一ヶ月程前、
事務主任A子から「そんな事してたら、奥さん、地獄に堕ちますよ。」
と言われた。
それが嬉しくて、その後、彼女と会う度「私は地獄におちるううう~。」とか
歌いながら、彼女の事務の仕事の邪魔をしている。
えっ?
何が嬉しいのか?って?
実は、私は多分、うちの医院で2番目に私語の多い女である(と思う)。
(私より私語の激しい事務員がひとり居る。が、その子もいい人なんだよなあ)
普段引きこもっている私はスタッフの顔を見ると嬉しくて、つい話しかける。
最初は仕事の話で階下(クリニック。うちは2階に住んでいる)に
降りていくが、つい、その続きに私事を話し続ける。
「私語は止めなさい。と注意しにきて私語ばかりしている変な奥さん」と
途中で、自分で気がつき止める。(笑)
そんなワケで実は長い間、よほど用事が無い限り、医院に行って
なかった。
が、最近、医院の中で色んな改革(?)を始めたので
(企画は殆ど私が練った)その指示に私が行かなければ
ならない事が多くなった。(夫は何しろシャイなので)
で、ほぼ毎日、顔を出している。もちろん極力私語は避けている。
さて、そのA子との話のいきさつはこうだった。
近々、最近採用した人や私の企画に誠意を示してくれた
スタッフたちと、うちの庭(夫が空き地に作ったミニ公園)で半ドンの日に
親睦バーベキューランチ会を催す予定で、その参加者について
A子に訊いたところ
A子が「両親と妹との4人で日帰り旅行を
前から申し込んであるので行けないので残念です。」と言ったので
「へ~、アンタすごいあるよ。私は親なんか放りっぱなし。
アタシャ、
電話をかけてきてもとらないし、実家には殆ど帰らないし、旅行だなんて、
そんな疲れる事したくないからせ~へんわ。アンタえらいねぇ。
うちの医院にやってきても2階には来るな、と言ってあるわ。」
と言ったら、昔、超美人だった彼女(今は太って無残な姿になっている?)が
大きな目を丸くして「へ~奥さん、そんな事をしていたら地獄に堕ちますよ。」
と言ったのだ。
それが、何が嬉しいか?って?
事務主任のA子、性格もいいし、頭もいいし(娘が京大卒)、昔美人だったし、
仕事は早いし、仕事中は殆ど私語をしないし、私には一度も冗談も
文句も言ってきたことがない。
今回の
「奥さん、地獄に堕ちますよ。」が私に対して初めて親しみのある言葉がけ
だったのだ。
親にその話をすると「A子さん、良いこと言うなあ。」と父は嬉しそうだった。
で、最近、比較的頻繁にリハビリに来ている母(足がよくむくむらしい)の
そばに行って話しかけたり、待合室で待っている医院嫌いの浮浪者風の
汚い父の横に座って話しかけたりしている。
それが時に、一時間に及ぶ事もある。
やや耳の遠くなった母に話しかけるのはシンドイが、老齢の父母に
一週間に一度も会わない、電話もしない、というのはチョット我ながら
冷たい気がしてきていたので、A子の言葉は私には、いい薬になった。
先日も4時半から5時半頃まで来ていた両親に代わる代わる話しかけ
少しでも親孝行ができ(両親が喜んでいたので)、気分よくその日を
過ごせた。
両親が帰った後、受付に居たA子に向かって「地獄に堕ちないように
今日も親孝行したで!」と( ̄ー ̄)ニヤリと笑いながら話しかけたら、
「もお、奥さん、私はそんなつもりで言ってませんよ~。」と苦笑した。
ので
A子には「『A子さんに言われたから、ここに居る』と両親に言ったら
喜んでいたよ。」と伝えた。
私の言葉にA子は、さわやかに笑っていた。
最近の私、
汚い格好で(ヨレヨレのユニクロのチノパンツとクタクタのしわしわの白ブラウス)
リハビリ室と待合室を行ったり来たりしているので、
皆は少々変な人だと思っているような気もするが、
あまりの汚さに(?)誰も「奥さん」と気がつかないので
(患者の付き添いと思われていると思う)、気楽に医院に行けるように
なった。
(「あら、奥様。」とか言われようものなら、どう挨拶していいか戸惑う私なのら)
というワケで、A子には本当に感謝している。
地獄に堕ちないように、明日も父母が医院に来たら、なるべくそばに
居てあげよう・・・っと。(^^)V
追記:今日も心臓が少し痛かったので、近くの循環器内科に行ってきました。
心電図とレントゲン撮影の結果、心臓に異常なしでした。
心配をしてくれた皆様、有り難うございました。m(__)m