野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

金時山を登る

2016-10-08 20:09:52 | 散歩

 箱根の金時山に登るのは3度目。6年前には金時神社から、去年は乙女峠口から

登ったのだが、いずれも5月だった。今回は季節を変えて10月になり秋の山を登ることにした。

 新装なった新宿バスターミナルパスタから早朝7時5分発のバスに乗った。

2時間足らずで着く予定だったが、あいにく東名は工事中で30分ほど遅れた。

乙女峠口に着いたのは9時半を過ぎ。

このバスで降りたのは私の他には一名だけ。バスを降りてすぐ左に折れると標識がある。

 

 秋の低山でよく見られるセキヤノアキチョウジの群生が出迎えてくれた。

 

 ちなみによく似たアキチョウジは岐阜県以西が生育地で関東では見られない。

 

 枯れかけた恐らくツルニンジン(通称ジイソブ)の花。似た花にバアソブという花もあるのだがそれかもしれない。

全く自信はない。

 

背の高いシラヤマギクと思われる花。この時期のキク科の花は判別が難しい。私には荷が重すぎる。

 

10分も歩かないうちに林道から本格的な山道に入っていく。登りも急になってきた。

この日は夏日になるほど暑く、たちまち汗が噴き出してきた。

 

 シロヨメナ(これも恐らく)の群生。

 

少し標高が高くなったら道の脇にホトトギスの花が現れてきた。

 

 

 秋の代表的な花たちがつぎつぎとむかえてくれる、リンドウの花。

 

 

 トリカブトの花

 

オヤマボクチ

 

 乙女峠が見えてきた。数人のハイカーがベンチに腰かけて一息ついているのが見える。他の山と違って

 中高年だけではなく、半数は若い人だ。休まず登る。

 

これは珍しいツチアケビの実

 

 

 いくつか起伏を超えたら急に視界が開けた。前に見えるのは噴煙を上げる大涌谷。

 

 ダイモンジソウにも出会えた。

 

岩場にすがりつくように咲いているのはやはりキク科の花、

花びらの形からするとリュウノウギクだろうか。

 

アセビやシロヤシオなどのツツジ科の低木が消えて、辺りは明るくなってきた。

頂上がもうすぐのようだ。眼下には箱根のゴルフ場、奥には芦ノ湖も見える。

 

 頂上到着。登山口から約一時間半あっという間だった。人気の山らしく、

平日にもかかわらず頂上には数十人の人が休んでいた。

 

奥には名物の金時娘(とはいっても今では齢70を超える)がいる金時茶屋。

 

 なお頂上にはもう一軒茶屋があり、それが右側に少しだけ見える金太郎茶屋。

 人の話によるとこの二軒はあまり仲が良くないのだとか。

 

 今日はすっきり晴れていって展望はいいのだが、10月にもなるというのに

まだ雪化粧をしてない富士山は気の抜けたビールのようでちょっと締まらない。

 

 せっかくだからもう少し寄せて

 うん?そしたら看板の静岡県小山町に目が行った。すっかり神奈川県の山を登っていると思っていたら、

いつの間にか静岡県に足を踏み入れていたようだ。

 

 やかましい頂上に滞在したのは10分ほど。汗が引いてからすぐに下山を始めた。

登山客を数える機械があった。

 

 結構急な坂道を暫らく下ると、見晴らしのよいところに出た。

 

日当たりのよいこの辺りではマツムシソウが目についた。

 

 

アザミの花について蜜を吸っているのはアカシジミのようだ。

 

 ここでは思いがけない嬉しい花に出会った。日本最大のアザミと言われるフジアザミだ。

丹沢縦走で10年前に見かけて以来だから久しぶりになる。

 

大きさだけでない、凛として気品があり、崖の上で風に吹かれながら

重たげに花をゆったりと揺らしていた。

 

 私も秋風に吹かれながら仙石原までの下山路をたどった。

この辺で。