わたしたちが長生郡市の合併協議を通して学んだものは?
あじすっか=どうしたらよいだろうか(地域の言葉も大切にしたい)
あじすっか(一宮町発) 地域・生活者を起点に地方分権型社会へ
住民投票 Q&A
住民投票条例について、一般的なQ&Aをまとめてみました。
なお、「市町村の合併の是非」は議員自身の利害と直接ある事柄なので、「議会の議決」より「住民投票」のほうがふさわしいと考えますが、皆さんはどうお考えでしょう。
Q1.日本の政治は、間接民主制で行われています。民主的に選ばれた議会の議決よりも住民投票の結果を尊重することは、間接民主制の否定になるのではないでしょうか。
A1.近代政治の基本は、代議員制民主主義=間接民主主制だということを前提としています。しかし、日本の政治は、間接民主主制だけで成り立っているわけではありません。
国政でいえば、日本国憲法は、改正の賛否は国民投票によって決定されます。これは、直接民主制です。
自治体政治においては、首長は遊民の直接選挙によって選ばれます。そして、住民は、選んだ首長や議員、主要な公務員をリコールすることもできます。また、条例の制定や監査の請求もおこなえます。
これらは、国政と自治体政治と制度上の大きな違いですが、すべて直接民主制によるものです。このように、わが国では「直接民主制は認められている」のです。
Q2「住民投票が行われて『議会意思』と違う結果が出され、そのとおりになると、議会が否定されることになる。民主的に選ばれた議会を無視するのは、民主主義を否定することになるのではないですか。」
A2.もしもそのよう結果になったとすると、住民投票によって否定されたのは、民意を反映していなかった『議会意思』です。議会や民主主義が否定されたのではありません。
本来、民主主義は自分に関わることを自分たちで決めるという自己統治を意味します。
だから、民衆が自ら考え、議論をしたうえで、事柄を決定する直接民主主義のほうが、民主主義の基本といえます。
歴史的に見て、議会制とは、民衆全員が集まって話し合うことが難しいという規模の問題などから、便宜的に導入された制度です。民衆の代表者によって構成される議会は、民衆が使うはずだった決定権を信託されているのにすぎないと考えられます。
Q3.「議会が機能しないのも、もとをただすと有権者の選択が悪いからではないでしょうか。民意と議会意思の『ねじれ』も、選挙の際に、有権者が自分の考えと一致している人を議員に選ばないからこそ起きる問題です。住民投票の実施をあれこれ言う前に、水準の高い選挙をすればいいのではないですか。」
A3.『水準の高い選挙』だけで『ねじれ』の解消はできるのでしょうか。
ある候補者の政治的な見解が、すべての事柄において、有権者の意思と同じであることはほとんどないのではないでしょうか。また、議員を選出した後に、重要な案件が持ち上がることも多々あります。
有権者の意思を、政党や政治家が代表しきれるのかという問題は、間接民主制に内在する課題です。選挙で投票した候補者の意思と、自分の意思が違っている場合、自分の意思にしたがって住民投票すれば、こういった矛盾を避けることができます。また、示された結果が、議会の多数派の意思とは異なるものになった場合、行政側が住民投票の結果の方を尊重すれば『ねじれ』は、解消できます。
Q4.「大衆とは一時の感情やムードで行動したり、メディアによって操作される存在なのであって、合理的な判断などできないでだろうから、重要な判断をまかせることをしては、いけないのではないでしょうか。民主主義と称して誤った判断をさせないためにも、能力のある代表者が、賢明な決定をするべきではないでしょうか。」
A4.このような考えを「衆愚政治」論といい、20世紀前半のヨーロッパで議論されています。現在の日本では、それぞれの地域ではどうでしょう。
新聞、テレビ、さらにインターネットの普及により、当時のヨーロッパとは違う状況にあります。様々な情報を獲得する機会や能力は、圧倒的に増えています。それを検討するための教育水準や判断能力も高いのではないでしょうか。
住民投票を行ったところでは、問題となっているテーマについて、数多くの勉強会が重ねられ、いろいろな場面で、街づくりや地方自治、さらに生き方についてまで、話し合われているそうです。社会に対して自分が影響力を及ぼす手段や機会が与えられると、情熱と責任をもってそれらと向き合い行動するようになります。
住民投票は、案件についての情報を十分に得たうえで、よく学び、よく考え、よく話し合って結論を出し、脅しや利益誘導に左右されることなく、一票を投ずる。そういう「知恵と勇気」の票で投票箱がいっぱいになるように、皆が努力することにも価値があります。
Q5.「様々な案件で住民投票をやっていたら、決まるものも決まらなくなってしまうのではないでしょうか。」
A5.住民投票は、間接民主制を補完する制度です。
市町村の合併についての住民投票は、地方公共団体の存立そのものにかかわる重要な問題であること、地域に限定された課題であることから、適切な方法です。また、総務省も、地域に議論を喚起し、住民主体の合併につながると評価しています。
しかし、多数者が少数者を抑圧したり、迷惑施設を他の地域に押し付ける手段とするのは、ふさわしくありません。
なお、「市町村の合併の是非」は議員自身の利害と直接ある事柄なので、「議会の議決」より「住民投票」のほうがふさわしいと考えますが、皆さんはどうお考えでしょう。
Q1.日本の政治は、間接民主制で行われています。民主的に選ばれた議会の議決よりも住民投票の結果を尊重することは、間接民主制の否定になるのではないでしょうか。
A1.近代政治の基本は、代議員制民主主義=間接民主主制だということを前提としています。しかし、日本の政治は、間接民主主制だけで成り立っているわけではありません。
国政でいえば、日本国憲法は、改正の賛否は国民投票によって決定されます。これは、直接民主制です。
自治体政治においては、首長は遊民の直接選挙によって選ばれます。そして、住民は、選んだ首長や議員、主要な公務員をリコールすることもできます。また、条例の制定や監査の請求もおこなえます。
これらは、国政と自治体政治と制度上の大きな違いですが、すべて直接民主制によるものです。このように、わが国では「直接民主制は認められている」のです。
Q2「住民投票が行われて『議会意思』と違う結果が出され、そのとおりになると、議会が否定されることになる。民主的に選ばれた議会を無視するのは、民主主義を否定することになるのではないですか。」
A2.もしもそのよう結果になったとすると、住民投票によって否定されたのは、民意を反映していなかった『議会意思』です。議会や民主主義が否定されたのではありません。
本来、民主主義は自分に関わることを自分たちで決めるという自己統治を意味します。
だから、民衆が自ら考え、議論をしたうえで、事柄を決定する直接民主主義のほうが、民主主義の基本といえます。
歴史的に見て、議会制とは、民衆全員が集まって話し合うことが難しいという規模の問題などから、便宜的に導入された制度です。民衆の代表者によって構成される議会は、民衆が使うはずだった決定権を信託されているのにすぎないと考えられます。
Q3.「議会が機能しないのも、もとをただすと有権者の選択が悪いからではないでしょうか。民意と議会意思の『ねじれ』も、選挙の際に、有権者が自分の考えと一致している人を議員に選ばないからこそ起きる問題です。住民投票の実施をあれこれ言う前に、水準の高い選挙をすればいいのではないですか。」
A3.『水準の高い選挙』だけで『ねじれ』の解消はできるのでしょうか。
ある候補者の政治的な見解が、すべての事柄において、有権者の意思と同じであることはほとんどないのではないでしょうか。また、議員を選出した後に、重要な案件が持ち上がることも多々あります。
有権者の意思を、政党や政治家が代表しきれるのかという問題は、間接民主制に内在する課題です。選挙で投票した候補者の意思と、自分の意思が違っている場合、自分の意思にしたがって住民投票すれば、こういった矛盾を避けることができます。また、示された結果が、議会の多数派の意思とは異なるものになった場合、行政側が住民投票の結果の方を尊重すれば『ねじれ』は、解消できます。
Q4.「大衆とは一時の感情やムードで行動したり、メディアによって操作される存在なのであって、合理的な判断などできないでだろうから、重要な判断をまかせることをしては、いけないのではないでしょうか。民主主義と称して誤った判断をさせないためにも、能力のある代表者が、賢明な決定をするべきではないでしょうか。」
A4.このような考えを「衆愚政治」論といい、20世紀前半のヨーロッパで議論されています。現在の日本では、それぞれの地域ではどうでしょう。
新聞、テレビ、さらにインターネットの普及により、当時のヨーロッパとは違う状況にあります。様々な情報を獲得する機会や能力は、圧倒的に増えています。それを検討するための教育水準や判断能力も高いのではないでしょうか。
住民投票を行ったところでは、問題となっているテーマについて、数多くの勉強会が重ねられ、いろいろな場面で、街づくりや地方自治、さらに生き方についてまで、話し合われているそうです。社会に対して自分が影響力を及ぼす手段や機会が与えられると、情熱と責任をもってそれらと向き合い行動するようになります。
住民投票は、案件についての情報を十分に得たうえで、よく学び、よく考え、よく話し合って結論を出し、脅しや利益誘導に左右されることなく、一票を投ずる。そういう「知恵と勇気」の票で投票箱がいっぱいになるように、皆が努力することにも価値があります。
Q5.「様々な案件で住民投票をやっていたら、決まるものも決まらなくなってしまうのではないでしょうか。」
A5.住民投票は、間接民主制を補完する制度です。
市町村の合併についての住民投票は、地方公共団体の存立そのものにかかわる重要な問題であること、地域に限定された課題であることから、適切な方法です。また、総務省も、地域に議論を喚起し、住民主体の合併につながると評価しています。
しかし、多数者が少数者を抑圧したり、迷惑施設を他の地域に押し付ける手段とするのは、ふさわしくありません。
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