開業医の妻のたわごと

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ジェノサイド(大量虐殺)

2013年01月25日 00時01分13秒 | Weblog

昨日、久しぶりに英会話に行った。

前にも書いたが今は一ヶ月に2回の割合で行っている。(ボケ防止の為。笑)

12月は完全自主休講。

体調不良だったり、忙しかったりで、・・・へへ、怠け心もあったような・・・。

 

生徒は、オバハンふたり。(ひとりはアタシだよ~!)

もうひとりのオバハンA子は今まで一度も休んだ事が無いのに、昨日は何かの急用で

欠席。

 

で、先生と私の一対一のフリートーキング授業となった。

 

先生はアフリカ系の36歳の黒人男性B。

米国の大学時代に出会った日本女性と結婚していて、現在は日本に住み

一昨年は近くの小学校のALTをしていた。

奥様は通訳ガイドなどをされているそうだ。

 

私は黒人に偏見を持つ気は無いが、去年、スクールの担当の先生が変わる事になり

B先生に初めて対面した時、ちょっと弱った・・・というか・・・困惑した・・・

慣れてない・・・。

 

約1年が過ぎ、先生の良さ(色んな面で)が段々判ってきた。

祖父が医師だったので医学の道に進みたかったそうだが、家が貧しくて

学費と生活費を全部自分で稼ぐ必要があった為、4年制の大学を選んだと言う話は

以前に聞いていた。

 

米国の大学の学費はどこも高額だ。

親からお金を借りるか奨学金に頼るかアルバイトに精を出すか、何かしなければ

一般家庭では簡単に入れる所では無い。

 

以前、彼が「家が貧しかったので必死で働いて大学を出た」と言う話を聞いた時、

「私もそうです」と普通に答えていた。

心の中で「そんなん当たり前やん。」ぐらいにしか思っていなかった。

が、

昨日はふたりきりだったので色んな事を話し込んで、驚愕の事実を知った。

 

彼は祖父の代ぐらいから米国に移り住んでいたのだと思っていた。

何気に家族の状況を訊いたのだが、

彼はアフリカのルワンダに生まれ、約20年前(正確には1994年)のルワンダ紛争の時に

両親や親族皆が虐殺され、たまたま米国に居た親戚を頼って兄とふたりで米国に

逃げてきたとの事だった。

 

ルワンダには元々、ツチ族とフツ族という民族が居て、それぞれが農耕、遊牧とに別れ

互いに干渉する事もなく平和に暮らしていたと言う。

 

そこに欧米人による植民地支配が始まり、2つの部族を闘わせる方向に仕向け

フランス政府が虐殺側に立ったフツの援助を組織的に行っていたらしい。

(「ホテル・ルワンダ」という映画があるらしい。観てみたい)

 

約100万人の人が虐殺されたという。

 

私の英会話教師Bが17歳ぐらいの時の事である。

そこから生き延びて米国に渡り、自分の力で大学を出た。

 

昨日、私は年老いて行く両親の心配や、

中・高とゲームに明け暮れて勉強しなかった息子の話をしていたのだが、

彼の話を聞いた途端、すべてが些細な、ちっぽけな事に思えてきた。

 

最近悩んでいた事、すべてが、とても小さい。

彼の人生と比べると何と平和な悩みなんだろう・・・とひどく胸をゆさぶられた。

 

彼に「私はフィジカルにもメンタルにも弱いので小さな事にもクヨクヨするんです」

と言うと彼は「あなたは弱くない。大丈夫です。」と言ってくれた。

そうだ。

私は弱く無いのだ・・・。

 

目の前の36歳の彼がとても大きく見えた。

 

彼の生活信条はrighteous(道義的に正しい)な生き方をする事だそうだ。

彼は菜食主義者で、かなり清貧な生活を送っているが、毎日がとても有意義で

幸せだそうだ。

生きているだけでワクワクすると言っていた。

生きていると色んな人に出会えて楽しいと言っていた。

 

何だか上手く書けないけど、必死で生き抜いてきた人の言葉はひとつひとつが重くて

心に響く。

 

アルジェリアで起きた残酷な事件も遺族の方々や会社の方の事を思うと

やりきれないが、その想いや悲惨さはニュースから伝わってくるだけなので

ニュースが切り変われば、TVの前の私たちは一瞬にして平和な日常に戻ってしまう。

 

昨日は平和ボケで、小さな事を拡大して悩んでしまう自分を恥じた。

 

戦下から逃れ生き延びてきたB氏から直接色んな話を聞くことが

でき、気持ちがかなり穏やかになった。

 

黒人・・・と、今までB先生をどこか冷めた目で見ていた私だが、彼に出会って

話し込んでヨカッタ。

 

昨日は、先生と深い話をする事によって

これからは自分の幸せな人生を「不平不満症候群の額縁」に入れたりせずに

家族や周囲の人に感謝の気持ちを持ち、もっともっと命を大事にして

楽しく生き抜かねばと決意を新たにしたすばらしい一日になった。

 

今年は皆様にもいっぱい、いい出会いがありますように。(*^_^*)

 

コメント (4)
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