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TV用水平偏向管6CD6Gの測定

2022-09-11 20:33:35 | 真空管

このところ少しブラウン管テレビの水平偏向管に凝っています。凝っているといっても手持はそれほどないのですが、多くの水平偏向管はあまりオーディオ用としては、日の目を見てきませんでした。

それは、例えばスクリーングリッドの最大定格電圧が低くかったり、プレートキャップがあったりと、オーディオ用には少し使いづらい点があったりしたからです。なので、ほとんどの球はあまり注目されてきませんでした。しかも、マニアウケも悪く、試聴会で鳴らそうものなら鼻でフンとあしらわれる可能性さえあります。

そんな水平偏向管でもオーディオ用に良いものがあるのではないかと思い、以前から良さそうなものはないか物色していたのでありました。

その中で見つけたのが、6CD6という球です。

6CD6のバリエーションは多く、コークボトルといわれるST型の6CD6Gや、ストレートのT型バルブ6CD6GAがあります。またSTタイプの球には、上記写真左側のようにダブルカソードタイプや、真ん中のシングルカソードタイプの2種類があり、他にトランスレスタイプとして、ヒータ電圧が25Vや、35V、50Vというのもあります。テレビ用というだけあって、バリエーションも豊富です。

下記は、Raytheonの50CD6Gです。

6V管の6CD6Gはヒータ電流2.5Vと大飯ぐらいですが、そのぶっといカソードの赤熱ぶりは、トリタンか?と思わせるほど明るく光ります。

さて、そんな6CD6ですが、これをオーディオ用に使用する場合、まず手っ取り早く使用したいなら3極管接続です。ただ、記載したように、スクリーングリッドの最大定格電圧が低いため、多くの方は躊躇してしまうでしょう。

さて、猫マタギ球とも言われる水平偏向管を前にして壁が立ちはだかりました。設計値を超えて電圧をかけていいものか、あるいは安い球なのでここは思い切ってやってみろ、壊れても安い球なのでいいじゃないか、と耐圧を超えた動作をしてみるか・・・。

当方は、後者を採用しました。つまり最大定格を無視した使い方です。水平偏向管で新境地を目指し、新しい球を発掘する方にかけてみます。

早速、6CD6Gの3極管接続特性を測定しましたので、掲載します。

ご覧のように計測時、プレート電圧約500V、プレート電流約180mA程度の電流が流れていますが、案外丈夫でびくともしませんでした。

ただし、注意してください、どの球もこれでいいわけではありません。レア管でこんなことはしないようにしましょう。欧州製の球は大電流を流すとすぐにエミッションが無くなる球もあります。

今回は、新境地を目指すべく、測定結果は広い範囲を見たいので、こんなに最大定格をオーバーしています。

その結果、この球、案外直線性がよく内部抵抗も低くてむしろ、オーディオに良さそうな特性だということがわかりました。

早速解析が必要ですね。v^^

ということで、上図に3定数を記載しましたが、詳しい方はこれを見てお気づきかもしれません、某有名直熱管にそっくりな特性です。内部抵抗が約1000Ω、μが4ほどの球と言えば・・・2A3が近いですね。

なんと、猫マタギの1つ、水平偏向管である6CD6Gの3結特性は2A3に類似した特性ということが判明しました。まさに新境地です。この球さらに好きになりました。

さて、アンプに仕立てた場合、どういう結果になるのでしょうか。

動作点がVp=280V、Ip=68mAのところで、RL=2.5kΩと3.5kΩで見てみました。一応プレートロスは、6CD6Gは15Wですが、本設計では19Wほどになっています。これも少しオーバーですが、気にしない気にしない。なお6CD6GAは、20Wまで可能です。

この場合出力は、5W弱となり2A3より出力は取れそうです。実は、実験用のアンプに装着して音は確認済みです。特性結果の通り、音はよかった印象です。お暇な方、高い球に懲りた方、手軽に良い音を試したい方、ぜひこんな球で新境地を目指してみるのはいかがでしょうか。

 


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