Gabbie's Cafe

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Midsummer night's dream

2017年08月05日 | Season's Special


昼間の熱気がまだたち残るアスファルトを蹴って、自転車で隣町の神社を訪ねたのは
神様が誘ってくれたから。

自分の町の盆踊りは、毎年小学校の校庭を広く使って盛大におこなわれるから、細い参門の奥の、決して広くない境内にところ狭しと詰めかける、大勢の人たちに少し驚いた。
地元の町内会の青年部の人たちが、毎年力を合わせて櫓を立て、提灯を渡しているのだとか。

盆踊りを訪ねるキッカケをくれた人も、その仲間のひとり。地元の人ではないのに、わざわざ週末を押して毎年参加するという。
いつもの真面目顔とは違う一面を垣間見に、行ってみようと思った。

「お疲れさまです、タイガース勝ちましたよ!」
テントの外から声をかけると、歓迎の笑顔とともにビールを勧められた。乗り出しそうになった私に、
「いいんです、この人もう昼間ロング缶1本開けてきたんで。それにアナタ、自転車でしょ!」
とすかさずTが釘を差す。
「スゲェかぁちゃんだなぁ!」
そして、みんな、笑顔。

…「捨てる神あれば拾う神あり」
むかしの人はうまいこと言ったもんだ。
私にとっては「主は与え、主は取られる」だけど。

失ったものを回復してくださるのも、傷を包み癒してくれるのもまた、その主なる我が神。
主は我が羊飼い。私には、乏しいことがない。

人の目には完全に切り離されたと思えるものが、実は神の目にはちゃんと繋がっていたり…。
別方向に導かれているようで、目指してた道から外れて空白の時を送っているようで、主なる神は、決して私の祈りを忘れてない。
祈って下駄を預け、私自身も忘れてしまった求めを、「忘れてないよ」とばかりに、突然ある時引き戻してくださる神。

家までの帰路、私がもうずっと忘れてた道を、去年の夏に開拓したんだ、とTが選んで先導してくれた。
まだキミが赤ん坊の頃、あそこの写真館で家族写真を撮ったことがあるよ…そんな話をしながら、途中駅前に寄って缶ビールとジュースを買い、クーラーつけっぱなしで出掛けた部屋に到着。
ベッドに投げ出したiphoneの画面に、短いメッセージ。

突然
電話できる?