“おや、この人の名前、うちの母と一字違い…”
TVガイドを眺めながら、何気なしに予約録画した番組が、思わぬ感動を運んでくれた。
NHKの"プロフェッショナル・仕事の流儀"をご存知だろうか。各界のプロフェッショナルを招き、その生き様と仕事への姿勢にスポットを当てる45分間の番組だ。
その"プロフェッショナル"の今週の主役が、ソムリエ・佐藤陽一氏だった。
日本でのソムリエコンクールで頂点を極めた佐藤氏は、多くのソムリエたちが高級ホテルなどに属するのと違い、毎日自分の小さなレストランで、たった一人で給仕をしている。ホールの掃除も窓拭きも、テーブルセッティングも、彼ひとりでするのだという。自分でしなければ不安だからと、ワインを注ぐグラスを拭くのもすべて彼自身。
店のセラーにそろっているワイン600種のすべてを把握し、来店した客たちをきめこまかく観察し、どんなワインを所望しているかを感じ取っていく。
“お客様を楽しませる主役は、あくまでワイン”と、媚びたり過ぎたりするサービスをせず“脇役”に徹している。
そんな佐藤氏が、三年に一度開かれるソムリエコンクールに名乗りをあげた。'95年に田崎真也氏が優勝して以来、日本人が優勝したことのない世界大会。
プライベートでは二児の父である佐藤氏。休日にはよき父の任を担う。毎晩0時を過ぎる終業時間。忙しい中を縫ってワインの勉強、そして、いよいよその日がやって来る。。。
樽の中のワインが熟成していくように、自分の人生も熟成に向っていけたら…そう語る佐藤氏の座右の銘。
"ゆっくり行く者は遠くへ行く(Qui va lentement va loin)"…フランスの諺だそうだ。
(↑しかし、実はイタリアだそうです!↑)
ここのところ、どうも自分の心がざわざわしているのに、少し前から気づいていた。“ないもの”や“得られなかったもの”に心を奪われている自分に気づく。翌日に引きずるような夢を、毎晩のようにみる。
自分の人生が大きな力に守られ、導かれていると知っていながらも、今の自分に対する不満を拭うことができない。自分の人生が“自分が思ったように”進まなかったことに対する敗北感。そこから続く、漠然とした未来への不安。。。
けれども、“ゆっくり行く者は遠くへ行く”のならば、自分のこんな人生も何か意味があるのかもしれない。
生きることに不器用だと感じることがしばしばの自分のこんな人生も、あせらず、慌てず、“今”に感謝し、“あるもの”に感謝してゆっくり歩むとき、どんな遠くに、どんな“熟成”にたどり着けるのかは、まだ、未知数なのだから。
“どこにたどり着くのかは、死ぬ時までわからない。”
そう語って豪華なホテルのレストランから遠ざかり、今夜もたったひとりで客を迎えているのであろう佐藤氏。そのこれからを応援しつつ、自分もまたプロフェッショナルな意識を忘れずに行きたいと、思わされた夜だった。
この番組は来週、再放送があります。ご興味を持たれた方は、ぜひどうぞ…
プロフェショナル・仕事の流儀 ソムリエ・佐藤陽一
2007年6月26日(火)午後4:05~午後4:50 (NHK総合/デジタル総合)
2007年6月27日(水)午後5:15~午後6:00 (NHK BS2)
mixiもゆっくり見たいのだけど、最近とみにちょろちょろ動きが活発になった次男の動向から目が放せず、(ご存知の通り、段差の豊富な我が家、色んなところからすぐ落ちるのね)なにもしていないのに時間ばかりを食う毎日…。
ほんとうにね、こんな毎日だと自分が全世界から取り残されているような錯覚に陥るよ。
みんながどんどん前に進んでいくのに、なんにもできないまま日々が過ぎるのね。
そうすると、あの時ああすればよかったとか、あの時選ぶ道を間違ったのでは…とか、ミョーに後ろ向きになったり、限りなく将来に不安が広がったり…
でも、神様が私の人生をコーディネイトしてくださるんだから、今はこれでいいんだよね。
遠くに行く(最終目的地は天国だし!と、遠い!)のだから、いまはのようにゆっくり行くわ。。。
に時あり、に時あり…主の時は美しいんだものね。
神学校の校長先生に奨められて、
みていますー
超一流には、必ず忍耐、努力が
詰まっているよね。
本人は夢中で楽しいのかも知れないけど、
集中力を感じます。
gabbieさん、今の貴重な時期を、
ゆっくりと味わって、
大きく花開かれるんだとおもうわー
訓練の時、
どうか、感謝と喜びで過ごせますように
コメントを残してくださってありがとうございます!とっても嬉しいです
検索でたどり着いてくださったというのが、また嬉しいですねぇ。。。実は私もこの記事を書く前に、同じ言葉で検索をかけてみてました。。。(それにしてもイタリア語だったなんて。。。その違いも見抜けませんでした。ガックリ。直しておかねば。ありがとうございます)
佐藤さんの眼ですね、私も思っていました。特に茂木さんにワインを出した後、反応をうかがうときの眼たるや。。。
人として、あんな風に熟成していきたいと、思わされました。。。
ぜひまたご来店くださいね。わたしもこれからねこマーシャルさんのところにお邪魔してみまぁす
きっとあの番組を見ると、さらにそう感じてしまうかも知れないよ~(見逃したら、DVDにお焼きします。)
なんにしても、自分の道をしっかり踏んで歩む人はかっこいいよね。私は何についても挫折してきた、持続力のない人間なので(苦笑)、ひとつのことを地道に継続してできる人、そしてそれを極めることのできる人を尊敬してしまいます。
一着の洋服を最後まで作りあげてしまうなんて、家庭を持続できているなんて、本当にすごいことだよ。私は心からそう思うよ。ね、aquaちゃん。
佐藤さんの言っていたフランス(実はイタリア!?)の諺が気になって検索したらたどり着きましたので
コメント残します。
私はあの番組で印象に残ったのは
佐藤さんの目です。
司会の二人がワインを選んでくれと言った瞬間に
鋭い眼差しに変わりました。
一流は眼で物を言うのだと
つくづく思いました。。
と気づかされました。
いろんなことが楽しくて
恵みもあるけれど
ふと 立ち止まって
見つめたり
何かに向かって 孤独に極めたり。
貴重な事です。
欲してます。
その再放送 見たいなー。