拝啓。本格的な冬の寒さを迎えようとしていますが、共産党の皆様はこれからの選挙戦に備えて意気を高めておられることと存じます。
さて、次の衆議院選挙戦に向けて、脱原発連合政府の樹立を願う立場から貴党に何点か提案をさせていただきたいと思います。
言うまでもなく、次の衆議院選挙は3・11後初めて迎える国政選挙として、原発をめぐる日本の向かうこれからの方向を決定する上で、重要な意義を持つイベントとなります。千葉4区で野田総理と対決して立候補を表明している藤島利久氏は、「次の選挙は脱原発国民投票になる」と宣言して、自ら選挙戦の先頭に立って戦いに臨む一方で、300小選挙区のすべてに『脱原発国民連合』推薦候補を擁立して、原発再稼働(推進)政党の候補者と対決する構想を発表しています。
これまで貴党は、自民党長期政権と対決する「唯一の野党」としてすべての小選挙区で候補者を立てて戦う戦術を実践してこられました。その立場は十分に理解しつつも、今回の選挙に対しては、これまでとは異なるアプローチで臨まれることが、国民全体にとっても、貴党にとっても、望ましい結果をあげることができると考えるのです。
① 脱原発を政策に掲げる政党・市民団体の統一候補者は、それ以外の候補者より多くの有権者の支持を集めて当選する可能性が高い
② 脱原発候補の乱立は対立する党派に利する結果をもたらす
③ 当選した統一推薦議員が中心になって、『脱原発国民連合政府』を樹立する可能性が開かれる
このように、これまでの二大政党制では見えてこない日本変革の可能性が、脱原発国民連合の勝利によって開かれてきます。
共産党の皆様は「国民が主人公の社会」をこれまで標語として掲げてこられました。3・11原発事故によって、原子力エネルギーの危険性が明らかになった現在、私たちはもはやこれ以上の惨劇の繰り返しを容認することはできません。そのために大飯原発の再稼働をただちに中止して、一刻も早い原発の廃炉化を求める要求は大多数の国民の声だといえます。
脱原発候補の乱立は、私たち国民全体にとって大きな損失であるだけでなく、貴党の社会的な信頼と評価をも大きく損なう事態になりかねません。もし、日本共産党がその言葉通りの国民のための政党であるのなら、ここでは、党勢の拡大を優先するのではなく、国民の安全と利益を最優先する立場を貫いて、脱原発国民連合推薦候補者を推薦する方針に転換していただきたいと思います。
もし貴党が、選挙協力のテーブルにつく意志がお有りなら、貴党の候補者を脱原発国民連合が推薦する用意があると藤島も申しております。
正式の要請はまもなく、脱原発国民連合設立責任者の藤島より日本共産党本部あてに行われると存じますが、今、選挙戦前の重大な局面を迎えつつあると判断して、個人的な意見を申させていただきました。僭越な行為と非礼をお許しください。
参照:
VIDEO ライブ履歴 (2,143)
2012年 11月6日 脱原発国民連合 古谷 茂