ヤンクミだった（？）私

大学生の時、将来は「商社マンと結婚して海外に住む」事を夢見ていた私は、

大学４年生の時、就活に励んだ。


が、当時も就職難で、私の箸や棒にかかったのは、

私の希望していない会社だった。

（後に「商社マン言うても英語圏に住める人は少ないで！」と
　みんなに笑われたが）


で、諦めて、公立中学校の英語科の教員になった。

（あ、でも真面目に一生懸命８年間、３１歳まで働いたぜ）


大学１年から塾や家庭教師のバイトをせっせとしていたので、

人に勉強させる事や教える事は好きだった。


しかし、社会人という現実は、当然、厳しかった。

英語を教えているだけなら、そう大変な事はない。

教員にはそれ以外に膨大な仕事があった。


ひとつひとつ上げればキリが無いが、

クラス担任の他に、

例えば、校務分掌とかいうヤツがあり、

私には

「給食係」「購買係」「卓球部副顧問」「生け花クラブ顧問」

という仕事が与えられた。


私が勤務した中学校は、３学年で生徒数約７００人、教諭は４０余人だった。


給食・・・今は未納問題など昔より問題は深刻化しているが、・・・

今となっては私には懐かしい思い出がある。


当時は田舎の中学校でも校内暴力が横行しており、

いわゆる不良のニーチャン達は授業を抜け出して、

校内をふらついていた。


で、動き回ると腹が減る、

そこで彼らは、

３時間目と４時間目の間に教室前に搬入した給食の中から、

好きな食べ物、ウインナーとかを盗み食いするのである。


しかも３年のガキは自分の学年のは食わない。

１年生か２年生のクラスの分を失敬するのである。


というワケで、

給食の時間になると、１年や２年の各クラスの給食当番のボウズたちが、

私の所へやってくる。

「○年○組です。ウィンナーが６個足りません。」


で、私は校内に併設された給食センターへ走る事になる。

こんな事の繰り返し。


そこで対策として、

３時間目や４時間目に授業の無い教師達に、

朝会でお願いして、見張り番をしてもらうのだ。


購買で万引きする生徒も居る。

だからそこにも見張りが居る。


中学校の教員は普通１日約４時間か５時間の授業をするのだが、

空き時間は、そんな見張りなどの雑用がある。


日曜日や夏休みは研究発表やクラブ遠征引率などの仕事がかなりあった。

真冬の校内マラソンの日には遅い生徒の伴走をしたりもした。


妊娠中、３階の階段に居た時、

ヤンキー生徒から「突き落としてやろか～？」と脅された事もある。


第一子は、校内の除草作業時に腹圧がかかったのか５ヶ月で死産した。


暑い夏にもクーラーは無いので、

職員室では自分の椅子にバスタオルを敷いて座っていた。

足をダラダラと滝のように流れる汗を拭く為である。


冬は、

電車と駅から学校までの自転車通勤（約３ｋｍ）の私の足と耳は

しもやけで麻痺していた。


それでもモンスターペアレントは数名しかおらず、

苛めは色々あったが、登校拒否の子供は殆どいなかった。


無理難題に会い、職員のロッカーで泣いた事もあったが、

今の先生たちに比べたら・・・

イヤ、比較にならない程、

あの頃は平和だったのかもしれない。

しかし、当時でさえ、４０名の教員中、４名程が神経科に通院していた。


あの時の苦労を思えば、

逃げ出したいような「開業医の妻」の生活は、

「給食泥棒」を追いかける必要も無く、

ダラダラ汗や、しもやけと闘う事も無く、

意外とラクなのかもしれない。（と思う事にする）


さあて、明日も、ここから逃げ出さず、頑張るかっ！

ファイトォ*:.。..。.:*・゜（n‘∀‘)η゜・*:.。..。.:*!!!☆