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日々の出来事 7月9日 松山城と占い師

2018-07-09 09:28:39 | A,日々の出来事_







  日々の出来事 7月9日 松山城と占い師







 今日は、愛媛県の松山城が放火された日です。(1933年7月9日)
この事件は、1933年7月9日、国の重要文化財である松山城が古川義雄によって放火され、小天守・南北隅櫓・多聞櫓が消失した事件です。
 この松山城放火事件は、別名、西日本13府県連続放火事件とも言われ、神社仏閣、学校、ホテル等の目立つ建物45軒を放火しまくった事件です。
この13府県は、愛媛、長崎、高知、福岡、熊本、大分、鹿児島、大阪、兵庫、和歌山、沖縄、福井、佐賀にまたがります。
そして、放火期間は、1932年9月15日から、1936年11年5月11日までの約3年9ヶ月です。
 しかし、この期間中に、犯人は沖縄の那覇の呉服屋さんに泥棒に入り衣類53着をかっぱらい、那覇刑務所に2年服役、その後、台湾に渡って台北、高雄を放浪し高雄署に浮浪罪として5か月間ほど拘束されていますので、実質の期間は、約1年4ヶ月が放火期間になります。
 この期間中、1933年6月27日に大分県の光西寺に火をつけたとき、犯人は警察に挑戦状を出します。

「 大分の大仏様が雨で風邪を引いて寒がっているようだ。
 だから頓服をのませるように温めてあげた。
 そのかわり、お前はこの世でどんな悪事を働いても、死んでも地獄に
 やらんという、そういう約束をもらった。」

そして、次に松山城に火をつけました。
 その後、放火犯を検挙する努力が警察によってされていましたが、犯人が誰かと言うことは、なかなか分かりませんでした。
しかし、警察では、九州で放火が連続していたことや大分の挑戦状などで、松山城放火も同一犯であろうと言うように考えていました。

 そこに、謎の占い師、木佐貫良雄が登場します。
松山城が焼けた3日後、三津署にふらりとあらわれた、易占い木佐貫良雄は、名刺を出して、放火犯を占ってあげましょうと署員に言いました。
そして、一連の放火は別人だと占ったのです。
 警察も忙しいので、最初はこの人物を相手にしませんでした。
しかし、この人物は新聞記者や県警に出掛けて行って占いをやります。
 警察は、たくさんの容疑者を調べますが、ことごとくシロで、どうもこの占い師が怪しいと50日間拘束して調べることにしました。
すると、犯人の足取りと行動が似ていることが分かります。
そして、拘束中は、放火が起きないのです。
でも、アリバイがどうしても崩せません。
 しかたなく、警察は見張りを付けて釈放します。
でも、見張りを付けていたにも拘らず、フッと居なくなるのです。
そして、居なくなった時、和歌山の天理教の教師庁が放火されたのです。
警察は、この占い師を執拗に追跡しますが、シッポが掴めません。

 そうこうしている内に、熊本県警察は放火現場の残留物から犯人の特定に成功し、何と、この占い師では無く、まったく別人を逮捕します。
そして、逮捕された犯人は、45件の放火、8件の窃盗、1件の列車妨害を自供し、松山地裁は放火罪では最高の死刑を宣告しました。
犯人は、連続放火犯として逮捕されたときには前科7犯で、刑務所と一般社会を往復していた悲しい人生でした。

“ それにしても、捜査のお邪魔やろ~、占い師!!”









    松山城



















☆今日の壺々話












    2012年2月14日の事件





 東京・江戸川区で、自宅に火をつけて全焼させたとして、ガソリンスタンド経営者で地元の消防団員の男が逮捕されました。
 関口明容疑者(41)は1日夜、江戸川区の自宅に灯油をまいて放火した疑いが持たれています。
けが人はいませんでした。
 警視庁によりますと、関口容疑者は火が消えた後、現場で警察官が警戒していたところに車で突っ込み、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されていました。
取り調べに対し、
「母がけんかの後に家出して、火をつければ帰ってくると思った。」
と容疑を認めています。



帰るところが無いじゃん


かーちゃんの、帰る場所を焼き消してどーする!?


どういう家庭環境だ。
一応ガソリンスタンド経営者で、
とりあえず名士枠で消防団に入り、
母親と喧嘩して、母親が出て行って、
おかん帰ってくれと言って自宅に放火とは、
トホホ事件のリストを作れば、関取級にはなりそうだな。


おっと!最後に車で突っ込んだ事忘れてるぜ!





















   占い師1



 ある男が占い師を困らせてやろうと質問をしました。

「 喜びそうなことばかり言ってくれるのはいいから、今度は俺がどう
 いう人間なのか当ててみな。」
「 そうですか、それでは・・・。
 まず、あなたは三人の子のお父さんです。」

男は、ヤッタ~と思いました。

「 ほれみろ、間違いやがった。
 俺は四人の子の父親なんだ。」

それを聞いた占い師は答えました。

「 それは、あなたがそう思っているだけです。」






   占い師2



 彼女はちょっと気になることがあったので、よく当たると評判の占い師を訪ねました。
部屋に入って、まだ何も質問をしていないのに、突然、その占い師は彼女に言いました。
  
「 数カ月以内にあなたの夫は普通でない、恐ろしい死に方をするでしょう!!」
  
いきなりそんな内容を告げられた彼女は驚きましたが、気を取り直して質問しました。 

「 その後、私は逮捕されるの?」






   占い師3



 占い師は、つい口を滑らせて、王様の浮気相手の死期を言ってしまいました。
そして、実際、浮気相手は死んでしまったのです。
 王様は、予言が無ければ、最愛の人を死に至らしめることはなかったのだと深く占い師を恨み、占い師を殺してしまおうと思いました。
王様は、すぐさま占い師を呼んで占いをさせました。

「 占い師よ、自分の死期を今ここで占え!」

占い師は答えました。

「 どういうわけか私の死期はわかりません。
でも、私がいつ死のうと、その3日後に王様が私を追ってくる様子だけは見えてきます。」



















占い師




 もう随分昔のことです。
仕事を終え、同僚達と行きつけの飲み屋に行こうとしたら、途中で普段見かけない“占い師”を見つけた。
普段は占いなんぞに興味ないのだが、妙に気になり見てもらうことにした。

「 今日は、大人しく真っ直ぐ帰った方がいいお。」

そう言われ、素直に言う事を聞いた。
顎にホクロのあるまだ結構若い女性でした。
 同僚達には“今日は具合が悪い”と言い訳して電車に乗った。
家に帰ると、ラジオで電車事故の臨時ニュースをやっていた。
“鶴見事故”でした。
同僚達は、みんな亡くなりました。
 それから10数年後、引っ越すことになり、押入れを片付けていたら、一枚の古い写真が出てきた。
顎にホクロのあるかわいいお嬢ちゃんの写真。
裏には“空襲の時行方不明になった長女”と書かれていた。

あの時の“占い師”に似ていたのが不思議です。



















占い





 あるところに奇妙な占い屋があった。
なにが奇妙なのかというと、この占い屋は起こらなかった未来を占う、もしも占いなのだ。
誰しも、あの時あれをしていれば、と後悔したことはあるはずだ。
もしもその先、行動していた時の未来が見えるとするならば、誰しも知りたくなるだろう。

「 あの、占って欲しいのですが。」

小さなビルの一階、占い師の老年の男が占いの準備をしている時、一人の女性が占い屋に入ってきた。
薄いグレイのスーツを着た、OLのようだ。

「 はいはい、わかりました。占いたい内容はなんでしょうか?」
「 私、少し前に彼氏と別れたんです。それで、新しい男の人と付き合い始めたのですが、どうもしっくりこなくて。」
「 それで、もし前の男性と別れなければ今はどうなっていたか。それでいいですかな?」
「 はい、そうです。仕事が手に付かない、というほどでもないですが、やはりすっきりしなくて。」
「 ここにくる人は皆、そういっています。大丈夫、きちんと見てあげますよ。」

 そう言うと占い師は、目の前の水晶に手をかざし、呪文のようなものを唱えだす。
時折、女性に質問し、また水晶に呪文を唱える。それを少し続けた後、占い師はおもむろに答えた。

「 結果がでました。紙に書いてきますので少しお待ちを。」

そうして後ろの部屋に向かい、5分もしないうちに戻ってくる。

「 これに全て書いてあります。それでは代金の方をもらえますかな?」
「 わかりました。ですが、なぜ結果をいちいち紙に書くのですか?
口で言えばすむ話なのに。」
「 私も昔はそうしていました。
しかしそうすると、代金を払わないで出て行ってしまう不届き物がおりまして、こうして紙に書いているのです。」
「 そうだったのですか。これが代金です。」

 女性から、代金としてお札を数枚渡し、占い師は結果の紙を渡す。
女性が不安と期待、そして恐怖、それらがまぜこぜになった表情を浮かべ、少し興奮気味に占い屋を去って行く。
一仕事終えた占い師は、部屋の奥に向かった。そこでは、共同経営者の、眼鏡の青年がパソコンで書類を作っていた。
 この青年は、半年ほど前、この占い屋にお客としてきた時スカウトされて、この占い屋にいた。
青年は、小説家志望で文は上手いのだが、暗い話しか書けないのでどうにかして欲しいと相談に来たのだ。
 そんなこと、プロの小説家に聞けといいたかったが、その時占い師はひらめいた。
そうして生まれたのがこの占いだ。
占い師が、巧みにお客の素性を喋らせ、マイクで聞いている青年が、それを文章にする。
青年の書く、生々しく寒気のするような文は、読んだ人を震え上がらせるに十分だった。

「 しかし、毎回暗い話ばかりでいいのでしょうか?」
「 いいんだよ。もしも、なんて聞きに来る人間は自分は間違って無かったと、聞きにきているだけなんだから。
もしも、で幸福になると言ったら、怒って怒鳴り込んでくるヤツもいるだろうさ。」
「 たしかに、そうですね。」

そう他人の不幸は蜜の味。
違う選択肢を選んだ自分はもう、他人なのだから。 



















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