加納久宜没後90年（番外2） 「日本農政の父」が旧一宮町農業協同組合の創立者

長生農協十年史（昭和６０年）では、　

一宮町農業協同組合は、結成以来千葉県でも有数の事業実
績をあげ、組合員とともに農業近代化の推進に努力してき
た。ことに新しい村づくりに先駆者的役割を果たした。

と、一宮町の農業経営の伝統と成果を高く評価しています。

そしてそのその背景として、

この組合の発展向上は、創立者加納久宜子爵の指導による
ものであり、その理念は歴代組合長に引き継がれている。加
納久宜公は、産業組合、帝国農会の創立にあたり尽力、帝国
農会の初代会長、また一宮町長、一宮町信用組合長もつとめ
られ、日本農政の父と仰がれていた。

と、加納久宜を「日本農政の父」として高く評価しています。

今年は、加納久宜元町長の没後９０年です。

一宮町教育委員会では、「おらが町探検隊　文化財保存体験」として
毎月第４木曜日に、町の文化財の掃除をしています。
誰でも参加できます。

ちょうど２月２６日は、祥月命日にあたり
城山の「加納久宜公の墓」の清掃をします。
玉川孫一郎町長も参加する予定です。
（蛇足：新聞社の取材もくるようです）

全国の農政にかかわる皆さん、農業にかかわる皆さん、
そして、農作物を食べる皆さん（私を含めて）とともに、
手を合わせたいと思います。合掌。


ＪＡ長生は、平成13年1月千葉県11ＪＡ構想に基づく広域ＪＡとして、「長生農業協同組合」と「もばら農業協同組合」とが合併し発足した大型ＪＡです。
「長生農業協同組合」は昭和51年１月に郡内５町１村の８農協が広域合併して誕生しました。（昭和61年７月に茂原市本納農協と２次合併）
この「長生農協十年史」は昭和６０年に発行されました。

「日本農政の父」の「理念」が現在も受け継がれているのであれば、ＪＡ長生の関係者も参加していただけるものと、期待しています。

もしも「もばら」との合併などで忘れ去られてしまって、ＪＡ関係者の参加が少なかったとしてもしかたがありません。

現状をそのまま受け止め、「加納久宜研究会（仮称）」として、この十年でその「農業経営」の他「教育」「地方自治」などの「理念」や「実績」を掘り起こしたいと思います。
没後１００周年の２０１９年２月２６日には、多くの人が一宮町の「城山の加納さんのお墓」を訪れるようになることを願っています。

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<blockqoute>長生農協十年史　長生農業協同組会（昭和６０年１１月２５日発行）より

一宮町農業協同組合

旧一宮町農協
　一宮町農業協同組合は、結成以来千葉県でも有数の事業実
績をあげ、組合員とともに農業近代化の推進に努力してき
た。ことに新しい村づくりに先駆者的役割を果たした。
　この組合の発展向上は、創立者加納久宜子爵の指導による
ものであり、その理念は歴代組合長に引き継がれている。加
納久宜公は、産業組合、帝国農会の創立にあたり尽力、帝国
農会の初代会長、また一宮町長、一宮町信用組合長もつとめ
られ、日本農政の父と仰がれていた。
　一宮町農業協同組合の前身は、有限責任一宮町信用組合
で、その事務所は一宮町二九六〇番地（現在の実本寺）　にあ
った。創立は明治四十年九月三十日で、千葉県知事から設立
認可を受けて業務を開始した。

農地改革と農協の設立
　戦後の農村で最大の変化は農地改革である。農地改革は地
主制度を廃止し、農村の民主化を進めるもので、政府が地主
から農地を買いあげ小作農に売り渡す方法がとられた　（田一
反歩七〇〇円、畑四五〇円程度で買い取られた）。土地を耕
すものが、労働の果実を享受する平等な機会をもつととを保
証するというものである。
　この民主的な流れのなかで、農業協同組合法が公布、施行
された。目標は農業生産力の増強と農民の社会的、経済的地
位の向上をはかることであった。農協の設立は、働く農民に
農地解放せ恒久的に維持発展させ、農業生産の増大に向け、
協同の力を発揮することとなった。
　昭和二十二年十月三日、一宮町農業協同組合設立推進協議
会が一宮町長田中周氏によって招集された。参力者は農業関
係の各種団体長、またはその代理などで四八人であった。同
二十三年一月十日、設立準備会を一宮小学校講堂で開催、席
上小高倉之助氏以下二〇人の定款作成委員が選ばれた。</blockqoute>