
これ、中高年には肉体的に辛いです。
このシリーズは何と言ってもクールで知的な元CIA工作員ジェイソン・ボーンのキャラがいい。驚異的な頭の回転の速さ、身体能力の高さ、語学力、どれをとってもずば抜けていて、そのスーパーマンぶりにほれぼれする。ヨーロッパ中をCIAに追われながらも見事に逃げおおせるところ、その知恵比べに興奮するのだ。と同時に、もはや高度管理体制社会であることがなんの疑問にも感じないほど監視網が行き届いたアメリカ国家の「目」には今更ながら恐怖を感じる。盗聴・盗視なんてへっちゃら。個人情報なんていったいどこにあるの!? そんなに何もかもプライバシーは筒抜けなの? あなおそろしや。しかもそんな様子がハイテンポで画面に次々と現れると、恐怖や嫌悪よりもむしろ爽快感を感じてしまうから怖い。権力の緻密さや力強さにむしろ観客が魅せられていくところがこの映画の怖さかもしれない。だからこそ、その網の目をくぐる一匹狼ジェイソン・ボーンの存在が頼もしい。そして、CIA内部の抗争・裏切り・腐敗が興味深くもあり。権力を維持しようとする人間は職務に忠実であり、冷酷無比なのは任務遂行にとってはよいことなのだ。優秀な組織人はかくも無慈悲な人間にしか務まらないのかもしれない。
記憶を失ったジェイソン・ボーンが「自分探し」のハードな旅に出た3部作がとうとう終わり、彼は自分を取り戻す。これもまた最近数多く作られる記憶をめぐる物語の一つだ。人をその人たらしめるのは記憶の束、という観点からこの映画は創られている。もう一度最初からシリーズ全作を見直したら、違う見方ができるのではなかろうか。DVDが出たら全部見てみよう。
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THE BOURNE ULTIMATUM
アメリカ、2007年、上映時間 115分
監督: ポール・グリーングラス、製作: フランク・マーシャルほか、製作総指揮: ジェフリー・M・ワイナーほか、原作: ロバート・ラドラム、脚本: トニー・ギルロイ、
スコット・Z・バーンズ、ジョージ・ノルフィ、音楽: ジョン・パウエル
出演: マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン、パディ・コンシダイン、アルバート・フィニー、ジョーン・アレン
今回のアクションは狭路で展開される。路地を疾走するバイクのカーチェイスのすさまじい迫力にはびっくり。路地を駈けるのはバイクだけではありません、ジェソン・ボーンも駈ける、飛ぶ、ビルの屋上を飛び越える、窓を突き破る、狭いバスルームでの刺客との格闘なんて撮影が大変だったろうなぁと思わせるスピードと迫力。今回の映像は、役者もエライけどそれ以上にカメラマンがエライと思ったものであります。
このシリーズは、1より2が、2より3が面白い。どんどん面白くなるというのに、寝てしまうとはこれいかに。ちょっと臨場感を出そうとしすぎたのではなかろうか? もうちょっと少しはカメラを落ち着かせてほしかった。「頼むから10秒でいいからフィックスカメラの場面も作ってよぉ~」と祈るような気持ちで映画をみるなんて、トホホだわ。目が痛い頭が痛い。
これ、中高年には肉体的に辛いです。
このシリーズは何と言ってもクールで知的な元CIA工作員ジェイソン・ボーンのキャラがいい。驚異的な頭の回転の速さ、身体能力の高さ、語学力、どれをとってもずば抜けていて、そのスーパーマンぶりにほれぼれする。ヨーロッパ中をCIAに追われながらも見事に逃げおおせるところ、その知恵比べに興奮するのだ。と同時に、もはや高度管理体制社会であることがなんの疑問にも感じないほど監視網が行き届いたアメリカ国家の「目」には今更ながら恐怖を感じる。盗聴・盗視なんてへっちゃら。個人情報なんていったいどこにあるの!? そんなに何もかもプライバシーは筒抜けなの? あなおそろしや。しかもそんな様子がハイテンポで画面に次々と現れると、恐怖や嫌悪よりもむしろ爽快感を感じてしまうから怖い。権力の緻密さや力強さにむしろ観客が魅せられていくところがこの映画の怖さかもしれない。だからこそ、その網の目をくぐる一匹狼ジェイソン・ボーンの存在が頼もしい。そして、CIA内部の抗争・裏切り・腐敗が興味深くもあり。権力を維持しようとする人間は職務に忠実であり、冷酷無比なのは任務遂行にとってはよいことなのだ。優秀な組織人はかくも無慈悲な人間にしか務まらないのかもしれない。
記憶を失ったジェイソン・ボーンが「自分探し」のハードな旅に出た3部作がとうとう終わり、彼は自分を取り戻す。これもまた最近数多く作られる記憶をめぐる物語の一つだ。人をその人たらしめるのは記憶の束、という観点からこの映画は創られている。もう一度最初からシリーズ全作を見直したら、違う見方ができるのではなかろうか。DVDが出たら全部見てみよう。
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THE BOURNE ULTIMATUM
アメリカ、2007年、上映時間 115分
監督: ポール・グリーングラス、製作: フランク・マーシャルほか、製作総指揮: ジェフリー・M・ワイナーほか、原作: ロバート・ラドラム、脚本: トニー・ギルロイ、
スコット・Z・バーンズ、ジョージ・ノルフィ、音楽: ジョン・パウエル
出演: マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン、パディ・コンシダイン、アルバート・フィニー、ジョーン・アレン