野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

霞ヶ浦・涸沼の冬鳥たち

2017-03-12 17:57:54 | 散歩

 

 

  1泊2日で茨城方面を廻ってきた。

大泉で外環に乗ると70kmぐらいで霞ヶ浦最寄りのIC桜土浦だ。思ったより近い。

 まずは霞ヶ浦の総合公園にある板壁のネイチャーセンターに立ち寄った。

 

 

 途中から降り出した雨が一向に止んでくれない。

 

 湖畔から見えるのはマガモ、コガモなどが多い。

 

 

 

 上空を飛んできたのはミサゴのようだ。

 

 滑翔しながら獲物を探している。

 

 ネイチャーセンターの建物で暫く雨宿りしたのだが、

雨のやむ気配はない。

西側の岸に沿って南下することにした。稲敷市に入ったあたりで岸沿いの狭い道に入る。

車一台が通るのがやっとのとても細い道だがしっかりと舗装はされている。

西の洲から和田岬、浮島、妙岐の鼻にかけてが野鳥の観察地帯になっている。

 右はヒドリガモ、左は最近よく見かけるオオバン。

 

 カンムリカイツブリもいる。

 

護岸堤防の先端にはアオサギが佇んでいる。

 

 少し離れた沖合にいるカモはマガモとヒドリガモが殆どだ。

 

 餌を巡ってか、其れとも恋の争いか知らないが

カンムリカイツブリの追っかけっこが始まった。

 

 車を降りて付近を歩くことにする。 車に乗っていると近くでも平気な野鳥たちだが、

歩いている時にはすぐに飛び立つ。百羽を優に超えるスズメの群れだ。

 

 岸辺にたたずむイソシギ

 

 右奥に白く見える鳥はユリカモメ

 

 少し近づきすぎたようだ

 

 

 雨はやんでくれず、風も出てきたので再び移動することにした。

葦原のしげる浮島、妙岐の鼻付近までやってきた。

 

 丈高い葦原の中に建つ観察舎

 

アカハラがいた。

 

 沖合にあるのは淡水真珠の養殖場。霞ヶ浦は淡水真珠の日本一の収穫量を誇り

琵琶湖より霞ヶ浦での淡水真珠の生産量は遥かに多いのだそうだ。

 

 葭原の上を飛び去るチュウヒ

 

 浮島の中にある大木

 

 

 午後から晴れるという天気予報ははずれ、雨と風に祟られた一日だった。

この辺で。


小下沢梅林と早春の花たち

2017-03-09 21:20:13 | ハイキング

 桜まだ咲かぬ季節 三月の声を聞くと、無性に早春の花たちに

会いたくなってくる。まだまだ頬を吹き過ぎる風は冷たいが

日差しには春を予感させる熱が微かに感じられる。

 裏高尾の小下沢(こげさわ)にも春がやってきたようだ。

 

 中央高速道の高架下にある小下沢梅林(右上がユーミンにも歌われた中央フリーウェイ)

 

 11日から有料開園なのだが、もう十分満開になっていた。

 

 

 煙るような、切なげな色合いが見るものの言葉を失わさせる。

背景の山はまだまだ色を持たずひっそりと静まり返っている。

 

 水戸の偕楽園、越生の梅林、熱海の梅園、青梅梅の公園 などなど関東を代表する幾つかの梅園の中でも

規模は小さいが色彩の美しさではここに勝るところはないと思う。

 

 でも今日の私の目的は観梅ではなく、この奥の小沢に咲くハナネコノメ。

梅に比べるとかなり地味で控えめな花だが、何度も通っていると不思議に病み付きになってしまう花だ。

小沢の大岩いっぱいに咲き始めたハナネコノメ

 

 一つ一つの花が春を寿ぎ、精一杯咲いている。

 

 ハナネコノメはユキノシタ科ネコノメソウ属で多年草の花。春まだ浅い3月初めには咲き出し、

白い4弁の花(正しくは萼)と赤紫色の葯を5cmほどの花茎につける。

 

 生育地は低山の小沢や湿った林下。

 

マッチ棒のような葯は花粉を落とすと黄色に変わる。

 

 早春の日差しと小沢のせせらぎの中で見るハナネコノメが一番きれいなのだが、残念ながら

今回は少し早かったようだ。 去年の訪ねたときはこんな感じだ。

 

 可愛そうな名を付けられたヨゴレネコノメ

 

ユリワサビ

 

 

 ほぼ同じ場所に同時期に咲くコチャルメルソウ

 

 アズマイチゲも咲き出したばかり

 

 この時期見られるスミレはアオイスミレが殆どだ。

 

 一株だけエイザンスミレが咲いていたのには驚いた。

 

 フユイチゴ

 

 もう少したてば林道沿いにたくさん見られるニリンソウも

この時期見られるのはせいぜい蕾。

 

 カンスゲに咲いた花のように見えたのは、落ちたヤブツバキのはな。

 

 道端の花も春の日差しを楽しげに浴びていた。

カキドオシ

 

 タネツケバナとオオイヌノフグリ

 

 咲きたてでしわしわのショカツサイ

 

 締めはやっぱりツクシンボにしよう。

 

 この辺で。

 


森林公園の梅

2017-03-04 10:04:58 | 公園

 

 陽射しが暖かくなってきたので、特に出かける予定のない休日は

自転車でポタリングをすることが多い。ポタリングというのは目的地を決めずに

気楽にあちらこちらを自転車に乗ってぶらつくこと。日本語では散歩に対して

「散走」という言葉もあるらしい。散歩よりいける範囲が数倍広がるので

知らない小路にはいったりすることができ、知らなかった発見もあり

時には「迷う」感覚を味わうこともできるのが楽しい。

 

 今日は森林公園で観梅と探鳥。 梅はやや最盛期を過ぎたようだが、

まだ見頃の遅咲きの梅は花が大きく、色が艶やかなものが多い。

 

  開運という縁起の良い名前の梅

 

 

 旭の海は淡いピンク色をした大輪の梅。ピンク色が絞りとなる株もある。

 

 中咲きで青軸性の月影はやや終わり加減だ。

 

 八重咲き中輪の古郷の錦。ものの本には淡い桃色とあるが、この株はずいぶん赤みが強かった。

 

 長いおしべが特徴の梅の名前は文扉(ぶんぴ)。書籍で各章の扉に書かれている

短い文章を扉文というらしいが、これが名の由来なのだろうか。

 

 

 紅千鳥は一重咲きの緋梅。各地の公園でもよく見かける梅の一つだ。

 

 梅は中国渡来のものなので、原産地中国にちなんだ名も多い。

これもその一つ西王母。因みに西王母とは中国で古くから信仰された女仙、女神のこと。

 

 楊貴妃

 

 蓬莱

 

 烈公梅。烈公とは水戸の徳川斉昭の諡号(しごう)。斉昭は江戸幕府最後の将軍徳川慶喜の実父とネットにあった。

この梅は月影などと共に水戸の6名木の一つとなっている。

 

 大輪緑萼

 

 曙枝垂れ

 

 

 濃い紅色の絞りが美しい守の関

 

 紅白に咲き分ける輪違いは別名思いのままともいう。

 

  御所紅は遅咲きで八重の梅

 

 

  野梅系で遅咲きの玉牡丹 

 

  初めは薄紅色で咲きすすむと白く変わる見驚

 

 名前のようにグラデーションが美しい入日の海

 

 

 おまけに梅の別名をいくつか。

春風を待ち咲くことから「風待草」、「風見草」。香りが芳しいことから

「匂い草」、「香栄草」。木の花の代表として「木花」(このはな)。四季に先駆け咲くことから

「花の兄」。中国の故事から「好文木」。そこから派生した学問の神様として有名な

天神様と梅との関わりも深い。

 明日(3月5日)からは青梅で梅まつりが3年ぶりに復活開催されるそうだ。

今日はこの辺で。