開業医の妻のたわごと

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さびしくなるわ

2010年11月30日 13時53分59秒 | Weblog

昨日の午後、

3月いっぱいで退職するパートのスタッフA子(看護助手:30歳代:息子ふたり)の話を聞いた。


大好きなスタッフだったので(物理的にひいきはしてまへん)、職員休憩室で2時間も話し込んだ。

 

サッカーを本格的にやりたいという息子の為に大阪への引っ越しを決めたと言う。

数年前に建てた家を数ヶ月前に売りに出していて、家が売れたら、

4月からは大阪のマンションで生活を始める計画を建てていると少し前から聞いていた。


彼女の夫の職場は大阪からのほうが近いそうなので、何もかもうまくいきそうで、

私は寂しくなるが、彼女の新生活にエールを送りたいと思った。

 

4月から、彼女の後任に看護師が入ってくれることになっている。

だから、人事の件では、幸い問題は無い。

昨日は、彼女が急に

「3月末に辞める予定でしたが、色々忙しくなってきたので、12月いっぱいで辞めたいのですが。」と

言ってきたので、その理由を聞く事にしたのだ。

 


彼女いわく

「一つは、マンションを夫(夫の仕事の休みは不定期)と一緒に探しに行きたい事。

二つ目は引っ越しの準備をしたい事。

三つ目は、生まれてこのかた、この土地を出たことがなく、

突然、大阪へ引っ越す事にしたので、残していく両親に例え数ヶ月でも、

なるべく一緒の時間を過ごし、親孝行をしたい事。

四つ目は、1月から3月までの数ヶ月間、子供のサッカーの練習や試合の送迎を

毎日してあげたい(今まで仕事をしていて満足にしてやれなかった為)という事」だった。

 


「気持ちが焦ってしようがないんです。

焦ってしまって何から手をつけたらいいかわからないのです」という彼女に

私は、かつての自分の姿を見た。

 


今も気持ちだけが忙しく(実際は暇なくせに)、色んな事が空回りする私が居る。

が、病気になってからは、その気忙しいのに何もできない状況を、かなり解消できるようになった。

 

私の場合は、2時間ぐらい何か仕事をすると電池切れ(エネルギー切れ)を起こすので、

仕事の優先順位(家事という仕事も含めて)を常に考えて行動するようにしている。

体力がもう少しあった時は、目の前にあるやりたいことをやってから、経理などの仕事を後回しにし、

締め切り間際に焦って深夜まで仕事をしたりしていた。

 

今は無理がきかない。


だから、3日後に締め切りの仕事があるとすると、

真っ先にそれをする。すると気持ちが落ち着く。

余力があれば、部屋の片付け、お出かけ・・・など、自分の行動に優先順位をつけて、

焦らない自分を作るよう心がけている。

彼女にそんな話をした。

 

「『今日はこれだけしよう。この一週間でアレをしよう』と

優先順位を決めた事から、片付けてていけば、心が軽くなるから、

そう悩まないで、少しずつ自分なりにやっていけばいいのよ。

うちに来てもらっている時間は週4日(一日4時間程度)なのだから、

あなたなら、きっとこなせると思うよ。今までがんばってきたのだから。

休みたい時は休んでいいから3月末まで居てね。」と私は彼女に言った。

 

それから、


「親孝行と子供に尽くす事も自然体でいいのでは?」と話した。


「親孝行とは、『あなたが元気で幸せで居る事』それだけで十分親孝行だし、

大阪は遠くないのだからいつでも帰って来れるから、大丈夫。

子供の事も、ご主人さんと一緒に十分やっているのだから、

もっと、もっと、と完璧を目指すと、しんどくなるから、今のままでいいのよ。

親子が密着すると、いつか独り立ちしなければならない時に、よけいつらくなるしね。」と伝えた。

 

言いながら、私は急に泣けてきた。


私は親孝行をまともにしていない。


息子に対しては全くの放任で愛情の注ぎ方が足りなかった。

彼女に伝えている事は、自分にも言い聞かせている事だった。

 


恥ずかしながら、

ずいぶん年下の悩みを打ち明けに来たスタッフの前で、わんわん泣いてしまった。

(彼女が私にティッシュの箱を渡してくれた)

 

泣いている最中に常勤の40歳代のスタッフB子(事務主任)が、御茶のみ休憩に部屋に来た。

人前でめったに泣かない私を見て、彼女は「大丈夫ですか」と心配してくれた。


彼女の娘は京大生だ。(前にもブログに書いたが、片道3時間かけて京大まで通っている)

半泣きの私はB子に向かって

「いいな、Bさん、お嬢さんが京大に行ってるし。うちは子育てに失敗したわ。もうやり直しがきかない。」と、

その場にふさわしくないトンチンカンな言葉を発してしまった。

 

「子供は元気だったら、それだけでいい。」といつも言っている私が、

彼女に羨望の眼差しを向け、それを心にしまっているならまだしも、

口をすべらすなんて・・・我ながら情けない。

何て分別が無いんだ、私。

 

B子は超美人で仕事もでき「我が道をいく」タイプなのだが、

私の変な言葉がけに対して「人生のやり直しはいつでもできますよ。

娘は食事作りなど何も手伝ってくれないので困ってるんですよ。」と

私の言葉をさらりとかわし部屋を出て行った。

なんて「男前!」

 

ということで、A子は私の話に納得し(説得したのではないよ・笑)、

3月末まで居てくれることになった。

 


別れはいつも寂しい。

残される者のほうが寂しい。

 

昨夜はA子が去って行く寂しさと息子の将来など、色んな事に悩みながら床についた。

が、


夢に出てきたのはA子でもB子でも両親でも息子でもなく、昔、私をふった彼だった。

コメント (10)
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