床屋のくし

いつもカットの時に使っています「くし/櫛」。
床屋で「くし」は、はさみと連動してカットラインを作る大切な定規の様なものです。
くしは色々な素材でできています。石油系素材の樹脂。炭素からのカーボン素材。自然素材の象牙の角製。あと亀の甲羅からの鼈甲/べっこう。
櫛は素材によって髪の毛の通り方や、カットラインも変わってきます。特に床屋は短い髪/短髪をカットして仕上げていくには、櫛も数本変えながら仕上げていく大切なものです。目の荒い櫛から目の細かい櫛を使い分けていきます。
フリジーレンが愛用しています櫛は、べっこう素材の櫛。櫛の目は中荒程度もの。
べっこうは髪の毛の通りとカットラインは抜群、刈り上げラインはすっきりとした仕上がりになります。今は少なくなったヘアースタイル「スポーツ刈り」にはもってこいの櫛でもあります。このべっこう櫛を使うと他の櫛は使えなくなるほど、短髪のカットが思いの様に仕上がります。

Photo:鼈甲/べっこうの櫛。4年程使用している櫛でもあります。べっこう櫛は修理が効き、櫛の目が欠けてしまっても、欠けた目を修復して再度使える自然素材の櫛でもあります。でも近年において素材となるタイマイ/ウミガメはワシントン条約よって捕獲できず、べっこう素材は希少ともなっています。