大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

日々の恐怖 11月16日 声(2)

2019-11-16 17:14:16 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 11月16日 声(2)




 仕方なくまた寝ようとしたが、音は普通に聞こえるくらいの音量になってきていた。
堪らずもう一度親父を起こしたが、親父はまったく取り合ってくれなかった。
 弟を見ると、弟もまったく聞こえてないらしく、ぐっすりと眠っていた。

“ 何でみんな気にならないんだろう・・・?”

と、少し違和感を覚えた頃、ようやく音がやんだ。
 安心して目をつぶると、今度は洋楽っぽい音楽が流れてくる。

「 明日・・・、明日・・・・。」

男の声で何かを歌っていたが、音が小さくてよく聞こえない。

“ もう気にするのをやめよう・・・・。”

と横になっていると、段々と音が大きくなり、何と歌っているのかが分かってしまった。

「 明日死ぬ・・・、明日死ぬ・・・、明日死ぬ・・・・。」

 ここで初めて俺に歌っているのだと理解した俺は、怖くなって耳を塞いだが、歌はどんどんハッキリと聞こえてきて、耳を塞ぎながら震えていた。
 いつの間にか泣いていたらしく、父が俺の異変に気付いた。
その頃には、もう夜明けだった記憶がある。
 親父は、訳の分からないことを言う俺を連れて母の部屋に行った。
どうやら俺は熱があったらしい。







童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日々の恐怖 11月14日 ... | トップ | 日々の恐怖 11月20日 ... »
最新の画像もっと見る

B,日々の恐怖」カテゴリの最新記事