開業医の妻のたわごと

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@人間万事塞翁が馬

貧乏は親がくれた宝

2010年08月27日 22時01分08秒 | Weblog
この前の定期検診の日、

またいつものように某大都会の駅から病院までタクシーに乗った。


すると、運転手さんが

「お客さん、確か、少し前に乗ってくれましたよね。」と言ったのでビックリ。


そこの駅前のタクシー乗り場には300台のタクシーが三グループ交代で勤務していると言う。

運転手さんも驚いていたが、私もホント、ビックリした。


だって、以前にも同じ経験がある。

去年の事だが、その時も運転手さんが覚えていてくれた。


今回二人目。

よく喋られる方で(年齢69歳。勤続45年とのこと)、

いかに自分が仕事を熱心にしてきたかを話してくれた。


実は前回乗った時(8月5日)に、すごくいいお話をしてくれたので、

記事にしたかったのに、夏バテでドタマが回らなく、

いつか・・・と思っているうちに、20日も経ってしまったのだ。


彼はこう言った。

「私は実家が貧乏で、中学校しか出てませんが、仕事を撰ばず、ガムシャラに働きました。

もちろん世の中が不景気という事もありますが、今時の若者は仕事を撰び過ぎて

就職が無いんです。どんな仕事でも良ければありますよ。

私は24歳から今日までタクシーの運転手をしていますが、職場に恵まれ、

上司にも部下にも恵まれ、一個建ちの家も買う事ができ、子供ふたりは大学を出しました。

今、最高に幸せです。僕が今日までがんばれたのは親が貧乏だったからです。

エエ、親や貧乏を恨んだ事は一度もありません。

貧乏が原動力になり、誰よりも熱心に働く力となりました。

私は親に感謝しています。貧乏は親がくれた宝物なんです。」


うまく書けないけど、彼の話は病院に検査に向かう私をとても勇気づけてくれた。


うちの親も裕福では無かったが、「貧乏が宝」だなんて思った事は私には一度も無かった。

イヤ、むしろ、「開業医の娘」の友達の家にピアノがあるのを妬ましく思った程だ。


ハングリー精神が人間を強くするとよく言われるが、彼はまさにその人だった。


8月5日、造影剤点滴のCTを受けた日(前にも書いたがキライなんだなあ、この検査)、

その運転手さんの言葉を胸の中で反芻していた。

早く誰かに伝えたかった・・・。


そして、次の検診日に、また彼に会うとは。何という偶然!


日々の生活に埋もれて、幸せな事も忘れて、当たり前の生活を甘受している私。



彼に会えてヨカッタ・・・。
コメント (2)
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