漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

【且】 と 【旦】

2013-11-14 22:42:35 | 雑記
 【亶】 という字の下の部分は 【且】 ではなく 【旦】 であり、旁(つくり)が 【亶】 である字も、 【擅】 【羶】 【檀】 【壇】 など、みな 【旦】 が正しいようです。

 ところが、 【氈】 は 「漢検 漢字辞典」 では 【且】 となっていることに気づき、更に調べて見ると、なんと 「漢字必携」 では 【旦】 の方が標準字体で、 【且】 と書く方が許容字体とされていました。 「辞典」 には異体字等の表示もなく、記載されているのは 【且】 の方だけです。私は 「必携」 がリニュアルされた 「要覧」 を持っていないのでそちらは確認できないのですが、最近発刊された 「分野別 精選演習」 の巻末資料でも上記と同じ扱いですので、おそらくは 「要覧」 も同じでしょう。

 また、これと似た現象 (「現象」というのも変ですが) として、 【渣】 という字はもちろん 【且】 が正しいですが、パソコンではフォントによって 【且】 と表示されたり 【旦】 と表示されたりすることがわかりました。


 フォントによる表示の違いはさておくとしても、特に 【氈】 について、「必携」 と 「辞典」 とで扱いが異なるのは気になります。漢検の採点基準は、「『要覧』による」 のですから 【氈】 はどちらで書いても良いのでしょうし、となると 【亶】 を含む字はすべて 【旦】 の方で書くと覚えておけば良さそうですが、本来正しい字はどちらなのでしょうね?

 ちなみに、「漢語林」 と 「大漢和辞典」 を調べたところ、どちらも見出しは 【旦】 の方になっており、 「必携」 の取り扱いと一致しています。結局のところ 【氈】 については 「漢検 漢字辞典」 だけが取り扱いが違うようなので、もしかすると 「辞典」 の誤記(許容字体ではあるのですから「誤記」は言いすぎかもしれませんが)なのかもしれませんね。

3℃

2013-11-14 05:33:05 | 雑記
 久しぶりに早朝学習してます。

 現在(11/14 5:33)、PCに表示されている外気温は3℃!

 まだ11月中旬ですが、立冬が過ぎると同時に、暦通り冬が訪れているようです。

先人のブログは知識の宝庫

2013-11-12 08:40:13 | 雑記
 おとといの日曜日から昨日にかけては、関西方面に出張でした。出張の新幹線は大抵漢字の勉強にあてているのですが、今回は往復で6時間以上も乗ることになるので、さて何を材料にしようかと案じながら出発。実際に乗車してからふと、あらためて先人リピーターのブログの通読をしてみようと思い立ちました。

 そんなわけで、往復の新幹線の時間ほぼすべてを使って、いつもお邪魔しているしろねこさんの 「漢検1級リピーターしろねこの日記」 を最初の記事から通読 (正確には「再通読」) しました。

 しろねこさんは、学校の国語科の教員をなされている方で、漢字という 「文字」 に留まらず、日本語・国語というものに対する深い知識・洞察に裏打ちされた記事を数多く書かれています。職業とされている方に私などがこんなことを言うのは僭越でしかありませんが、記事を読ませていただくと感嘆させられることもしばしばで、普段から大変お世話になっているブログです。

 話しを 「漢検」 に絞ってみても、通読させていただいていると、たとえば直近2回の漢検でも実際に出題されている事項がいくつも書かれています。これは、他のリピーターの皆さんのブログでもしばしば体験することで、あらためて先人の皆さんのブログは漢検対策のための知識の宝庫だと感じました。



 と、いうことで、これからも皆さんのブログに積極的にお邪魔して知識・語彙の増強に努めたいと思いますし、逆に私も読んでくださる皆さんの役に立つブログにしていきたいとあらためて思います。


 25-3まであと80日と少し。
 頑張りましょう!

「辞典」をランダムに  その2

2013-11-09 21:05:31 | 演習問題
 きょうは仕事も休みで、かつ、特別な予定もなかったので漢字三昧の一日でした。例によって体系的でない 「拾い読み勉強」 ですが、最近それが楽しくて仕方がありません。(笑)

 ほんの少しですが、問題形式でご紹介します。



<同音意義語>

1. 【サシ】 と言えば、三保の松原が有名だ。

2. 液体を濾過して 【サシ】 を取り除く。

3. 他の動物を捕食する猛禽を 【シチョウ】 という。

4. 兵士の行進に 【シチョウ】 を積んだ車両が続く。


<語選択書き取り>

5. まじめなこと。また、そのさま。

6. 世の中。世間。社会。

7. 文字や文章が堅苦しくてわかりにくいこと。

8. 人を罪におとし入れること。

9. 月の異称。

語群 : せいかん  こうこ  ようだい  きっくつ  しじつ




<解答>
(かっこ内は、「漢検 漢字辞典」初版の掲載ページです。)

1. 【砂嘴】   (539)
 潮流、風などの作用で、砂地が湾の一方の端から海中に細長く堆積して堤状になったもの。

2. 【渣滓】   (541)
 液体の底に沈んでいるかす。沈殿物。おり。

3. 【鷙鳥】   (622)
 ワシ・タカなど、他の動物を捕食する鳥。また、性質のあらい鳥。猛鳥。猛禽。

4. 【輜重】   (620)
 軍隊の荷物。食糧・武器など。旅行者の荷物。また、荷物を運ぶ車

5. 【摯実】   (620)

6. 【江湖】   (478)

7. 【佶屈】   (292)

8. 【擠陥】   (862)

9. 【瑶台】   (1517)


【手臂】

2013-11-07 20:56:01 | 故事・成語・諺
 25-2で、故事・成語・諺の問題として 【シュヒ終に外に向かって曲げず。】 が出題されました。意味は and 様がコメントで教えて下さいました (25-2 振り返り その2) が、自分でも調べねばと 「大漢和辞典」 を繙いたところ、これ自体は載っていなかったのですが 【手臂】 を用いた別の用例が掲載されていましたので、ご紹介します。


 【手臂の頭目を扞(ふせ)ぐがごとし。】


意味は、「恰もかひなが頭や目を護るが如くである。下の者が上の者を護るをいふ。」 とあります。出典は荀子とのこと。

 ところで、「大漢和辞典」の「手」の項に掲載されている用例は370個! 50音順には書かれていないので、【手臂】 を探すのも大変でした。やはりすごい辞書です。