Soft Machine • Nettle Bed •
カンタベリー・ロック特集を続けています。
この作品は1974年の発表。CBSからの最後の作品です。マイク・ラトリッジがキーボード、ロイ・バビントンがベース、カール・ジェンキンスがオーボエ、サックス、キーボード、ジョン・マーシャルがドラムですね。元ニュークリアスが3人もいるということで、初期のソフトマシーンとはかなり変質しています。なかでもカール・ジェンキンスが志向するミニマリズムが主張してきて、独特の音世界を展開しています。
まずご紹介する 「Nettle Bed」は1曲目のナンバー。繰り返しを使うミニマル・ミュージックの手法が使われているようですね。この曲はジャズ・ロックというより、明らかにロックという感じはします。ロック系のインストって感じですね。もしくはフュージョンかなあ?聴きやすくなったというイメージが湧く1曲目ですね。
Soft Machine - Carol Ann
この曲「 Carol Ann」はしっとりとしたフュージョン風の曲。静かで、ある意味キャメルやフォーカスを想起させます。微妙にクールで、甘くはなりません。なぜかドラムははいっていない・・・。最後のシンセが印象的です。プログレ度が高くなります。
Soft Machine - Seven - 03 Day's Eye ~ 04 Bone Fire~ 05 Tarabos
すっかりフュージョン的になりましたね。聴きやすい。ちょっとおしゃれな雰囲気にかじを切ったソフト・マシーンかな?まあ、次のアルバムが例の「収束」ですから・・・。フュージョン・バンドになろうとしているところかな?
こうしてアルバムの一部だけ抜粋して聴くと、聴きやすい作品かもしれません。でも、アルバム全体ではイマイチしんどいです。単調な部分が長かったり、静かすぎる部分が長かったりして、エンタメ性に乏しい面があるからです。メリハリが弱いアルバムです。それでも、毎回音を変えてくるこのバンドをワクワクして聴くマニアもいるでしょうね。ソフト・マシーンは次作「収束」で、あの、アラン・ホールズワースを迎え入れ、ついにギターレスバンドを脱却します。そのことを考えると、この「7」は節目の作品ですね。
SOFT MACHINE - 37 1-2
1973年発表です。この時のロック・バンドって、毎年のように新作を出してましたね。
レコード会社との契約なんでしょうか?
メンバーはマイク・ラトリッジ(k)、ヒュー・ホッパー(B)、ジョン・マーシャル(d)(元ニュークリアス)、カール・ジェンキンス(オーボエ、サックス、キーボード)(元ニュークリアス)。このアルバムを最後にホッパーは脱退します。
この作品、個人的には疲れます。ライブ盤もスタジオ盤も聴きやすい部分とアヴァンギャルドな部分があり、アヴァンギャルドの部分は好みが分かれます。混沌した作品です。
ライブ盤からは聴きやすい「37 1/2」を選びました。この曲はフュージョンっぽくて、洗練されてますね。管楽器のソロはエキセントリックなジャズ風ですけど。
SOFT MACHINE - Stanley Stamps Gibbon Album
スタジオ盤からは、この曲を選びました。カール・ジェンキンスが好きなミニマル・ミュージック的なところがありますが、躍動感がありますね。アフリカ音楽っぽい。ノリノリの曲です。
敢えて、聴きやすい曲を2曲選んだんですが、アルバム全体では、難解なイメージかも。フリー・ジャズ的なところから洗練されたフュージョン・サウンドへの移行期と言われてますけど、決して、聴きやすい曲だけではありません。ポップではないので、メロディ指向の人は要注意。