開業医の妻のたわごと

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@妄想女なり

@人間万事塞翁が馬

妻をおいてどんどん歩く男

2008年11月30日 15時15分47秒 | Weblog
少し前に更年期障害のせいか、鬱になって寝込んだ。

何日間もどうしても起き上がれなくて、終日ソファで倒れていた。

何だか悲しくて生きているのがつらくて泣いてばかりいた。


息子は「母ちゃん、何で寝てるの?」とだけ不思議そうに言った。

(息子はホントは優しくて心配してくれていたようだ。
訪問販売の魚屋さんに「うちの母ちゃんは身体が弱い」って
言っていたらしいから。)


夫は気のせいだとのたまった。


近くに神経科が無かったので、

信頼できるK先生(60才代前半)のいる婦人科内科医院へ行った。


対人恐怖症も入っていて、ひとりで行けなかった私は

老父の運転するゴミ箱車で(父母はお掃除超苦手なので車はゴミだらけざます)

老母に付き添われて行った。


母の付き添いの元、先生は約1時間私の相手をしてくれた。

(こんな年で母の付き添いがいるなんて・・・何たる親不孝)

母には「お母さん、甘やかして育てましたなあ。」と先生がにこやかに言った。


私には

「あのね、僕だって、ゴルフに行けないぐらい神経過敏なんだよ。

1ヶ月後に約束したゴルフに行けなくなったら、

後の3人に迷惑をかけるからどうしよう、って思っただけで、

お腹が痛くなったり夜も眠れなくなたりするので、

ゴルフは止めたんだよ。

今も色んな事で不安になるから精神安定剤飲んでますよ。

ま、あんたの場合、時期が来たら治ると思うけど、神経使い過ぎやね。

医院の借金なんかどこでもある。

息子が勉強せ~へん悩みなんか誰でも持ってる。

うちの妻を見てごらん。何にも気いつこてへん。

ワシに期限切れのハム食わせるし。

太ってて、のしのし歩くから家揺れるんや。

あんなになったら得やなあ。

あ、この本、読んでみ。ちょっと気いラクになるで。etc。」と

延々優しく話してくれた。そして本も貸してくれた。


途中まで鼻水をすすっていたのに、いつのまにか涙がこぼれなくなっていた私。

帰りは普通に元気を取り戻していたので、両親を追い払って(げんきんな私)、

ひとりで歩いて帰る事にした(徒歩15分)。


元気になって帰宅した夫は私の話を聞いて驚いていた。

「エッ?1時間で初診料(約千円)払っただけ?

シンドイ仕事やなあ。可哀想にK先生。」


妻の病気を心配せずに同僚の仕事の心配をするかっ、こんな時に・・・と

思いつつも、確かに、私のような患者相手では、K先生が気の毒。


その日から、私は以前よりK先生のファンになったのは言うまでもないが、

先日、最寄りの駅で、K先生と、★のしのし歩く奥様★とを目撃し、

ショックを受けた。


というのは

先生は奥様に★大きな荷物★を持たせ、

御自分は小さなカバンだけを持ち、

妻を残してサッサと先に歩いて行ったのだ。


見ていると奥様との距離がどんどん離れていく。

が、振り返る事は無い。(うちのオッサンと一緒ダ~!!!)


ハ~・・・

そうでっか、

そんなもんでっか。


あこがれの、尊敬している、お慕い申し上げてる、医師会長もされていた、

面倒身のいい、優しいお顔のK先生・・・、妻には、そんな態度でっか・・・。


生まれ変わったら・・・、(何回生まれ変わるんじゃ!)

K先生の・・・(こんな話ばっかでスミマセン。m(__)m)

と思っていたアタチは、


憧れの方は、

遠くで眺めていたほうがヨカヨカ・・・と


切に思ったのでごじゃりますう。

コメント (6)
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