半分ヲタクが見た 「なりすまし」作品

TSFにおける「なりすまし」の定義は、まぁ自分にも分からない。
けれども、漠然としたイメージはあり、たとえば「戦隊シリーズ」。
アレに登場してくる「変身系」モンスターなどは、できるだけ“本人”に似せようとする‥。置かれた環境に溶け込んでみせようとする‥。
そのうえで任務の遂行を目指すわけで、どうにかして正体がバレないように、彼らも“なりすます”努力をするのですｗ

おそらく「成りすまし」の一番の良さって、ココじゃないでしょうか。
ただ、あまり演技が完璧すぎては作品として面白みに欠けてしまうので、“ボロ”を出させたり、ときおり素の人格を出すといった演出法が、TSFでは最良かと‥。
そうした部分に、弱さを感じてしまったのが、先日発売の 【TSFなりすましガール】です。



（C）TSFなりすましガール


「通常版」ならOK。あくまで「なりすまし」に特化させた形のTSFを謳うなら、いささか物足りなさを覚えました。
‥というのも、どの章（チャプタ）も、おおむね“本物”に似せようとはしていない。
変身して「対象」に近づけたはいいけれど、“本物”が「絶対しないであろう」行動を取り続ける‥。

この種の作品のファンとすれば『いかにして（女性に）成りすませられるか』 に、注目しながら観ていたはず。
なのに、変身能力を有した彼は、ただ、その「立場」を利用していたにすぎません。

無駄に他人の人間関係をかき乱したり、男をからかったりだとかは「成りすましている」とは言えないでしょう。
“本物”に近い、似せた演技をするのが成りすまし、です。


よかった点は、橋本マナミ似？の高宮菜々子嬢は演技力が高く、病院で僅かながら看護師に成りすましていた章は、なかなかに秀逸。
結婚式を舞台にしたTSFは珍しく、ただストーリー次第では、もう少し愉しめそうな雰囲気もあっただけに、残念な思いも‥。
「行き当たりばったり」ではなくて、変身にエロ以外、何某の目的があり、また勝手知ったる「知人」に成りすますような展開があれば緊張感も増して、より高揚したでしょう。


「通常版」のTSFとしてならOK！とは、そういう意。
上記のような“強い”拘りさえなければｗ、以前人気を博した【ドッペルゲンガール】と似たタッチで、ぜんぜんイケますよ。きっと。


《俺評価》★★★☆☆