9日に台風15号が関東地方を直撃したが、その影響で成田空港は鉄道や高速バスによる都心とのアクセスが完全に絶たれ、陸の孤島と化した。成田エクスプレスは早々終日運休を発表し、京成電鉄もストップ、リムジン等の高速バスやタクシーも高速道路のトラブルで空港にアクセスできない状態が長時間にわたり発生し、夕方になって、京成線のアクセス特急がかろうじて復旧したものの、空港は完全に麻痺し、到着客が空港にあふれ出した。それに、遅延や欠航で出発できない客も相まって、一時は1万7千人以上が空港に足止めとなった。
大型台風の直撃は、天気予報で十分予想されていたことであり、空港へのアクセス問題については、対策が不十分というかお粗末であったことは否めない。千葉地方は50mを超える強風に見舞われたが、急に襲われたわけではなく、十分対策を取る時間があったにもかかわらず、空港当局は適切なアクションを取っていなかったものと思われる。鉄道(JR 京成)、バス、タクシー全てがアウトになったことを想定した対応訓練など全くやっていなかったのではないかと思う。JRは成田エクスプレスの終日運休をいち早く発表していたが、そうなったら空港で何が起こるかは誰でもわかるし、代替手段を手配する等の対策もできたはずで、各社の連携なんかまったくできていない印象であった。
9日は運悪く妻がバンコクから帰国する日にあたり、19時半頃成田空港に到着したものの空港には人が溢れかえっていて、大混乱の真っ最中であった。動くこともままならないほどの大混雑で、どうしたらいいのか適切な案内もほとんどなく、空港は地獄と化していたようである。幸運にも3時間ほど待って、最終の京成電車に乗れたが、それにも乗れなかった到着客は空港で一夜を過ごす羽目になったようである。自宅到着は、夜10時頃の予定が夜中の1時頃になってしまった。もっと早い時間に到着した人は、空港からの移動交通手段が全くなく、10時間以上空港に足止めになった人も少なくないと思われる。これはもう無策による人災といえる
。
テレビでも成田空港の混乱報道は少なく、そんなに混乱しているとはあまり知られていなかった。飛行機が順調に発着していたので、予想だにしない大混乱であった。陸の孤島となるほど都心から遠い成田空港は縮小方向に舵を取り、今後はもっと羽田空港の拡充をめざすべきである。成田空港のアクセスが麻痺しているなら、茨城、羽田等近くの空港にダイバ-ジョンさせてもよかったのではないかとも感じた。屋内ドームの野球でも、自然災害でアクセスが確保できない場合は中止とする対策が講じられることもある。再開後次々と飛行機を成田に着陸させ、空港の大混乱を招いた無策もしっかり検証されるべきである。
画像は、成田空港ロビーの様子
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