GABACHOP〜あがんにゃな日々〜

趣味について、日記がてら。

人として軸がぶれている

2007年08月25日 | POP & ROCK

 大槻ケンヂが率いるパンクロックバンド「特撮」。筋肉少女帯の復活とともになりを潜めていたのだけれど、久々に新作を発表した(名義は“大槻ケンヂと絶望少女達”だけど演奏は特撮メンバー)。



 『人として軸がぶれている』。(いろんな意味で)激しく言いづらいタイトルに意気消沈しながらも、なんとか予約して入手することに成功。

 どうやらアニメの主題歌らしい。『さよなら絶望先生』という名のそのアニメを検索してみた。ストーリーを要約すると、何事もネガティブにしかとれない自殺癖のある先生が自虐的に繰り広げる学園物、らしい(見たことないんで違ったらごめんなさい)。

 どっかで見た性格だなあ。

 まあ、アニメの方は見る機会がないだろうし、興味もないので放っておいて、肝心の曲の方である。

 “わかったぜ 報われぬ そのわけ 人として 俺、軸がぶれてんだ”

 そんなネガティブさと居直りにまみれた情念あふれる歌詞が、パンクロックwithピアノな特撮サウンドに絶妙にマッチ。笑いとせつなさ、そしてなぜか怖さすらも感じられる、素敵なトラウマパンクロックに仕上がっている。

 一般人にはオススメしないけど、このブログを見てそこそこひっかかってくれるような微妙な琴線を秘めた方には推奨。

 試聴はこちら。ようつべ動画につきリンク切れご容赦&内緒の仕事で・・・。



シグルイ

2007年08月22日 | マンガ

 気持ち悪そうなカバー絵のせいで読まず嫌いしてたけど、間違いだった。

 前橋の漫画喫茶で読んだ『シグルイ』(漫画:山口貴由/原作:南條範夫)。



 江戸時代。すごく強いけどキ***な老剣士と、めっぽう強くガチガチにまじめなその弟子と、破門になった上に視力を奪われ復讐に燃える元弟子が、あんなこんなでグッチャングッチャンに斬ったり斬られたり。そんなお話。

 腕がもげ、首が飛び、腸がはみ出る、なんてのは朝飯前な残酷描写が特徴だけど、劇画と少年漫画の両面を併せ持ったような独特なタッチで描かれているため、嫌悪感は少ない。むしろ、斬っても斬られても血の一滴すら流れない昨今の時代劇に比べて、違和感が少ないというか。

 小難しい理屈やひねりがないシンプルストーリーながら、それが剣一筋に生きる登場人物の強さや個性を、より際立ったものに仕上げている。

 三国志や西遊記のトンデモアレンジ作品(中国の事悪く言う資格ないよね)が氾濫している反吐が出そうな昨今、こういう一本筋が通った硬派な(いや、別の意味でトンデモだけど)時代劇まんがが、とても愛おしく思る今日このごろ。

 なお、現在(07年8月現在)アニメも絶賛放映中(ようつべ)。残酷描写をどう表現するのかと思ったら・・・。モザイクかよ!

 恐れ入りました。




バリ島-3

2007年08月18日 | 日記・コラム

 後半部に若干、人によっては抵抗を感じる恐れのある内容が出てきます。とくに食事中や、食後間もない方はご注意ください。

 ジャカルタ観光二日目の夜、再びバリ島に戻る。

 夜食に空港で食べたミックスサンドの生野菜にビクビクしながら、なんとかその日のうちにデンパサールに到着、初日にも泊まったホテルにバスで向かう。

 先の宿泊時にいろいろと問題が続出した宿だったので気が重かったが、前回よりはるかにましな部屋に当たり一安心。ちゃんとお湯が出るのがすばらしい(朝は水しか出なかったが)。

 翌日は午前中がフリータイム。後輩とともに近所の街中を練り歩く。今回は猫グッズ収集という、三十路前ギリチョンの独身男にとってある意味チャレンジとも言える目的を掲げていた僕は、数ある勘違い土産ショップの中から、数件のセンスあふれるショップを見つけ出し、猫まみれなショッピングライフを繰り広げた。ニャー。


バリの郵便局。

 その後、後輩が泣いて土下座して懇願するので郵便局まで同行してやり、どうしてもというのでスタバでおごらせてやった。後輩思いの先輩である。


インドネシアのマクドは24時間営業。

 マクドナルドで昼食のビッグマックを購入、ホテルに帰って食し、出発までの間ホテルのプールでバチャバチャひとり寂しく泳ぐ。3メートルくらいの水深にうれしくなり、もぐっては底にタッチして浮かび上がる、を繰り返すこと10数回。しだいに飽きてきて、近眼のせいで水着のネーチャンを凝視することもかなわず、すごすご部屋に帰る。

 午後から再び団体行動。バスで向かったのは、どこぞの寺院。バスの中でガイドさんの説明があったらしいが、i-podのせいで聞けず。



 すごく由緒、というか宗教的意味のある寺院らしく、入場の際には帯や腰巻を巻かなくてはいけない。入り口で小額のチップを払いレンタルする。中にはいくつかの建物と猫。とりあえず猫を中心に堪能。そばを通りがかった犬に寄り添うも無視され寂しそうな猫に哀愁を感じた。ニャー。




犬に無視され寂しそうな猫。

 次に、銀細工の女流作家の工房見学。こちらは会社の仕事と関係の深い工房、なのかなあ。説明を当たり前のように聞き流していたためさっぱり不明。インドネシアの雄大な自然の中で聞くi-podは、この世のあらゆる事象よりも優先すべき行為なのである。



 建築家の旦那さんにプレゼントされたという工房と私邸は、日本で言うデザイナーズブランド風のデザインと、インドネシアの美しい世界観と相まって、無敵のかっちょよさだった。ゲストハウス(プールつき)も併設されているゴージャスっぷり。トイレも水洗だ!





 工房見学のあとは庭での食事会。地平線に沈む夕日を見ながらの晩御飯。・・・住みたい。正直デザイナーズブランドハウスは大嫌いなのだけど(大概ごちゃごちゃしててすぐ飽きる)、ここのはすばらしかった。



 大満足で、最後の目的地、大型免税店に向かう。こんなインドネシアに着てまでグッチやらヴィトン買う奴らは気が狂ってるとしか思えないのだけど(というか茶色のヴィトンバッグ自慢げに持ってるクソ女とは生理的に一生友達になれないと思う)、おいしい晩御飯が食べれて大層ご満悦な僕は、ニコニコしながらショッピングに興じる。



 購入したのはイカット織のテーブルクロスと、バティックのスカーフ。

 ふともよおしたのでトイレを探す。日本の高級百貨店並みの充実した内装のここなら、きっとトイレも綺麗なはずだ。案の定、今までのが嘘のような、素敵な外観。イエイ。嬉しくなって鼻歌まじりで個室に入り便器のフタをオープン。すると。

 ギャーッ!!!前の人のがプカプカ浮いてる~ッ!!!

 あわててフタを閉め、(臭わない程度に)深呼吸。流し忘れたのかと思い水洗レバーをひねるがニンともカンとも反応がない。まさか。そう思いあたりを調べると、やはり、水が完全にストップしていたのだ。

 広いショップ内の他のトイレもくまなくチェック。・・・だめだ、全部浮いてる。いや、ひとつだけ何も浮いてないのがあった。あったのだけど、変わりに****だった。あらためて、ギャーッ!!!こ、ここ、し、紳士用トイレだよなあっ!?

 ・・・恐るべしインドネシア。

 諸事情で帰りの飛行機が大幅に遅れ午前3時発になったので、時間つぶしに飛行場内のマッサージショップに1時間行ったら、逆に足にダメージをこうむってしまい、すごくせつない気持ちになったのだけど、先のトイレ体験に比べたらそうたいした問題ではない。
 
 まだまだ世界には未知の衝撃があふれている。心からそう痛感した次第である。


ここでは蛙が熊を襲う。



ジョグジャカルタ-3

2007年08月16日 | 日記・コラム

 早朝(朝4時)から街中に轟いた謎の大音量スピーチのせいでかなりの寝不足。一人旅ならこのままホテルで昼過ぎまで寝てるのだけれど(無駄寝大好き)、これはあくまで研修旅行。そうも言ってられないので、寝ぼけ眼をこすりこすりバスに乗り込む。



 まず向かったのはイモギリという土地。ジョグジャカルタ王室が管理する野生の蚕の餌(アボガド・マンゴ・グアバなど)の畑である。アスファルトで舗装されているものの、せまくて、やたら急斜面(四駆の車でギリギリ登れるくらい)で、しかもすぐ隣は崖なデンジャラスロードをドキドキしながら登って、ようやく到着。



 ここで植樹タイム。僕らの植えた苗が、将来のインドネシアの発展に一役買うというのだから感無量である(そういうことにしておく)。

 昨日の王女様との会食や、今回の植樹イベント、現地の新聞やテレビで取り上げられたみたいなのだけど、今となっては確認しようがございやせん。

 続いて、バティックの工房に向かう。昨日はショップで今日は工房。普通順番逆じゃねえの?まあ、いいけど。







 前にも書いたけど、バティックとはロウケツの染物。筒を使い糊で布地に絵を描き、糊の部分だけ染料が染みないように防染する技法のことである。一応業界人もどきとしては、それぐらいは当たり前に知っていたのだけれど、やはり実際に現場で見ると感動物。そのあまりに早い筒さばきは、はじめて漫画家のペン捌きをみたときの感動に近いとか、近くないとか(比べるな)。

 次にイカットの工房に向かう。先ほどのバティックはいわゆる染で柄を出す“染物”。こちらは先染めした糸を織ることで柄を出す“織物”である。





 一体何年使い続けてるんだ、と思わずつっこみたくなるぐらいの年季とハンドメイド感にあふれた織機が数台、ノンストップで動き続けている。

 織機には縦糸が数百本~数千本セットされている。足元のレバーを踏むと縦糸が上下するので、すかさず横糸をその隙間に通す。この作業を延々と繰り返し、数日~数ヶ月かけてようやく完成。自分は飽きっぽい性格なので、こういう(奥が深い)単純作業ができる人を正直尊敬。

 昼ごはんに、ガイドさんいわく「ケンタッキーよりはおいしい」という唐揚げ屋の唐揚げを胸焼けしつつ平らげる。いや、おしいしかったんだけど、日本のそれより明らかにやせ細ったチキンに、ちょっとせつなさも垣間見えたというか。



 その後銀細工の店へ。インテリ顔のくせに「萌え~」などのクソ日本語を使いこなす店長を尻目に、猫のブローチを購入。誰にあげるかって?それは秘密さ。ふふふ(・・・このまま行くと自分用?)。





 ガイドさんの顔を立てる意味で、どうでもいい絵画の店に寄ったあと、先日観劇の際に遠景を楽しんだブランバナン寺院の見学。昨年の大地震の爪あとが痛々しかったが、やはりその美しさと迫力は圧巻。日本の寺院や建造物も負けてないとは思うのだけど、なにかが違う。スケール感もそうだけど、なによりも空や森、夕日などにとにかく映えるのである。日本ではごく一部でしか見れなくなった「透き通る空間」が一因じゃないかと思う。改めて、自然は大事やね。








 ジョグジャカルタ観光は今日でおしまい。この後は飛行機で再びバリに戻り一泊。

 最終日「悪夢のバリ観光」に続く。







ジョグジャカルタ-2

2007年08月15日 | 日記・コラム




 ボロブドゥール寺院を見学したあとは、ジョグジャジャルタ王室関連の施設を見学。詳細をガイドが説明してたけど、i-pod聞きながら居眠りしてたのでよく覚えてない。

 歴代王族の写真や肖像画、ロイヤルバティックの展示、実際に使用されていた施設(裁判所、結婚式の時の輿とか)をダラダラ見学。







 馬車に乗って、ジョグジャカルタ王室の王女様との食事会に向かう(仕事のコネね)。TシャツにGパンという、およそロイヤルな場に出るいでたちとは言えない風体で馬車に揺られること10分。普通に車道を通り、右折の時も対抗車を無理やり制止してまかり通る。インドネシアの馬車は男前である。



 着いたのは、別荘というか別邸というか、噴水を中心にした庭に面した会場だった。王女様達も全然ラフな格好で一安心。ちなみに一番偉い(という表現は語弊があるけど)王妃様はさすがに来ていなかった。代表者の簡単なあいさつとプレゼント交換の後、バイキング形式の食事会スタート。



 やはりというか、スープをズズズッと音をたてまくって飲みあさる中年男性人。王女様を目の前にして、肝が据わっているというか、なんというか。そんな国辱どもだけれど、言ったところで直るわけがないので、ほっといてマイペースで食事に熱中。なかなかおいしい。



 ふともよおしたので、トイレに向かう。王室関連の施設だし大丈夫だろう、とタカをくくっていたのが間違いか。水洗&洋式には程遠い、純インドネシア式トイレだった。和式便器をひとまわり小さくした楕円形便器に水が少々。その左側に溜まっている水を桶ですくって便器を流すシステム。紙は基本的になく、左手でふいて、水で洗うのだ。・・・インドネシアの生活様式をバカにするわけでも、いちゃもんつけるわけでもないけど、ごめん、無理。小だけして大は我慢の子。



 (いろんな意味で)楽しい食事会が終わり、王女様たちに別れを告げる。王族と言っても、インドネシアは現在大統領制。絶対的な権力を持っているわけではなさそうだけど、さすがというか、かもし出される雰囲気は、やはり普通の人たちとは違っていた気がする。

 その後、仕事でも扱っている、王室管理のロイヤルバティックを販売するショップに移動。ちなみにバティックとは、布地に蝋で柄を描きその部分を防染する、いわゆるロウケツ染の染物の事。やはり手がかかっているだけあって、高いものになるとそこらの土産物屋の相場より0(ゼロ)がふたつほど多くついている。ここで購入したのがシルク100%の王室の証明書つきの本物バティック。138万ルピアなり(1円=70~80円程度)。安月給の身には少々高くついたが、もし日本で同じものを作ったとしたら、と考えると、涙が出るほど安いと思うよ。



 ホテルに移動。昨日のバリのホテルが、良くも悪くも「THIS IS 南国!」だったため、かなり警戒していたのだけれど、ちゃんとお湯は出るし、テレビはNHK(衛星放送)がしっかり映り、トイレも清潔でひと安心。いや、昨日のだって、あくまで日本と比べるこちらが悪いのだが。郷に入りては~の言葉じゃないけど、こちらの適応力のなさのせいである。マアフ(ごめんなさい)。



 休憩後、晩御飯を食べにバスで移動。ボロブドゥール寺院に並ぶ世界遺産、ブランバナン寺院の、すぐそばにある屋外レストランに到着。日も暮れ、ぼんやりとした明かりに包まれただけの暗い場所だったけれど、その分目の前のライトアップされた寺院の幻想的な美しさが際立っていた。そんな中食べる食事がおいしくないわけがなく。





 食事後はとなりにある屋外劇場に移動。5~10月限定で上演される舞踏劇『ラーマーヤナ』を鑑賞。どうせチープな舞台劇だろうと思ったらとんでもない、完備された舞台設備を駆使した、見ごたえのある(古典)ミュージカルだった。英語ながらも解説としてしっかり字幕が出て、ストーリーもわかりやすかった。もっともおっさん連中は途中でだれて居眠りしたり、退場してタバコ吸ってたけど。

 結局最後まで見ることかなわず、ホテルに戻る。

 寝る前にちょこっと散歩をしてみる。インドネシアの街中は夕方~夜がとても賑わう。屋台や路面店の活気がすごいし、バイクや馬車もガンガン通っていて賑やか。だけど、同時にアングラっぽい臭いも漂っていて、ちょっとドキドキ(注:観光客の先入観を多分に含むので実際はそうでもないと思うよ)。



 いい加減疲れてきたので、部屋に戻ってベッドに直行。悶々とした昨日と違い、今日はよく眠れるぜ。

 そう思ったのが甘かった。現地時間にして朝の4時。突如街中に響き渡る大音量のアナウンスが。どうも宗教儀礼的なお祈りの言葉みたいだ。これがもうやたらうるさく、そして長い。当然眠れるわけもなく、またもやインドネシアの洗礼にしてやられたのであった。