悠歩の管理人室

歩くことは、道具を使わずにできるので好きだ。ゆったりと、迷いながら、心ときめかせ、私の前に広がる道を歩いていきたい

江戸のまちとウォーキング

2006-06-10 14:46:57 | Weblog
 藤沢周平が江戸のまちを描いている。町人や武士、アウトローたちが歩き回るまち並みを、ふと、自分も歩いてみたい思いに誘われる。だが、あの時代に、町中をのんきそうに歩くことが許されるだろうか。江戸登城ウォークなどに代表される、時代を題材にとったイベントがある。それはそれなりに、楽しいイベントだと思う。しかし、現代の感覚を持ったままで、あの時代を歩いてみるとどうだろう。想像しかできないが、楽しい時間である。
 今日読んだ、「闇の歯車」の中に、土井大炊頭(おおいのかみ)下屋敷というのが出てきた。雪の結晶を研究し、「雪華図説」を著した土井利位(としつら1789~1848)のことか。官名が大炊頭であったことから、雪華の模様は「大炊文様」とも呼ばれたそうだ。

 土井は初代の土井利勝が大炊頭で、切れ切れだが大炊頭の官職を持つものが多かった。「闇の歯車」の時代は、井伊掃部頭(井伊直弼1815~1860)の屋敷が出てくるので、利位か養子で利亨(としなり)の時代であったと思われる。