福田ちえのときどき日記

日々の活動や雑感を掲載いたします。

9月議会で「宇都宮市景観条例」の審議

2007年09月02日 | 活動報告
9月議会議案のひとつである「宇都宮市景観条例」の制定について。
根拠法は、今から約3年前(平成16年12月)に施行された国の「景観法」。

国の法整備に先駆けて、先駆的な自治体では約20年以上前から環境美化条例や景観保護条例を策定しはじめ、現在までにいくつもの自治体でそれぞれの街らしい都市景観を護り、育て、造る取り組み、市街地景観をコントロールする取り組みが行われています。
経済効果重視の乱開発から、景観や住環境を重視する意識の転換が早い段階から国民の間で合意形成されていたことは間違いのないところです。

全国37の中核市の景観条例の取り組みをみると、既に制定しているところが約9割。宇都宮市は遅きに失した感が否めません。

これまで街の景観にまで配慮する余裕、あるいは感覚が無かったのかと疑われますが、問題建築に対する行政指導や罰則も無く、規範や市民のコンセンサスも得ないまま駅前や中心市街地や大谷、日光街道などの恵まれた自然や歴史や伝統色豊かな地域の新・増・改築などは行われてきたわけです。
何とも恥ずかしい実態です。

宇都宮市の顔である二荒山神社前の再開発で、24階建て・83メートルの高層ビルが建てられることによる景観問題はご承知のことと思いますが、都市整備は行政百年の大計と考えると、これまで幾ら行政上の手順を踏んだとはいえ何か釈然としないものがあります。

既に都心部の超高層マンションでは、大勢の入居者が地権者となり、老朽化した建物の転換再整備が困難となるといった問題があちこちで発生しているのが現実です。
高層ビルで居住者や商業を増やし市街地を活性化させるといったまちづくりは、今の世代が恩恵を受ける目先の経済効果や利便性の向上をねらったものです。
都市整備と景観を大切にしない行政の態度が、後年、容易に取り返しのつかない問題を将来の市民に押しつけてしまうことは確実です。

また、景観に関する宇都宮市の指針としては、「うつくしの都づくりを目指して」と銘打って1991年に策定された「宇都宮市都市景観基本計画」や「屋外広告物条例」がありましたが、策定から既に18年も経過しているにもかかわらず、JR宇都宮駅西口のおびただしい看板広告やネオンサインは、様々な指摘を受けてもこれまで景観が改善されていません。
先の議会で私も質問・提言させていただいたとおり、昨年の「日本の景観を良くする全国大会」では不名誉にも全国景観ワーストワンに選ばれ、おもてなしのまちづくりを標榜する本市の玄関口としては憂慮すべき状態で今日に至っています。

ひとつは、景観条例の制定によって駅周辺の景観は改善されるのかといったことも含めて、すでに存在する建造物にも、良好で風格ある景観形成に悪影響を与えると判断されれば規制が可能であるかどうかに注目です。

宇都宮らしいまちの景観を護り、育て、さらに新しい宇都宮らしさを創り出すためにも、また、私たちが住み、働き、憩う郷土を、個性豊かで快適なものにするためにも、条例や景観計画の中で、宇都宮市の景観に関する基本的な理念がどう謳われ今後の規制・誘導がどうなされようとしているのかを注視してまいります。


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