Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

シュトーレン

2005年12月22日 | Cafe Sweets

親愛なる友人れ。の紹介で、今年のクリスマス、我が家にはドイツの伝統菓子“シュトーレン”が届きました。高山のブーランジェリーから宅急便で届いた包みをわくわくしながら開くと、そこには品のいいモスグリーンの箱に金のリボン。金字で“Joyeux Noel”(フランス語でメリークリスマス)と書かれています。中からは、真っ白な粉糖に身を包んだ正真正銘の“シュトーレン”が…。

フランスのブッシュドノエル、イタリアのパネトーネ、イギリスのクリスマスプディング、そしてもちろん日本のイチゴのショートケーキ…どれも大好きなクリスマスのケーキたち。
Gabbie’sでは、製菓学校で学んだレシピをベースにしたモカ風味のブッシュドノエルを、毎年いくつも作っていました。注文をいただいたりお店に卸したりと、この時期は寝る暇もないほどで大変でしたが、本当に楽しかった。

初めてシュトーレンに出会ったのは、オランダのアムステルダムでした。ヨーロッパのターミナル的な場所であるこの美しい町は、まさに人種のるつぼと言いましょうか、さまざまな国の人とその人たちの多様な文化で溢れていました。中央駅を中心としてちょうど分度器のように張り巡らされた運河沿いに、アンネフランクの家や、レンブラントの家があったりします。
一文無しのバックパッカーとしてこの町に流れ着き、十年来疎遠だったキリストと再会して人生の方向転換に至る経緯は、またいつかゆっくりお話しするとして…(笑)、そう、シュトーレンです。
この時期のオランダは本当に寒く、吐く息も凍るほど。そんな外出から帰ってくると、友人のいれてくれたマシュマロ入りの熱いココアであたたまったものでした。そしてそのお茶の時間に、薄ーくスライスして出されていたのが、シュトーレン。もう十年も前の、少しかすれてしまった記憶です。
キリストの飼い葉おけをかたどったといわれる、ドイツ生まれの伝統菓子。洋酒漬けのドライフルーツやナッツがたっぷり入っていて、噛み締めると生地の豊かな風味が口に広がる。フランス菓子のような華やかさはないけれど、そこには確実にクリスマスを祝う心が焼きこまれていると感じることができます。

去年のクリスマス、愛するsunny daysで可愛らしい小さなシュトーレンに出会いました。買い物の包みに、心優しい店主がそっと入れてくれた手作りのシュトーレン。
小さいながらも、マジパンペーストの入った本格派でした(このペーストの部分が、飼い葉おけに寝ているイエス様なんだとか…)。
今年も、あの可愛らしいシュトーレンは、sunnyの店先でクリスマスをお祝いしているでしょうか…。

外は一面の銀世界。今年すでに三度目の積雪です。Tが起き出して、雪にはしゃぎ始める前のほんのひととき、クリスマスの恵みを思いつつ、高山からのシュトーレンを切ろうかな…。

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