うちの父ちゃん(父)の話。
以前からブログに書いているが、父は強欲ジジイであ~る。
55歳で教員を辞めて、生命保険会社に就職。
そこで効を成し遂げ中銭?(造語だす。)を稼いだ。
70歳過ぎで辞めるまで年収が1000万円以上ある有能?社員だった。
小金持ちになると、車が変わる、服装が変わる、と人は言うけれど、全く
変わらなかった。
ポンコツ車に乗り、日常生活ではホームレスもどきの服装をしていた(昔も今もクサイ!)。
(もちろん、仕事の時だけはスーツを着ていたが)
その父は稼いだお金で古家を数件買って、人に貸す事で、またもや小銭もうけをしていた。
が、最近は人口が減っているのに関わらず、近辺にアパートがどんどん建つ為
父のオンボロ借家から人が段々居なくなった。
(新築アパートも空き家が目立つ。○○コーポレーションが土地持ちの老人を騙して?
アパートを建てさせているような気がするが・・・)
で、父はついに、古屋の一軒を売る決心をした。
一般常識査定額は一千万円ぐらいかな?と思う家だ。
ある日、「その家を高く売ってあげます」と言う大阪の業者A氏から電話があった。
強欲ジジイはその話に飛びついた、
なにしろ「2千万円で売ってあげる」という話だったので。
この前の日曜日、両親の家にA氏がやってきた。
商談?が成立。
父はその日の夕方、私のうちへ来て
「へへ、いい話があったんや。あの家、2千万円で売れるんや。」とぬかした。
「ハ~?へ~?ホ~?」と私。・・・ありえん!
私が「いつ買ってくれるん?」と訊くと、
父が「Aさんが『今からネットに宣伝を載せてくれて、人をいっぱい連れてくるからと
言って、その費用に40万円要るから、明日、振り込んでください』と言うたんで
明日、振り込むんやけど、エエ話やろ。2千万円で売れるんやで。」
ゲゲ(゜_゜;)。
ありえ~~~~~~~~~~ん!!!
普通、広告はタダやろ!!!
(A氏は父の売りたいという家も見に行ってないという。
「部下が近々見に行くので鍵を貸してください」とA氏が言ったので貸したらしい」)
私は思わず、父に、大声で、がなってしまった。
「その契約書とA氏の名刺を持って来い!すぐにやで!!!」
父が私の家まで再度やってくるまでの約20分間、
ありえん、ありえん、ありえん。父ちゃんのバカバカバカ、アホアホアホ!!!
と、私は居間の中でグルグル歩き回った。
父が署名&印鑑を押した契約書には、
次のような事(だいたいの内容です)が書かれてあった。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
<管理土地ネット掲載申込書>
①委託代行費用:40万円
②期間:平成23年9月より平成24年8月とする
●特記事項
①管理地の問い合わせなどの報告
②管理土地ネット掲載のみ有効とする
③申し込み依頼後、地主様所有地に看板設置、ネット掲載後にキャンセルが
発生した場合、それに基づく費用はご負担願います。
④・・・
⑤・・・
株式会社○○カンパニー
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
A氏の名刺には住所と電話&FAX番号が書かれていたが、電話は繋がらなかった。
土地や建物の売買には「宅地建物取引主任者」の国家資格が要るのに
名刺にはその記載も無かった。
HPのURLも書いてあったので、見たら
ひえ~~~~、
簡易なHPに、数件の古家や空き地の写真が掲載されていたが、
それらの物件の正確な住所も書かれておらず、価格も広さも書かれていなく
売買に関するような情報は皆無だった。
その夜、
「クーリングオフの仕方」をネットで見て
月曜日に父をとっつかまえて(日曜日の夜に理解納得させたが)
郵便局でクーリングオフの手続きをした。
昨日、契約書も鍵も無事戻ってきた、と父から電話があった。
「騙されたの初めてやわ。」と父がボソッと言った。
新手の詐欺?には驚いた。
と言っても今回の契約書に「売る」とは書いておらず、ネット掲載すると書いてあるだけなので
父がお金を払ったとしても合法なのだっ!
ネット世代でない老人には何がなんだか判らないので合法的に甘い言葉を囁く事ができるのだ。
大阪在住の兄に電話したら「『この世に美味しい話は無い』と言うとかなアカンなあ」と、一言。
そんなん、判ってるやん。
父にも言うたけど、「判ってる。わかってる。」と言うてたし。
兄は遠くに居るから人ごとみたいに言うてるけど、近くに居るアタシの苦労も
考えてよ・・・・・
と言いたくなった・・・・・。
それにしても
詐欺師と老いと欲ボケは怖い・・・。