日々の恐怖 10月2日 私の話(2)
棺桶のフタがずれている。
” おかしいなぁ・・・・、ネズミではフタは開けられないはず・・?”
と思いながらも蓋を戻そうとした時、とんでもない事に気づいた。
中の遺体が無い。
職員は、
” ヤバい!”
と思って棺桶を祭壇から出してフタを開けたけれども、確かに中にあるはずの遺体がなかった。
この時は、
” 遺体が消えた!”
と考えるよりも、
” 遺体が無い・・・。
どうしよう・・・・。
万が一、遺体が無くなったとなったら、俺の責任になるぞ!”
と考えたらしい。
そこで、ダッシュで元いた場所に戻り、別の用事で泊っていた職員(この人もお坊さん)を叩き起こして一緒に様子を見に行った。
すると、電気は消えていたが開けっ放しで出て行ったはずの棺桶のフタが閉められており、しかも元の位置に戻っていた。
中を確認すると普通に遺体があった。
「 寝ぼけていたんだろ!」
と叩き起こされた職員にブツブツ言われたが、電気がついていているはずなのに消した記憶もなく、とても消す余裕なんてなかった。
というか、電気を消すはずがない、通夜なんだから。
ちなみにこの時の職員と言う人は、私の先輩にあたる人です。
この人から直接聞きました。
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