なげきこる やまとしたかく なりぬれば つらづゑのみぞ まづつかれける
なげきこる 山とし高く なりぬれば つらづゑのみぞ まづつかれける
大輔
嘆きという木を伐採して山のように高くなったので、頬づえばかりつくありさまとなっています。
非常にわかりづらいですが、山登りの際に杖を突くように、山のように増えた嘆きに悩んで頬杖を突いている、ということですね。「こる」は「樵る」で木を伐採すること、「つらづゑ」は「面杖」で頬杖のことです。
作者の大輔(たいふ)は但馬守源弼(みなもと の たすく)の娘で、古今集への入集はこの一首のみ。0463 の作者源忠(みなもと の ほどこす)も源弼の息子ですから、大輔と忠は兄妹ないし姉弟の関係ということになりますね。忠の方は、名を「恵」と表記することもあるのですが、そうすると「大輔」が女性で「恵」が男性と、現代人の感覚からすると真逆な感じがしますね。^^;;