Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

Beaujolais nouveau 2007

2007年11月16日 | Good Food Fine Wine

                今年もまた、11月の第三木曜日がやってきました。

毎年10月にはボージョレに先駆けて、我が安心院の新酒が解禁になりますが、今年のヌーヴォーはポルト酒のように甘くて実にびっくりでした。

一方、前評判も上々だった今年のボージョレ・ヌーヴォー。私たちが戴いたものは、決してスーパーで売っているもののように水っぽかったりせず(笑)、バランスの取れた味わい。「今までボージョレ・ヌーヴォーを美味しいと思ったことがない」と、買うのに乗り気でなかった母をも納得させる秀作でした。

ちょっと素敵な出会いがあり、今年はこのルイ・ジャド社のヴィラージュが我が家にやってきました。
もう決めてレジに差し出していたものがあったのに、気がつくと私は違うボトルを手にしていました。派手で鮮烈なラベルのヌーヴォーたちに紛れてひっそりとしていたこのエチケットのデザインに、私はなぜか、土壇場で呼ばれたのでした。
「これ、評判いいですよ」とまだ若いお酒屋さんのご主人の勧めてくださる言葉をきいて、予算ピッタリしか手に持っていなかった私は「これにします。もう千円持ってきますね」と走って車に戻りました。

…いつも車で通る道沿いに新しい酒屋さんができたのは、今年の春頃だったでしょうか。前の週、まるで工事現場の詰め所のようなプレハブが立ったかと思ったら、次の週にはもう売り出しの真っ赤なノボリが、道に沿ってはためいていました。

いつか行ってみようかなと思いつつ、こと酒類の必要に迫られることのないまま半年が過ぎました。

            


今年の夏はご存知の猛暑だったので、我が家では幾度となくフレッシュのレモンを絞ったレモンスカッシュを作って暑さをしのぎました。いやなに、マドレーヌを焼くときにレモンの皮をすりおろして使うのですが、肝心の中身は使われないままどんどん冷蔵庫の野菜室にたまってしまう。どうしたものか、と考え出したのが、レモンスカッシュだったというだけの話ですけれど、それを作るのに炭酸水が必要なわけです。

とある日の夕方、炭酸水だけを買い忘れてスーパーを出てしまい、ある程度行ってしまってから思い出して、ちょうど例のお酒屋さんの近くを走っていたものだから、ちょっと炭酸水だけを買いに寄ってみたのでした。

「あのぅ、炭酸水なんて置いてますか?」と店に入っていくと、私と同年かもう少し上ぐらいの女性がレジにいて、にこやかに対応してくれました。彼女が炭酸水のボトルを取りに行く間、プレハブの店内のを見回してまず目に入ってきたのが、コカコーラの冷蔵庫の上に無造作に置かれたドン・ペリニョンのボトル。あまりに不釣合い…といっては失礼ですが、それがなんとも新鮮で、私は不思議な好感すら覚えたのでした。

「冷えていないんですが…」と彼女が出してきてくれたのは、ウィルキンソンの炭酸水でした。国道沿いの小さなプレハブで20代の思い出がフラッシュバックのようによみがえり、私はなにやら妙にノスタルジーに駆られて、キンと冷えて汗をかいたコロナを2本、追加でレジに出しました。

それから私は、爽やかで笑顔が素敵なご夫妻の切り盛りするその酒屋さんに、幾度となく立ち寄るようになりました。ポストシーズンも終わってしまって、すっかり静かになったスカパーの中で興味のあるチャンネルを探すうち、ワインの特集番組に出会い、もうずっと忘れていたワインの世界への思いがよみがえってきた頃でもありました。
                      <たa>

 そして年に一回のワインのお祭り、11月の第三木曜がやってきた。今年はネットで手配したりせず、このお酒屋さんでお世話になろうと決めていました。

奥さんが、「あ、おつまみもついています」と言って追加してくれたのは「笑うウシ」のフレーバーチーズ。その横からご主人が「これもこれも」と、ボトルを入れた袋になにか滑り込ませてくれました。
家に帰って中を見ると、それはワインレッドのソムリエナイフ。「笑うウシ」に舌鼓を打つ子供たちの横で、思わず「うわぁ…」と感嘆詞がこぼれました。

実はここ数年の度重なる引越しで、以前持っていたシャトー・ラギオールがどこかへ行ってしまい、新しいものも買う気になれず、ワイナリーでオマケについているT字のコルクスクリューをずっと常用していました。開けばいいや、と思っていたのです。
…でも、やっぱりずっと、どこかで恋しかったのです。ラギオールでなくてもいい、ソムリエナイフというやつが…。

さっそくルイ・ジャドを、いただいたソムリエナイフで抜栓。懐かしい手ごたえと共にやさしくコルクが抜けました。グラスに注がれた新酒の美しいこと、その芳香の麗しいこと…。
  
           

            新たなる素敵な出会いと、思いがけぬ再会に、乾杯です。






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2 コメント

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ルイジャド (なおみん)
2007-11-23 23:53:21
某飛行機会社のビジネスクラスでも
利用してましたよ。

今はちょっとわからないけどね・・・。
(ドメスティックな生活だからさ

にしても美しいワインの写真にうっとりしてます・・・

ソムリエナイフ、使えるなっちゃんが羨ましい。
かっこいいよね、あれで開栓できるとさ・・・。
シャトーラギオールなんて持ってたのね!
スゴイ!

ウイルキンソンは、ジンジャーエールが大好き!
3年前から夏はウイルキンソンの瓶入りジンジャーエールを買いだめしてました。
もちろんドライのものをね。
飲んだことある?

最近はスーパーでも随分見かけるようになったから
ミクシーに書かなきゃなぁって思ってたところでした。

また大分に行った時はおいしいものを食べて
なっちゃんと色んな話をしたいなぁ・・・。


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さすがッ (店主)
2007-11-24 10:53:01
そっか、さすが某社!そういえばなんとなくビジネスクラスって感じのワインだよね(思い込みか??)
「以前仕事で使っていた」アイテムって、なんかすごく特別よね。味はよ~く知ってるはずなのに、店頭とかで見かけると、つい買ってしまったり…
私もワインをサーブしていた頃の店のリストにあったワインなど、ついつい目に付いてしまいます。なんだか身内みたいな気がしてね。

ソムリエナイフは、簡単だよ!なおみんならすぐ使えるようになるよ~♪
ラギオールは、おれっちはカタチから入る人間なのでついつい買ってしまったのだが、一緒にやってた大先輩のワインアドバイザーが、それこそ景品みたいなソムリエナイフを使ってて、「けっこうこっちのが使いやすいぞ」と笑ってたのが、今となっては印象的です。一流の人が使えば、何でも一流なのね…三流の私に使われてたラギオールがかわいそうじゃ。(だから家出しちゃったのかも…)
それにしてもこんなに使いやすい立派なソムリエナイフを、タダでくれてしまうご時勢なのね。なんだかんだいっていい国だよ、ニッポン。

ウィルキンソンは、実はジンジャーエールしか知らなかったの(笑)これも以前勤めていたカフェ&バーで、カクテル用といえばコレだった。
カ○ダ・ドライを飲んで育った舌には、カライ!!って感じだったけど、慣れるとむしろこっちでないとダメッ!て感じだよね。
今回初めて炭酸水を出してもらって、デザインも素敵で、ヒトメボレだよ~なおみんも探してみて!

先週のなおみんとの記事は、実は今編集中!
足元ぽかぽかしつつ、ウィッタードいただきながら書いてます!おいちー
さてさて、では編集画面に入るべし!
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