The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

死刑執行人

2010年08月19日 | Weblog
今、別館サイトのために資料を読んでいます。エリックが行ったわけではないのですが、「サマルカンド」と原作に明記されているので、ウズベキスタンは外したくなく、無理やりインドへのルートの押しこむ予定です。

ウズベキスタンのブハラは19世紀、狂暴な藩王ナスルラー・バハドゥールが恐怖政治を行っていました。
ナスルラー王は自分の兄弟、妃も殺しています。大臣の腕や頭も斧ではねてるし。。。

アルク宮殿の塔から罪人をつき落していた事は有名ですが、その他にも色々斬首とか拷問をやっていたらしいですね。しかも宮殿の側で。
年代は若干違いますが、サドリーディン・アイニ作「ブハラの死刑執行人」など読むと「死臭漂うブハラ」という表現が単なる文学的な大げさな表現でなく、実際問題血の匂いと死臭がただならぬものだった、というのが如実に分かります。

19世紀に未知の土地・中央アジアの紀行文と言うのは何種類か出版されましたが、ヨーロッパの人々にはその記述の中に出てくる、人間が犬猫のように殺されていく有様がなかなか現実のものとは思えなかったようです。

こんな事を考えるのもエリックが仕えたのがペルシャの「ナーセロディン・シャー」でなく「狂暴な藩王ナスルラー・バハドゥール」でも良かったんじゃないか、と思ったからです。

地理的にも何の問題もないしwしかもこの王はヨーロッパに来た事もないし、「遠くの国の冷酷な王」という役割はぴったり。この人を悪く書いても誰も、同国人すら怒らなさそう。


いや、某サイトマスター様のお言葉じゃないですが「ナーセロディン・シャー個性的すぎw」
ヨーロッパ大好きだし、実際何度も来てるし、ハンサムだし、冷酷無比な異常性格者呼ばわりされる筋合いも見当たらないし(バーブ教徒を殺したけれど←でもこれって大宰相のやったこと?)、なんでガストン・ルルーに悪く書かれているか理解不能だったり。


現代を生きる日本人にとって「ペルシャのシャー・ハン・シャー」というのは何のことやら分からない存在ですが、当時のパリの人々にとっては割に現実味を帯びた人物でした。(イギリスやオーストリアに行ってるので)

大宰相を「うっかり」殺しちゃったことも、「悔いている」というのもイランで、しかも暗殺現場でイラン人のガイドから聞きました。大好きな人を「うっかり」殺しちゃうのって本当に辛い。でも英国、ロシアのグレートゲームのはざまでどうにか舵取りをして独立を保ったのは評価に値するとは思います。



「ブハラの薔薇の時代」(薔薇はなさそうですが)なら何も問題もないのにーーーー!!!!!!!!!!


そうそう明日旦那がブハラに旅行に行きます。
へえ~~夏休みだし、いいよね。え?いいの!!気にしてないで留守番頑張るつもりw
ロシア旅行がぶち壊れたり、ハーマジェスティック・シアターとパリ・オペラ座のチケットが紙くずになったのも別に気にしないわ!!!!!!!!!

ちなみに旦那は朝起きるとエアコン、ずっとエアコン、エアコン大好き!!人間なのですが「ウズベクって38℃くらいになっちゃうみたいよ」と脅しても「暑いのはいくらでも耐えられる」と聞きいれません。

でも実際は46℃くらいみたいですね。